Road to an Agriconsul

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2007年01月09日
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カテゴリ: 村のこと
 当然のことではあるが、言葉にはそれぞれイメージが付きまとう。そして言葉が共通なイメージをもつからこそ、同じ言葉を使う人間同士の間においてコミュニケーションがなりたっているわけである。


 例えば「台風」という言葉を耳にしたとき、私は暴風や豪雨そして波浪など荒れ狂う様を想像する。また「西ん風」という言葉を耳にしたとき、私は長時間にわたる強風や晴天、体感音頭の低さなどを想像する。これは新島にすむ多くの人の共通したイメージではないだろうか。

 そのためハウスを持っている農家であれば、台風が来ると聞けば、ビニールハウスのマイカー線をきつく締めなおしたり、また人によってはハウス自体が吹き飛ばされないように、ビニールを剥いでしまうとうことをしてその準備にあたる。しかし西ん風が吹くと聞けば、台風までの天候の荒れはイメージせず、ハウス内に風が入らないようにきちんとビニールを閉めるとか、風邪が吹き付ける西側を補強するということで準備をする。

 これはそれぞれの農家がそれまでの経験をもとに、またこの地域社会での過去の経験から、その言葉のイメージが出来あがっているからである。

 しかし時としてそのイメージが崩されることがある。まさにこの連休に受けた西ん風はそれ自体が持っていたイメージを大きく変えさせた。
 低気圧が950hPaまで下がった低気圧がもたらす西ん風は、それまでの西ん風の域を越え、まさに台風であった。

 ですから、村内でも多くの農家のハウスが被害を受け、また中に植えられていた作物が相当なダメージを受けることとなった。また巻き上げられた海水で島全体に塩害がもたらされた。もし農家の頭に西ん風も台風並の暴風をもたらすというイメージがあったならば、台風のときにとられる対策を行い、その被害は最小限に抑えることが出来ただろう。

 そういう私も、西風を台風よりは劣る気象現象だととらえていた。しかし今回の経験を通して、時として西ん風も台風と同じような天候の荒れをもたらすことを学習した。

 そして私の中に、また地域の中で「西ん風」という言葉のイメージが塗り替えられることとなった。
 それが経験というものなのかもしれない。

壊されたハウス倉庫
<西ん風に壊されたハウス倉庫の残骸>

フロントガラスにたまった塩
<車のフロントガラスに溜まった塩、強風で海水が降りました>






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最終更新日  2007年01月14日 10時28分54秒
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