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2003年01月21日
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不況といわれて10年以上がたつが、いっこうに景気回復のきざしはみえない。
もはや不況ではなく衰退ではないかという声すら聞こえてくる。
決して世界全体が悪いわけではない。
ここ5年間に韓国はIMF通貨危機を乗り越えて今や経済は絶好調である。
また、欧米でも、ここ10年の間に急速に成長をとげた国もある。かっては「ヨーロッパの病人」といわれていたが、今や「ケルトの虎」といわれるほどになったアイルランドなどはその一例であろう。

それなのに日本では明るい材料すらみえず、自殺者3万人、行方不明者9万人という惨状である。新聞には日替わりのように有名企業の経営危機のニュースが載る。全くタレントならずとも「なんでやねん」といいたくなる。
本書は、こうした日本の経済危機について作者なりの分析を加えたものである。
それによると、情報革命の時代を迎えて、経済競争の中で有利な条件を備えた企業の条件そのものが変わってきたことがその原因ではないかという。つまり、従来は大企業が有利だったものが、現在では、小回りのきき、冒険のできる小企業のよさを生かした企業体が競争に有利になったというのである。それなのに、日本では系列に組み込まれたもの以外の元気な中小企業は育っていない。いや、それどころか大銀行同士の合併など、ますます時代と逆行する方向に向っているのではないか。

急速に成長する中国に対して中国と同じものを作っていては決してものは売れない。公務の無駄を省き、財政支出を削ったところで経済全体に与える影響は微々たるものでしかない。政府が何か施策を行なうのではなく、個々の民間企業が元気がでない限り、経済は回復しない。…とおっしゃることはいちいちもっともである。

そして問題の処方箋であるが、作者は二つのことを提案する。
一つは政府は余計なことをしないこと。それはそうだろう。首相もずっと「改革」「改革」と連呼するが、肝心の改革の中味はあまりいわない。中味をいわない「改革」なんて無内容なスローガンにしかすぎない。大した知恵もないのなら、余計なことはしない方がよい。
二つめは大学改革である。今後は、大組織を無難に生きぬく人材ではなく、自ら企業を起こしていくような人材を提供していくことが大学の役目であるという。これは難しいかもしれない。大学だけではなく、家庭も含めたそれ以前からの教育や価値観にも関わってくるからである。

ただ、私にいわせると、大学教育以外に大きな問題がもう一つあるように思う。英語の壁である。アイルランドのある企業で、米国の航空会社の予約を仲介することで急成長した会社があるという。米国との時差を強みにして顧客を集めているというが、こんなビジネスも英語力あってのものではないか。世界規模の情報化の潮流といっても、ツールとしての英語力が不足していると、どうしてもそれに乗りきれないところがあるのではないのだろうか。
aisya96@lycos.jp





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最終更新日  2003年01月21日 06時29分35秒
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