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いつまでたっても値崩れ起こす事なく売り続けられ、本当に多くのプレーヤーに履かれているシューズは気になる所ではある。日本HOOPのスター、"TABUSE"とナイキが共同開発したSWIFT
IIは、ナイキ一押しの一足だ。はじめは、TABUSE本人も履かないのだから、たいした事ないんじゃんと決めかかっていたが、3シーズンもぶっ通しで売り続ける事には、このシューズには何かあるのかもしれない。そんな事もあり、一応テストしてみる事にした。しかし、今となってはあまりにも多くのプレーヤーが履いている為、ユーザーの多くがあちこちでシューズの良し悪しを聞いているだろうから、シューズ単体の評価はあまり意味のあるものではなさそうだ。よって、今回のレビューでは、Flight
5と比べる事で、「自分のために開発されたシューズを履かないで、いつまでも10年近く前のモデルになる、ZOOM FLIGHT 5を履くのはどうしてだろう?」という謎を、やはりシューズの評価も交えながら考えてみる。
日本で人気が爆発するシューズは、必ずキーとなる要素を満たしている必要がある。その要素を満たしている良い一例がZOOM Flight5であり、TEAM23.JPで密かに人気が続いているJORDAN
TEAM1も同じような特徴を持っている。 それらの要素は、軽さ、接地感覚、一体感、履き心地、反発性、グリップ、そしてデザインになる。では、その各要素について、Flight
5、Swift IIを比べていき、Swift IIの実力のほどを見てみようと思う。

小柄な日本人プレーヤーが何よりも気にするのは、シューズの重さだろう。過去のデータをさかのぼってみても、日本のマーケットでは、軽いシューズに人気が集まっている。日本人向けに作られたSWIFTIIにもその事はしっかりと反映されている。SWIFTIIの重さ(USサイズ9を基準)を計ってみると、390グラムしかない事が判明した。手にとった瞬間、ほとんど何の実感もない位のその軽さには驚いたが、実際の測量で二度驚かされる事になった。この数字の意味する事は何だろうか?
NIKE ZOOM SWIFT IIは現存するパフォーマンスシューズの中で最も軽いシューズである
最も軽いという表現はかなり難しい所があるのも確かである。最近では、『AIR JORDAN 19はAIR JORDANシリーズで最も軽いJORDANだ』というセールストークをナイキが使っていたが、これは事実ではない。何故ならローカットをふくめると話は変わってくるし、初期のAJシリーズを考えた場合もAJ19の重さを最も軽量というのには、あまりにも多くの例外が出てきてしまうからだ。因みに、AJ19の重量は460g(USサイズ9を基準)。少なくともSWIFTIIは最も軽いはずのAJ19よりずうっと軽いし、ミドルカット以上のシューズで、ここまでの軽さの物は今のところ探す事はできない。AND1のシューズの中で軽いと言われているCHOSEN
1 MIDが410g、Flight 5は430g(レトロとオリジナルで若干の重さの違いがある)、軽さで有名なJORDAN TEAM 1でも400gだ。唯一このシューズよりも軽い事が予想されるのが、95年に発売された"AIR
GO LWP"位だろう。そんなLWPでも、パフォーマンスを考えた場合、SWIFT2の内容の充実に比べると、その軽さの理由が分かってしまうというものだ。
NIKE ZOOM SWIFT 2 (390g) vs NIKE ZOOM FLIGHT FIVE (430g)

次に大事になってくるのが、接地感覚。どれだけフロアを足の裏に感じる事ができるか?とい事だ。この感覚の向上は、ZOOMエアの誕生によるところが大きく、Phylonがロープロファイルに抑えられたシューズでは、特にこの部分が優れている。このようなシューズを履いてプレーする場合、一対一の局面(オフェンス・ディフェンスを問わず)で、自分がどの方向に動く場合でも、すべてのステップにおいてフロアを感じる事ができ、微妙な調整ができるという意味でプレーヤーにとって大きなメリットがある。足裏にフロアの感覚が、ダイレクトに伝わってくるというのは、細かい動きを武器とするガードプレーヤーにとっては大きな武器となってくる。
スピードを最大の武器とするTABUSEの意見を取り入れたという事もあり、この感覚においてZOOM SWIFT 2は高い得点をマークしているのは当然のところだろう。昨年発売されたシューズの中では最高レベルの接地感覚であると言えるだろう。しかし、ZOOMFLIGHT 5やTEAM 1と比べると、Phylonの分だけ接地感覚は劣っていると言わざるを得ない。具体的な数字で表すなら、
ZOOM SWIFT II 2 : 1 ZOOM FLIGHT FIVE (フロアまでは約半分の距離)
確かな事は言えないが、アメリカで奮闘中のTABUSEがFlight 5にこだわり続ける(04年のサマーリーグでサンズに参加中の彼は、今年もFlight
5を着用中)のは、やはりこの部分なのではないだろうか?高さでは確実にアメリカ人に適わない彼にとって、スピードこそが彼が生きる道であり、その生命線に直接かかわってくるのがフロア感覚になる。Flight
5のそれは、他を寄せ付けないほどのレベルにあり、それが自分の為に作られたSwift2を履かない理由だというのは納得のいく話である。

柔らかいアッパーと多重のメッシュ構造のインナーの組み合わせによって、ZOOM SWIFT 2はとても履き心地のよいシューズに出来上がっている。とにかく通気性の良さが際立っており、シューズを履いているという感覚すらあまり感じる事はない。アディダスのクライマクールとまでは言わないまでも、ここまで通気性の良いシューズも珍しいだろう。AND1のChosen
1初期型も通気性では有名だが、実際には、Swift2の足元にも及ばない。履いた瞬間の感覚だけを言えば、少々硬いアッパー構造のZoom Flight5も、Swift
2には到底及ばない。(硬いアッパーに少し違和感を感じる人もいるだろう)Swift2はそれほどは履き心地の良いシューズという事だ。
しかし、履いているのを意識しない履き心地=一体感とはいかないようだ。動いていない状態でいうなら、Swift2の一体感は最高である。履いている事を感じない位だから当然だろう。しかし、激しい動きになった時は別の話である。
柔らかい素材を使ったSwift2のアッパーは、固定能力に欠けているように思われる。人によっては、足の甲の部分で二重になった「サポートバンデージ」のおかげで、Swift2の固定能力は優れている意見もあるようだが、私にはそう思えない。なぜなら、素材自体が激しい動きの中ではストレッチしてしまうからである。極端な例で言えば、アッパーがゴムでできたシューズで運動をした場合、普通の状態では一体感を維持できるが、激しい動きの中では、ゴムが伸びてしまって、シューズと足の間に大きなギャップが生まれてしまうようなものである。その点、Flight5のロックダウン構造には優れたものがある。最初は少し固めのアッパーで違和感を感じるものの、一度シューレースで足を固定してしまえば、どんな激しい動きの中でもシューズと足との間にギャップが生まれるような事はない。履き心地よりも一体感のほうが、動きの早さを大切にするプレーヤーにとっては大事な要素だろう。
ZOOM SWIFT II の履き心地は、Flight 5のそれよりも断然優れているが、激しい動きの中での一体感は、Flight
5には決して適わない

グリップについては、どちらも同じ素材と同じようなパターンなので、変わらず、並のグリップがある。きちんと整備されたコートでプレーするなら、どっちも同じだろう。ただ、整備されていないコートでグリップを発揮できるほどのものでは確実にない。反発性についてだが、Phylonの分だけ、Flight5に分があるように思われる。でも、それほど大きな違いはない。一般的なシューズと比べれば、どちらも優れているという事だけは確かなようだ。
デザインに関して言えば、人それぞれの感性があるので、一般的な事は言えないが、Swift 2単体で見た場合には、シンプルにまとめられたパッケージは中々好きなほうであるが...
文字制限数オーバーにつき、続きは、 TEAM23.JP
で。
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