東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

昭島フリー

昭島フリー

Freepage List

Calendar

Comments

聖書預言@ Re:説教要約 1266(08/08) 『JDファラグ聖書預言』でネット検索すれ…
2006.12.15
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「キリストの系図」

                マタイの福音書、1章1~17節

 マタイは、この福音書を記す時、キリストの系図から書き始めて
います。ヨハネの記した「キリストの啓示」が神の御子の降誕を神
の側から述べたものであるとするなら、マタイの記した「キリスト
の系図」は、神の御子の降誕を人の側から述べたものであると言う
ことができます。

一、キリストの系図の役割

 新約聖書の開巻第一ページに記されているキリストの系図は、外
国人の名前が片仮名で列挙されているので、新約聖書を初めから読
む人たちにとって大きな妨げになっています。

 新約聖書がマタイの福音書ではなく、ほかの福音書から始まって
いたならば、もっと読みやすいのではないかと思っている人は、少
なくないでしょう。

 旧約聖書の最後の書であるマラキ書が記されてから新約聖書の最
初の書であるマタイの福音書が記されるまでの間には、400年以
上の長い歳月が流れています。また旧約聖書はヘブル語、新約聖書
はギリシャ語というように、書かれている言葉も全く違っています。

 このように二つの書の間には大きな隔たりがあるにもかかわらず、
新約聖書は旧約聖書を基にして記されているだけでなく、旧約聖書
と新約聖書は切っても切れない関係にあること、いや一つの同じ聖
書であることを教えるのに、キリストの系図ほどふさわしいものは
ないでしょう。

 なぜなら、新約聖書が旧約聖書の人物の名前を列挙したキリスト
の系図で始まることによって、この系図は、旧約聖書と新約聖書を
結び付ける蝶番の役目をするからです。

二、キリストの系図の目的

 このマタイの福音書は、もともとユダヤ人のために書かれたもの
です。ユダヤ人にとって系図というものは、「自分たちの先祖の家
系と血統がイスラエル人であったかどうかを、証明する」非常に大
切なものでした(エズラ2章59節)。

 ユダヤ人が待ち望んでいるメシヤは、イスラエル民族の先祖であ
るアブラハムの子孫としてお生まれになるとともに、メシヤのこと
を「ダビデの子」と呼ぶように、ダビデの子孫としてお生まれにな
るはずでした。

 マタイは、この系図を記すに当たって、まず「アブラハムの子孫、
ダビデの子孫、イエス・キリストの系図」と書き始めています(1
節)。イエス・キリストこそ、イスラエル民族の先祖であるアブラ
ハムの子孫であるとともに、ダビデ王家直系のメシヤであると宣言
しているのです。

 マタイは1章において法律上の父ヨセフの系図を、ルカは3章に
おいて生みの母マリヤの系図を記し、両親とも、いわゆる、どこの
馬の骨だかわからない人ではなく、ダビデの家系と血筋のものであ
ると述べています。

三、キリストの系図の教訓

 この系図は、キリストがアブラハムの子孫であるとともにダビデ
の子孫であるという血統や血筋の良さを教えていますが、同時に、
タマル、ラハブ、ルツ、バテ・シェバという4人の女性によって、
不名誉な汚れた血がはいっていることをも教えています。

 キリストは、聖霊によって処女マリヤよりお生まれになったので、
原罪の汚れを受けておられませんが、このような原罪に汚れた先祖
を持たれることによってこの系図は、「神は、罪を知らない方(キ
リスト)を、私たちの代わりに罪とされました」という罪からの贖
いを教えています(第二コリント5章21節)。

 このように新約聖書の第一ページから、私たちを罪から救うとい
うすばらしい福音が語られているのです。

拙著「キリストの生涯の学び」5「キリストの系図」より転載





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.12.15 08:54:41
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: