Road to an Agriconsul

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2007年04月19日
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カテゴリ: 出会い
 世の中にはハウツー本とかマニュアル本と呼ばれるたぐいの本がたくさんある。「整理術」や「速読術」の本から「話し方の本」「できる上司やできる部下になる本」、また「賭け事に勝つ方法」「一攫千金を狙う本」などまさに色々である。

 こういう本の大多数はハードカバーではなく、一回読みきりのような文庫本化されていて、まさに電車通勤するサラリーマンやOLにはピッタリの仕様にできあがっている。また本のタイトルが非常にストレートなため、本の中身をイメージしやすく、人々の素直な欲求に迫ってくるので、本屋でつもつい手がのびてしまう。

 そういう私もこのようなたぐいの本には色々お世話になってきた。しかしお世話になってきた割には、その本を読んだことで劇的に自分の生活が変化したり、本に描いてあるようにバラ色な人生を送りはじめたりしたことはなく、その後も整理整頓のできない男のままであり、また大金を手にしたこともなく日々を人生を送っている。

 例えば少し前にも「接する人の心理が手にとるように分かる本」というのを読んだ。副題には「~これであなたの人生おもいのまま~」というような文句が書かれていたが、著者が心理学者であったためか、過去の事例研究の紹介や、それに基づく一般論が述べられているだけで、読むほどに人の心理が余計分からなくなり、読み終えたときには私の人生さえも迷宮に入り込むような心持であった。

 また高校や学生のときは「女の子に持てる術」みたいな本も読んだ記憶がある。本の中では「気になる女の子の気持ちを自分に向かせるための色々なテクニック」が紹介されていて、私も実際にいくつか有効と思われる手段を実行してみた。例えばマニュアルの1つにこんなのがあった。
(1)何かの話題でお互いの会話が盛り上がる。
(2)しかしその後しばらくその相手と距離をおいてみる。
(3)相手はその距離間を不安に感じ気持ちを寄せてくる。といった具合である。
 なるほど・・・、と思い実行にうつした私の結果は、「相手が距離感に不安すら感じず、互いの距離が永遠に離れていってしまった。」というものであった。

 そういうわけで私はこういう類いの本は信用しないことにしているのである。

 しかし先月の上旬のことであるが、若郷に住むある小学校の先生からのお誘いを受けて、小さな講演会に参加する経験があった。それは突然のお誘いで、また講演会の中身についてもあまりよく理解していなかったが、何やら著名な方がいらして、ためになるお話をしてくれるらしいということだった。もともとそういう集まりは嫌いでない私は近所の友人を一人誘って夕方の遅い時間、そそくさと若郷まで出かけていった。

 その講演会若郷小学校の小さな校長室でこじんまりと開かれた(ちなみにこの小学校は、この3月で120年以上の歴史に幕を閉じ閉校となった)。
 そして講師の先生は樋口健夫さんという方であった。
 こんなことを言うと失礼だが、最初わたしはこの講演会に強い期待を寄せているわけではなかった。しかしパワーポイントを駆使してのお話を聞いているうちに、この樋口さんはある有名商社の海外駐在員を長年務め、現在は「東芝」や「日本IBM」また「ジャパネットたかだ」などいくつもの日本を代表するような企業の社員研修をされていて、また筑波大をはじめ数校の大学講師もされている方であることを知った。そしてこの小さな部屋でそれら企業や大学でおこなわれるものと同じ中身の講演を熱くしてくれているのであった。

 先生が指導するメソッドは「 アイデアマラソン 」というものであった。
 詳細についてはリンクしたサイトを参考してもらいたいが、今回樋口さんをお呼びした若郷小学校の先生が、以前聞いた樋口さんの話に感銘を受け、このメソッドを自分の授業に取り入れたため、その様子を見ながら現地指導をするために樋口さんは来島されたのであった。

 私は非常に感動した。何に感動したのかというと、若郷小学校は生徒が数名の小さな小学校である。そしてこのメソッドを導入し学んでいるのはそのうちの一人の小学生のみであった。しかしこの樋口さんは、わざわざその一人の児童のために時間をつくり、往復の飛行機代を支払い、そしてその若郷の先生の自宅に泊まり、わざわざ講演会まで開いてくれたのである。
 そういう心意気とフットワークの軽さ、そして決して威張らず、押し付けがましくないないけれども熱いものを心の内に秘めているその姿に驚くばかりであった。

 その後私たちはその小学校の先生の自宅で食事をしながら樋口さんの体験談などをお聞きし、また記念に本までいただいた。

 そのアイデアマラソンというメソッド、次の日から私もやってみることにした。ただ無理をしても続かないので、できる範囲で少しずつとりくんでいくことにした。
 とりあえず今のところ1ヶ月以上は続いている。樋口さんは3ヶ月続けると効果が現れるといっていたので、当面の目標は3ヶ月である。多分その頃になれば続けることが苦にならず楽しむようになっているのかもしれない。

 少なくとも今回の樋口先生からいただいた本は。私がはじめてその効力を信じ実行したハウツー本になったようだ。







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最終更新日  2007年04月20日 00時17分50秒
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