あはれ、秋風よ、情あらば伝へてよ
今年のサンマは大丈夫か?と
大震災直後に発生した福島第1原発の大事故は、その除染がようやく大きな問題としてクローズアップされてきましたが、原発事故の収束に至る道筋が全く五里霧中であるのと同じように、徐染の問題も、解決の糸口がまったく見えないというのが本当の姿のようです。
9月 27 日の国会の予算委員会の質疑で、共産党の 志位和夫氏 は、群馬大学教授・ 早川由紀夫氏の作成した「汚染マップ」 を示しながら、以下の質問を行いました(下記 URL )
(志位氏)除染費用は、国が責任をもって全面的に支払う、その上で東電にすべての賠償責任を追わせるべきだ。
(首相)全面的にというか、最終的には国が責任をもって除染を行う。
9月 29 日、環境省は 福島第1原発事故に伴う放射性物質の除染や汚染がれきの処理にかかる国の負担が、 2011~13年度までの3年間で少なくとも1兆数千億円 に上るとの見込みを発表しました。
この費用の算定基準は、
(1) 文部科学省 による空間線量率の測定データなどを参考に除染対象地域を想定。表土の除去などで出る土壌や落ち葉の量を試算
(2) 除染対象地域は福島県の総面積の約 17 %に当たる約 2419 平方km
(3) 除染によって生じる土壌の量は、最大で約 2879 万立方 m 、これは東京ドーム 23 杯の量になる。
上記、志位氏の国会質問は9月 27 日、一方、環境省が国の除染の指針を発表したのは、 志位氏の国会質問の2日後、
志位氏の質問が、しごくまっとうなものであるならば、環境省の除染基準は、本来、国がやらなければならない除染の、わずか 1/100 以下でしかない事は一目瞭然ですね。
これにより、野田内閣の除染に対する取り組みが、其の場しのぎの、全くインチキなものであることが明らかになったと、リュウちゃんは感じました。
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天高く馬肥える秋
サンマの新物が市場に出回り、まさに食欲の秋全開、
しかし、ちょっと待って下さい。
サンマは本当に大丈夫なのでしょうか?
以下の 図は、フランス放射線防護原子力安全研究所( IRSN )が4月初めに発表した海洋汚染のシュレーション図です。この汚染図につきましては、門外漢であるリュウちゃん、正しい評価は出来ないのですが、「陸上の汚染地図と同じような規模で、三陸から千葉県にいたる近海に汚染が拡大している」とイメージ出来ますね。
下図は「サンマの回遊パターン図」ですが、この図と上記 IRSN のシュミレーション図を重ね合わせてイメージしてみますと、以下のことが云えると思います。
(1) 黄色い矢印の 「北上群」 は、5~6月位に汚染海域を通過した。
(2) 赤い矢印の 「南下群」 は、 10 ~ 11 月に汚染海域に達する。
従って、 10 ~ 12 月の「棒受け網漁」で捕獲される筈のサンマは、少し危ない感じがする。
農林水産省は、全国の食品の放射能の量を測定して、データの公表しています。
このデータの内、「サンマ」(調査期間:3月 19 日~9月 30 日)を検索してみましたところ、調査件数はたったの2件のみ!検査日は2件とも8月9日、調査場所も2件とも福島から遠く離れた北海道、調査結果は2件とも放射性物質検出ゼロ、
これじゃ、調査した事にはならないですね!
8月 24 日付けのジャパン・リアルタイム紙によれば、漁業者団体の全国さんま棒受け網漁業協同組合は、 福島第1原発から半径 100 キロ以内のサンマ漁を自粛すると発表しました。
放射性物質は大抵、重金属なので、海洋に飛散したもの、あるいは、原発の排水によって放出されたものの殆どは速やかに海底に沈殿すると思われます。
従いまして、海の上層部を回遊するサンマやイワシ、マグロ、カツオのような回遊魚よりも、カレイ、ヒラメ、アイナメ、メバルなどの海底に暮らす魚、またアサリやサザエ、アワビなどの貝類、またワカメなどの海藻類 に、 より深刻な影響 が出る筈です。
国際的環境保護団体の グリーンピース は、5月 26 日に声明を発表、それによれば、
、「東日本大震災で壊滅的な被害を受けた、福島県の沿岸都市の海産物に対する検査の結果、特に海藻類から、基準値を大幅に上回る放射性物質が検出されており、長期間にわたって人体や生活環境に深刻な危害を及ぼすことが予想される」
しかし、日本の政府関係者は、
「海流や潮の満ち干により、太平洋に放出された放射性物質は急速に薄まる」
と主張しています。
どちらの云う事が正しいのでしょうか?
グリーンピースは、捕鯨問題などで、我々日本人にとりましては、いかがわしい団体だという印象があります。しかし、こと福島原発周辺の海洋汚染に関するモニタリング調査と、その結果についての警告は、日本の農水省などの発表するものよりも、遥かに信用に足りるものであるとリュウちゃんは思いました。
今年のサンマは大丈夫なのか?
最初の自問に対するリュウちゃんの結論は、以下です。
★ リュウちゃんのような高齢者は、どのみち大丈夫、
★ しかし、リュウちゃんの孫ちゃんのような小さい子供には、きちんと内臓の放射線量までチェックした上でないと、食べさせたくない。
野田内閣殿、海産物の汚染も、包み隠さず国民に明らかにして下さい!
そして、放射能タレ流しの元凶である東電に、全額補償させて下さい!
東電の尻拭いで増税するなど言語道断です!
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