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2025.11.12
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テーマ: 旅行記(546)
カテゴリ: 旅行記
市立図書館の3階にある博物館へ

駐車スペースが数台だし図書館の階上だし、小規模かなと思いてましたが結構な見応えがありました


『遠野市立博物館』









呪術に関する展示物が多くてワックワク✨


呪符見本





📚 修験者に伝授された呪法書



疫病除けや身体の不調、悪夢を除ける符などが記されております




孔雀王というコミックを読んで、呪術かっけぇー!となり、「臨兵闘者 皆陣列在前!」と意味もなく呟く子供でしたな、、(怖w)




呪詛返しのやり方






この狐の窓もドキドキしながらやったけな
これをやりながら「化生のものか、魔性のものか、正体を現せ」と三遍唱えると化物の本来の姿を見破ることができます


🦊 飯綱(いいづな)



管狐(くだぎつね)のほうが一般的ですかね?
同じものです🦊
管狐も最初はかっけぇー!と思いてましたが、使役するとなかなかに怖いことになることを高校生ぐらいの時に知り、ゾッとしましたっけ😅

遠野物語拾遺201話「小友村鮎貝の某という者、ある日遠野の町へ出る途中で見知らぬ旅人と道連れになった。その旅人はそちこちの家を指ざして、この家にはどういう病人があるとか、あの家にはこんな事があるとか色々の事を言うのが、皆自分の兼ねて知っていることによく合っているので、某は心ひそかに驚いて、おまえ様はこの路は始めてだというのに、どうしてそんな事までわかりますかと聞くと、なに訳は無い。おれはこういう物を持っているからと言って、ごく小さな白い狐を袂から取出して見せた。そうしてこれさえあれば誰でも俺の様に何事でもわかるし、また思うことが何でもかなうというので、某は欲しくてたまらず、幾らかの金を出してその小狐の雌雄を買い取り、飼い方使い方をくわしく教えて貰ったという。

それからこの人は怖ろしくよく当る八卦置きになった。始めのうちは隣近所に行って、今日はこっちのトト(父)は浜からこれこれの魚を持って来る。浜での価はいくらだから、持って来て幾らに売れば儲かるという様なことを言っていたが、それが適中するので追々に信用する人が多く、自分もまたたちまちの中に村で指折られる金持ちになった。しかしどうしたものか何年かの後には、その八卦が次第に当らなくなり、家もいつの間にか元通りの貧乏になって、末にはどこかの往来でのたれ死にをしたということである。飯綱は皆こういうもので、その術には年限の様なものがあって、死ぬ時にはやはり元の有様に戻ってしまうものだと云えられている。これと似寄りの話はまだこの他にも方々ある。」


春風祭り人形



伝承園では写真だけだったので実物を見られて嬉しい!

「2月7日から9日頃、各家でワラ人形を作り、門口や辻に立てて1年間の無病息災を願う行事。刀を腰に差し、背中には “春風疫病徐祭” “豊年満作” などと書いた旗を差す。この日は家で団子を作り、家族がそれで身体を拭いてワラ人形にくくりつける。それにより身体の悪いものが人形に取り込まれ、人形自体も魔除けの力を持つと考えられた。」

・・・団子で身体を拭く


清六天狗の遺品



遠野物語拾遺98話「遠野の一日市に万吉米屋という家があった。以前は繁昌した大家であった。この家の主人万吉、ある年の冬稗貫郡の鉛ノ温泉に湯治に行き、湯槽に浸っていると、戸を開けて一人のきわめて背の高い男がはいって来た。退屈していた時だからすぐに懇意になったが、その男おれは天狗だといった。鼻はべつだん高いというほどでもなかったが、顔は赤くまた大きかった。
そんなら天狗様はどこに住んでござるかと尋ねると、住居は定まらぬ、出羽の羽黒、南部では巌鷲早池峰などの山々を行ったり来たりしているといって万吉の住所をきき、それではお前は遠野であったか。おれは五葉山や六角牛へも行くのでたびたび通って見たことはあるが、知合いがないからどこへも寄ったことがない。これからはお前の家に行こう。何の仕度にも及ばぬが、酒だけ多く御馳走をしてくれといい、こうして2、3日湯治をして、また逢うべしと言い置いてどこへか行ってしまった。

その次の年の冬のある夜であった。不意に万吉の家にかの天狗が訪ねて来た。今早池峰から出て来てこれから六角牛に行くところだ。一時も経てば帰るから、今夜は泊めてくれ。そんなら行って来ると言ってそのまま表へ出たが、はたして2時間とも経たぬうちに帰って来た。
六角の頂上は思いのほか雪が深かった。そう言ってもおまえたちが信用せぬかと思ってこの木の葉を採って来たと言って、一束の梛の枝を見せた。町から六角牛の頂上の梛の実のある所までは片道およそ5、6里もあろう。それも冬山の雪の中だから、家の人は驚き入って真に神業と思い、深く尊敬して多量の酒を飲ましめたが、天狗はその翌朝出羽の鳥海に行くと言って出て行った。

それから後は年に1、2度ずつ、この天狗が来て泊った。酒を飲ませると、ただでは気の毒だといって、いつも光り銭(文銭)を若干残しておくを例とした。酒が飲みたくなると訪ねて来るようにもとられる節があった。そういう訪問が永い間続いて、最後に来た時にはこう言ったそうである。


その天狗の衣もなおこの家に伝わっている。主人だけが一代に一度、相続の際とかに見ることになっているが、強いて頼んで見せてもらった人もあった。縫目はないかと思う夏物のような薄い織物で、それに何か大きな紋様のあるものであったという話である。」

レプリカではなく本物っ、、!

天狗との交流かぁ
最初は「勝手に “行くから酒を用意しとけ” とか図々しいな ( ゚Д゚) 」と思いましたが、きっと奇想天外な面白話とか聞かせてくれたんだろうし、なかなかに心温まる交わりかなと




馬市の風景





明治の終わり頃の街並みと盆市のジオラマです
遠野には冷涼な高原性の気候と馬を育てるのに適した広大な牧草地があり、古くから馬の飼育改良に努めたため、南部駒の産地として知られ、特に粗食で耐久力の強い軍馬の供給地として評判でした


駄賃付けの馬



駄賃付けとは馬に荷物を背負わせて各地へ運ぶ仕事で、農民の貴重な現金収入減となっていたそうです
馬を扱う技術と体力が抜群でないと務まらない技術職ですな


この博物館で初めて遠野が沿岸部と内陸部を結ぶ中間地点であり、馬市などでとても賑わう場所であったと知りまして
ずっと、山深く閉鎖的だから怪異の話が多いのだと思っておりましたが、逆に人の流入出が多いので色んな話が集まったのかなと、、




農家のお姉様方がラインダンスのように並んで笑顔
とても良き写真




オシラサマなど、各家でお祀りされていたモノたち👐


釜鳴神様



遠野物語拾遺92話「遠野一日市の作平という家が栄えだした頃、急に土蔵の中で大釜が鳴り出し、それがだんだん強くなって小一時間も鳴っていた。家の者はもとより、近所の人たちも皆驚いて見に行った。それで山名という画工を頼んで、釜の鳴っている所を絵に書いて貰って、これを釜鳴神といって祭ることにした。今から二十年余り前の事である。」

これもレプリカではなく本物っ、、!
釜が鳴るといえば岡山県吉備津神社の鳴釜神事ですな
あれは鬼関係ですが、こちらはなぜ鳴るのか不明っぽい









遠野の風景と南部曲り家のジオラマ









山仕事や山伏、早池峰山信仰の資料が展示されているコーナーは音響も相まって敬虔さを感じさせる雰囲気でした
左は熊猟のお守りのワラ?で作った熊人形で、右は山の神に捧げると収穫を与えてくれるというオコゼ

なぜにオコゼ




一番奥の展示室では遠野の台湾人類学者、伊能嘉矩(かのり)の特別展をやっておりました
柳田国男や佐々木喜善と交流があり、遠野物語の成立にも影響を与えた人物です




柳田国男から伊能嘉矩に贈られた遠野物語初版本
柳田&佐々木のサイン入り😋




伊能嘉矩宛の柳田国男書簡




遠野のアイヌ語地名地図

伊能嘉矩は晩年に遠野方言誌の研究を進め、その中で152の地名を取り上げ、アイヌ語の解釈を付しました
「To(湖)Nup(丘原)の義、蓋し遠野盆地の自然の地勢上、往古東夷の占居時代に一大湖水を形づくるは事実なるべし」
そして柳田国男は遠野物語の中で6ヶ所のアイヌ語地名を指摘しております
「遠野郷のトーはアイヌ語の湖という語より出でたるなりべし」

う~ん、これはどうなのだろう、、
アイヌ民族の分布図を見ると青森ぐらいならあり得そうだけど、、




著名な漫画家たちの妖怪イラストがありました
抜粋してUP



水木しげる御大とやなせたかし大先生
お二人はこことは違う世界線で楽しく過ごされていると信じております




中山星香作品ほぼすべてを網羅しているけれど、生原画って初めて見たかも
花冠の竜の国のエスター・ギーディング・ギディングスは隊長憧れの君でございます、、
(むかし必死で名前を覚えた😂)




おまけ



館内は飲食禁止です
きゅうりで一杯やるのはやめておきましょう🥒









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最終更新日  2025.11.12 17:50:45
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