東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

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聖書預言@ Re:説教要約 1266(08/08) 『JDファラグ聖書預言』でネット検索すれ…
2008.06.24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「天の御国のたとえ(3)」

                   マタイの福音書、13章31~33節

 「イエスは、また別のたとえを彼らに示して言われ」ました(31
節)。これが「からし種のたとえ」です。

 この「からし種のたとえ」(31、32節)と「パン種のたとえ」
(33節)は、対になっており、両者とも教会は、「始めは小さくて
も、その終わりは、はなはだ大きくなる」という真理を教えていま
す(ヨブ8章7節)。しかし両者には次のような相違点があります。

 「からし種のたとえは、神の国(教会)は、公然と現れて、隠れ
ることができないということを教え、パン種のたとえは、神の国
(教会)は、人の目に隠れて、現れて来るものではないということ
を教えています(ルカ17章20節)。前者は、真理が内から外にお
のずから成長する力を示し、後者は、真理がこの世を感化する力と
働きを示しています」(R・C・トレンチ)。

一、からし種――教会の現れた成長力

 キリスト教会は、五旬節の日にエルサレムに集まった百二十人ほ
どの弟子たちに聖霊が臨まれた時に誕生しました。弟子たちは、聖
霊によって力を受け、「エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、お
よび地の果てにまで」キリストの証人となって出て行きました(使
徒1章8節)。その結果、全世界に福音が宣べ伝えられ、至る所に
教会が建てられていったのです。

 キリストの福音は、個人を罪から救う力がありますが、それは、
さらに聖書に基づいた教育や芸術また倫理というキリスト教文化を
築き、そしてキリスト教を背景にした医療や福祉また社会運動にま
で広がり、ついにキリスト教国家を形成するほど発展する力を持っ
ています。

 これは、まさにキリストと弟子たちという小さなからし種が生長
して、全世界的な宗教という大樹になることを教えているのです。

二、パン種――教会の隠れた影響力

 しかしこのような教会の外側に現れた成長や発展は、教会の内側
に隠れた感化や影響を及ぼす聖霊の働きがなければ、できるもので
はありません。なぜならキリスト教会の歴史は、外側からの迫害と
内側からの腐敗との絶えざる戦いの連続だからです。

 教会(キリスト者)は、「神のうちに隠されてある」いのち(コ
ロサイ3章3節)というパン種を失って、内と外に良い感化や影響
を与えることができなくなれば、外側からの迫害か内側からの腐敗
(または両者)によって、存在することさえ危うくなるでしょう。

 教会は、外側からの迫害と内側からの腐敗によって衰退と堕落の
憂き目を見ましたが、そのたびに改革と復興がなされ、著しく発展
していきました。これはパン種のように、教会の中に隠れた感化や
影響を及ぼす聖霊の働きによってなされたことなのです。

三、からし種とパン種――教会の二面性

 教会を構成している者が人間である以上、それが個人であれ、民
族であれ、好き嫌いや得手不得手、また長所短所があります。その
ために、ある人やある民族は、からし種のような外側に現れたもの
を重んじ、ほかの人やほかの民族は、パン種のような内側に隠れた
ものを重んじて、ともに反対のものを軽んじています。

 しかし真の教会は、からし種のような外側に現れたものだけでも
なければ、パン種のような内側に隠れたものだけでもありません。
教会の現れた成長力(からし種)は、教会の隠れた影響力(パン種)
があってこそ可能なのであり、教会の隠れた影響力は、必ず教会の
現れた成長力になることを忘れてはなりません。

拙著「キリストの生涯の学び」61「天の御国のたとえ(3)」より転載





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Last updated  2008.06.25 01:05:32
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