
こぼれ落ちていたセダムを、
超ミニ缶に挿していたら、
花が咲いた。
咲いてしまった。
植物も生物だから、
命がある。
命があるから、
命には勢いがある。
命の勢いというと、
もちろんいい意味合いなのだけれど、
勢いは
やがてなくなることを意味するから、
勢いが止まってほしいと願うことも多い。
子供のころから犬は好きだったが、
いつのころからか、
飼わなくなった。
「飼う」という行為が嫌な気がし始めたからでもあるからだけど、
同時に、
先に死んでしまうからでもあった。
家族が動物を可愛がることを
好感はもってはいたが、
いずれ死ぬ時のことを思って、
家族が悲しむのがいやで、
飼ってほしくなくなっていった。
可愛がるということは、
命を慈しむということだから、
人間性に深く根差している。
それは分かってはいるのだけれど、
自分の子供たちが育って行って、
頼もしく安心な一面と、
育ってしまって可哀そうなような矛盾した感情が常にある。
いつのまにか植物に愛着をもつようになったのは、
命への称賛を共有できることがあるのと同時に、
動物ほどは命の変遷に強い衝撃を受けにくいという
自分の身勝手な都合があるようにも思う。
でも、
植物セラピーとでもいえば言えるのかもしれない。