リュウちゃんの懐メロ人生

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2025年09月05日
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​​ ​「俺、お前の血が欲しい」​
(喜久雄=花井東一郎=吉沢 亮) ​​
​​ 「芸があるやないか」
(俊介=花井半弥=横浜流星)



(前回のブログの続きです)

​​ストーリーに入る前に、 登場人物の相関図 を貼り付け、簡単に登場人物を紹介します (主役の2人は前回のブログで紹介しましたので、今回は脇を固めるキャラクターと俳優を紹介することにします)



​​ ★花井半二郎(渡辺 謙) ​上方歌舞伎の大名跡、主人公の一人、花井半弥(横浜流星)の実父です。渡辺 謙は、日本を代表する国際的大スターで、アメリカ映画「ラスト・サムライ」でトム・クルーズと共演、また。クリント・イーストウッド監督の 「硫黄島からの手紙」 では、栗林中将を演じて観る人に感銘を与えました。
​​
映画の花井半二郎は、
「連獅子」で立役(男役)を演じ、
「曽根崎心中」では
女形の「お初」を演じようとする。
半二郎は立役、女形の二刀流だったようだ?


(花井半二郎=渡辺 謙)

★大垣幸子(寺島しのぶ) ​花井半二郎の妻、花井半弥(横浜流星)の母親です。役名の苗字が 「大垣」 となっていますのは、花井半二郎の本名の苗字が「大垣」だからなのです。​​
​尚、息子の花井半弥の本名は 「大垣俊介」 なのです。​
​寺島しのぶは、前回のブログで紹介した七代目尾上菊五郎と藤 純子の娘ですが、両親と違って 「汚れ役」 も辞さない演技派女優なのです。


(大垣幸子=寺島しのぶ)

★小野川万菊(田中 泯) 人間国宝の女形です。​
​女形の万菊を見事に演じた田中 泯は、昭和20年生まれの舞踊家(ダンサー)・振付師です。俳優業は、平成14年に公開された山田洋次監督の初の本格的時代劇 「たそがれ清兵衛」 (真田広之主演)、この映画で、57歳(当時)にして、数々の新人賞を受賞しました。​


(小野川万菊=田中 泯)

​​★ 梅木(島田久作) 歌舞伎の興行を仕切る興行会社「三友」の社長です。


(写真右が梅木=島田久作)

異様に長い顔、
容貌魁偉、
昭和63年公開の映画「帝都物語」の
魔人役が忘れられない。


(映画「帝都物語」のポスター)

​​ ★吾妻千五郎(四代目中村鴈治郎) ​​​​​上方歌舞伎の大御所、映画の後半で喜久雄と駆け落ちする彰子の父親、四代目中村鴈治郎は、本物の 「人間国宝」 であり、この映画の 「歌舞伎指導者」 としてスタッフとしてもこの映画に関わりました。父は 四代目坂田藤十郎 (三代目中村鴈治郎、初名は二代目中村扇雀)、母は 扇千景 です。


(吾妻千五郎=四代目中村鴈治郎)

​​ ★福田春江(高畑充希) ​​喜久雄の長崎での幼な馴染み、喜久雄に惚れ込み、喜久雄と 「対の刺青」 を入れます。喜久雄を追って大坂に来て、喜久雄の成長を見守る、この映画のヒロインです。高畑充希は今、人気絶頂の 「旬の女優」 です。


(福田春江=高畑充希)

​​ ★藤駒(見上 愛) ​​祇園の舞妓(芸妓)、喜久雄が祇園の茶屋で遊んだ際、喜久雄に一目惚れし、後に喜久雄の愛人となり、一人娘の 「綾乃」 を産む芸妓です。見上 愛は、来年のNHK朝ドラ 「風、薫る」 の主演が決まっている2000年生まれの新進女優です。


(藤駒=見上 愛)

​​★ 綾乃(滝内公美・たきうち・くみ) 喜久雄と藤駒の間に生まれた子供です。成長してカメラマンになり、人間国宝になった喜久雄を取材します。
​​
​​ ★彰子(森 七菜・なな) 吾妻千五郎の娘、映画の後半で、喜久雄と共に大阪から出奔して、ドサ回りの旅に出ます。


(彰子=森 七菜)

​<スト―リー>
​​
花井半二郎に引き取られた喜久雄は、花井東一郎という屋号(芸名)を与えられ、半二郎の息子・俊介(屋号=花井半弥)と共に厳しい修行の末に、若手人気女形として成長していきます。

2人共、女形なのだ。
ちょっと危険。

​2人が共演で演じる演目は、先ずは 「二人藤娘」 です。


(二人藤娘)

​歌舞伎舞踊 「藤娘」 は、絵から抜け出した「藤の精」が娘姿で踊るという、歌舞伎舞踊の人気の演目です。
​2015年に公開された松竹シネマ歌舞伎 「二人藤娘/日本振袖始」(演出:坂東玉三郎) では、坂東玉三郎と中村七之助の「二人藤娘」を観ることが出来ます。以下にこの映画の予告編の動画を貼り付けますので、興味のある方はクリックしてご覧くださいね。​
​次の共演演目は、 「二人道成寺」 です。


(二人道成寺)

​「京鹿子娘道成寺」は、和歌山県日高町にある古刹 「道成寺」 に伝わる​
「安珍・清姫伝説」 を基にした歌舞伎舞踊です。​
​「安珍・清姫伝説」の概要は、 「思いを寄せた僧の安珍に裏切られた清姫が蛇に変化して日高川を渡って追跡し、道成寺で鐘ごと安珍を焼き殺す」 というものです。
​2007年に公開されたシネマ歌舞伎 「京鹿子二人道成寺」 (演出:坂東玉三郎)では、坂東玉三郎と尾上菊之助の「二人道成寺」を観ることが出来ます。以下に「予告編」の動画を貼り付けますので、興味のある方はクリックしてご覧くださいね。
<シネマ歌舞伎「鹿子二人道成寺」予告編>

​​
​2人の共演とは別に、師匠の花井半二郎は、息子の俊介(花井半弥)との共演で 「連獅子」 を舞います。


(花井半二郎の「連獅子」)

​​​「連獅子」は、歌舞伎舞踊の代表的な演目の一つで、 「獅子(ライオン)は生まれたばかりの我が子を深い谷に落として、そこから這い上がってきた子のみを育てる」 という 「獅子の子落とし伝承」 を基に作られた演目です。
​​​
映画「国宝」の、
これからの物語の展開を考えると、
意味深な演目なのだ。

​​​ある日、藤一郎と半弥は、現役の「人間国宝」である女形「小野川万菊(田中 泯)」の 「鷺娘(さぎむすめ)」 の舞台を観に行きます。舞台が始まる前に2人は万菊の楽屋に挨拶に出向きます。挨拶が終わり、楽屋を退出しようとした途端に、万菊は 「オネエ言葉」 で半弥を呼びとめ、半弥の顔を抱きながら 「美しいお顔だこと」 と呟きます。
​​​
このシーンの田中 泯の演技、
老いた人間国宝の女形の栄光と悲惨を、
一瞬で余す所なく表現していて、
見事だ!

挨拶の後、2人は万菊の「鷺娘」の舞踊を鑑賞し、その見事な舞踊に打ちのめされるのでした。


(万菊の「鷺娘」)

田中 泯の見事な女形の演技は、
誰を参考にしたのか?

​歌舞伎音痴のリュウちゃん、色々とネット検索してみました所、どうやら小野川万菊のキャラは、昭和を代表する女形で「人間国宝」の 「六代目中村歌右衛門」 に、かなり似ているのではないかと思いました。
昭和を代表する女形
六代目中村歌右衛門、
ルックスも、
田中 泯の小野川万菊とソックリだ!


(六代目中村歌右衛門)

​​花井半二郎は舞台で 「曽根崎心中」 「お初」 を演じる予定だったのですが、その直前に交通事故で入院してしまいます。
​​
「曽根崎心中」公演直前の交通事故、
いまさら公演は中止出来ない。
代役を立てて公演をを行うが、
代役は喜久雄か、それとも俊介か?

​​本来なら半二郎の実の息子、俊介を代役にするのが 「歌舞伎界の定石」 なのですが、ここで半二郎は、養子(部屋子)の 喜久雄 を代役に指名するのです。
​​
実の息子・俊介ではなく、
部屋子の喜久雄を代役に指名したこと、
ここから
映画「国宝」のドラマが始まるのだ!

​​ <「曽根崎心中」について>
​​
​​​江戸時代に活躍した人形浄瑠璃及び歌舞伎の作者・近松門左衛門が元禄16年(1703年)に書いた文楽・歌舞伎の世話物演目です。元禄16年に実際に起こった大阪の女郎、 「はつ」 と、醤油商人の手代 「徳兵衛」 の情死事件を題材にしています。
​​​
映画では、前半と後半に計2回、「曽根崎心中」を演じるシーンが登場します。
前半に登場するのは、花井半二郎の代役として急遽、「お初」を演じることになった
​​ 「お初=喜久雄」版 、後半の2回目は 「お初=俊介、徳兵衛=喜久雄」版 の「曽根崎心中」です。
​​
歌舞伎「曽根崎心中」のストーリーや詳しい内容につきましては、下記のサイトをクリックしてご覧下さいね。
​​美空ひばりが昭和30年にリリースした 「恋の曽根崎」 は、曽根崎心中を題材にした歌謡曲です (詞:西条八十、曲:古賀政男) ​​
以下に、このレコード(SP盤)のレーベルの写真を貼り付けます。



この歌の1番の歌詞は以下です。

♪~恋風の 娘心にしじみ川
お初可愛や染小袖
身は色里に育つとも 
命を懸けた徳さまを
想い切ろうか切らりょうか~♪

​1番と2番の最後に、 中村扇雀 (二代目、後の四代目坂田藤十郎、人間国宝、妻は扇千景、息子はこの映画で「吾妻千五郎」を演じた四代目中村鴈治郎)の台詞が入ります。
<徳様に離れて片時も生きて居ようか、どうで徳様一緒に死ぬる、わしも一緒に死ぬるわいなぁ>

<残るひとつが今生の、鐘の響きの聞き納め>

この中村扇雀の台詞、
素晴らしい!


(中村扇雀)

​​尚、JR大阪駅から10分程歩いた所に、「お初・徳兵衛」が心中した 「お初天神」 <正式名称:露(つゆ)天神社>があります。リュウちゃんが勤務していた会社の大阪オフィスが「お初天神」のすぐ近くにありましたので、ここはリュウちゃんにとりましうては、 「馴染みの天神さん」 ​だった​ のです。


(お初天神)

花村東一郎として、半二郎の代役として「曽根崎心中」の「お初」を演じることになった喜久雄の初日の楽屋に、俊介が訪ねて行きます。


(楽屋で化粧する喜久雄)

喜久雄の手は重要な初舞台を前にして、ブルブル震えています。
喜久雄 ​「一番欲しいのは俊ぼんの血や、俊ぼんの血をコップに入れて、ガブガブ飲みたいわ」
​​
​​ 俊介 ​「芸があるやないか」
​​
この会話を交わした後、俊介は、喜久雄の「曽根崎心中」の初舞台を観て、その演技力の圧倒され、一緒に舞台を観ていた福田春江(高畑充希)と一緒に、出奔してしまうのでした。

血筋か?
それとも「芸の力」か?

これがこの映画の大きなテーマなのです。

​​(以下、 <映画「国宝」を観る~その3> に続きます)​​
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最終更新日  2025年09月05日 19時42分08秒
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