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子明が帰った後、「甘寧様、申し訳ありませんでした」しかし、甘寧の怒りはふつふつと湧き出してくる。「逃げた上にチクるようなことしやがって・・・。 やっぱ許すわけにはいかねぇ!」甘寧は言い切る前に弓を取る。「甘寧様、おやめ・・・」あれから数日、「呂蒙様、大変です」「なんだ、どうした?」その急報は甘寧が約束を破って料理人を殺してしまった、というものであった。「おのれ、甘寧っ。許さん」子明は剣を手に飛び出そうとするが、それを母に止められる。「甘寧を殺すのは簡単です。 あなたはそのあとのことを考えているのですか?」子明は思案するが、「ですが、母上。約束も守れぬようでは・・・」「甘寧は周瑜様とあなたが苦労してこちらに引き入れたのではありませんか。 その者を殺すのは損害でしかありません」母はさらに言葉を重ね、「天下は今、不安定で難しいところにあるのは、 この年老いた母にもわかることです。 そのようなときに内輪もめなどしている場合ではないでしょう。 今回は黙って見過ごしなさい。 そうすれば、甘寧も反省するでしょう」「なるほど、あえて処罰しないことで気にさせる、というわけですか。 母上、勉強になりました」それから子明は甘寧のところへ向かった。「呂蒙殿・・・」「甘寧、お前の死に場所は戦場だ。それ以外で死ぬことは許さん。 言いたいことはそれだけだ」それに対して甘寧は、「呂蒙・・・様、このご恩は必ずやお返しします!」涙を流して深々と頭を下げた。あの、赤壁の戦いから4年。天下覇道のため、曹操が再び攻め入ってくる、という情報が入った。「また来るのか、今度も追い返してやる」孫権は息巻くが、「孫権様、劉備を使って戦況を有利にさせましょう。 今後のためにも兵力は温存するべきです」「そうだな」孫権からの救援に劉備は思案していた。「さて、どうすべきか?」「これは利用できます」その方法とは、兵士を移動させてその隙をついて成都に侵攻しようというものだ。「わかった、救援要請に応えよう」劉備軍は間もなく移動を開始、この裏で付いて来ている劉璋の武将たちを殺し、成都攻略への足掛かりを作る。これによって成都攻防戦が勃発、同時に荊州にいる諸葛亮たち重臣も進軍した。ただ一人、関羽に留守を預けて。「関羽殿、孫権と事を荒立てぬよう、お願いします」「わかりました、軍師殿」序盤は圧倒的な力の差を見せつけ。劉備軍が有利なのは誰の目にも明らかだったが・・・。「まさか、劉璋の息子がこれほどとは・・・」「それに重鎮の張仁はかなりのやり手です」「仕方ない、孔明たちが来るまで待つか」しかし、それには龐統が反対する。
2014/04/27
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「ん?お世話になる、とはどういうことだ?」「孫権様より軍団に加わるようにと命を受けました」「そのような話は聞いていないが・・・、 そういうことならわかった。とりあえず、お前たちは少し待機しておいてくれ」そう言って3人を帰した。そして、孫権に手紙を送った。「まったく、呂蒙というやつは。 あいつらしいといえばあいつらしいが」「どうかなさいましたか?」「あの3人の軍団はそのままにして教育係をつけるよう申してきた」「それで、どうなさるので?」「拒否してるものを押し付けるわけにはいかんだろう。 それより張紘。そなたの話とは?」「はっ、そろそろ遷都をお考えになってはどうかと」それは孫権もまた考えていたことであった。「遷都か、そうなると場所はあそこだな」「ええ、ご推察通りです」「わかった。では、準備を始めるとしよう。 それから、遷都にあたって地名を“建業”と改める」「ははっ」子明の元に孫権からの返答がきた。「・・・ということになった。 親父を超えられるようにしっかりとがんばってくれ」一つ問題を片づけたところで新たな問題が現れる。「曹操の屯田兵が領地を略奪しているとの報告が」子明はすぐさま兵を繰り出す。「一気に畳みかけるのですか?」「いや、ひとまず勧告してみよう」だが、帰順勧告はうまくはいかず、一気に攻め落とすことに変更。その際、一部の兵を投降させることに成功した。しかし三度、問題が出てくる。戦場から戻ってきた子明を待っている者がいた。その者は甘寧の料理人であったが、小さな失敗を犯し、逃げてきたと言う。「甘寧は確かに気は短いが、そんなことなら許してくれるのではないのか?」料理人は真剣な顔で「いいえ、違います。 これまでも失敗したときの罰は限度を超えるものばかりです。 おねがいします、呂蒙様。どうか、おとりなしを!」「わかった、掛け合ってみよう」「ありがとうございます!」その一方で甘寧は苛立っていた。「あの野郎、どこ逃げやがった!?」「もう戻ってこないのでは・・・」「ちっ、使えねぇやつ」「甘寧様、呂蒙様が来ております」「呂蒙殿が?何か用があったか?」甘寧が出ていくと、子明の後ろにいる料理人を見つける。「てめぇ!よくも逃げやがったな」「待て、甘寧。事情は聞いた。もっと寛容にはできんのか?」「呂蒙殿、こいつはしょうもない失敗を繰り返してんだ。 きつく言ってやらなきゃ直らねぇ」「それでも限度があるだろ。その調子じゃいつ殺してしまうかわからんぞ」「そりゃもう、失敗した上に逃げたんじゃ殺すしかないでしょう」「おいおい、決して殺さないと誓ってくれ。 でないと、このまま連れ帰るしかない」子明の願いに甘寧はようやく折れ、「わかりました、そこまで言われたら聞くしかありません」「頼むぞ、約束だからな」そう言うと振り返り、料理人の肩を叩いた。「がんばれよ」「ありがとうございました」
2014/04/20
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桜も散り始めた今日この頃、また一つ年を食ってましたどうってことはない?とは思ってますが、ひざに打ち付けたところにできる青あざが遅くなってる・・・?老化は着々とはじまってるようで。だからどうする、ということはないんですけどねそんな今、柴咲コウ「ラブサーチライト」聴き廻っています疾走感抜群で曲自体もほぼカップラーメン(3分)ぐらいの短いながら十分に聞き飽きないですカップリングは対になっているような感じでハマります今度は映画ですな
2014/04/15
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龐統は僻地の長官に任された。「酒飲んで余生を楽しめるなら、これはこれでいいか・・・」酒浸りの日々を送っているという情報はついに劉備に届く。たまたまそこに居合わせた張飛は激高する。「仕事もしねぇで酒浸りとはいい根性してやがる。 俺がしばき倒してくる!」劉備の許可も得ないまま飛び出していった。「おい!ったく、しょうがない奴だ。 だがまぁ、これでよくなるだろう」それから数時間が経ち、「殿、張飛殿が見当たらないのですが、知りませんか?」「孔明か、張飛なら・・・」状況が説明されると、諸葛亮もまた怒り出す。「殿、なんということを!」「ど、どうしたというのだ?」「その者は龐統です。あのようなところに行かせるなど失礼千万!」「あぁ、確かにそう名乗っていたような気がする。 なんということだ、今すぐ迎えに行かねば! こんな私を許してくれるだろうか・・・?」「殿が迎えに来たならば大丈夫でしょう。私も一緒に参ります」こうして劉備もまた馬を走らせる。「翼徳、頼むから殴り倒してくれるなよ・・・」先行していた張飛は「この酒びたり野郎が、出てこい!」「ぬぁ?張飛殿ではありませんか、貴殿もどうです?」「ふざけるなっ、仕事しろ。殴られたいのか!」「ん~、もう少したまってからやろうと思っていましたが、 そこまで言うのであればちょっと待っててください。 さっさと片付けましょう」「さっさと片付けるだぁ?なら、やってもらおうじゃねぇか」張飛の怒声にも臆せず、龐統は仕事を始める。その仕事ぶりはまさに要領を得ていて、張飛は唖然とするばかりだった。「これで終わりですか。やはり、物足りませんな」「失礼しました。一緒に兄者のところに参りましょう」張飛はすっかり態度を変えている。「では、参りましょう」出かけようとしたところで、劉備たちと出くわす。「龐統殿、申し訳ありませぬ!」「兄者!」「劉備殿」「この度は誠に失礼をいたしました。 未熟な某をどうかお支えください」「龐統殿、私からもお願いします」ついて来ていた諸葛亮も口添えする。「こちらからもよろしくお願いします」こうして劉備に新たな力が加わった。「劉備様、早速ですが益州攻略について申したいことがございます」一連の話を聞いても劉備の反応は薄い。劉備にとって益州を治めている劉璋は同族、さらにはその父には若いころお世話になっていた。「お気持ちはわかります。ならば、 しっかりとした身分をお与えになればよいことではありませんか」「これも漢室復興のため、というのだな・・・」ゆっくりつぶやいたあと前を見上げ、「わかった。まずはその使者と会い、益州に軍を出そう」しばらくは平和な時が流れていた。そんな時、さざ波だつことが起きる。突然、3人の若者が訪ねてきた。「呂蒙様、これからお世話になります」「なんだお前たち、もう落ち着いたのか?」この3人は最近、父親が死にその葬儀を子明に手伝ってもらっていた。
2014/04/13
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孫権は周瑜の遺志のとおり、魯粛を後釜に据える。「魯粛、これからもよろしく頼む」「はっ、周瑜殿に心配されぬよう全力を注ぎます」「それと軍略については呂蒙も使える、 ということらしいがどう思う?」「周瑜殿がそう申されたのなら問題ないかと、 ならば様子を見てくるとしましょう」魯粛は出立の途中で子明の家を訪ねる。「魯粛殿、いかがなされましたか?」初めて会って以来、あまりかかわっていなかった魯粛は子明の雰囲気の変わりように驚いた。「何か聞きたいことがあるのであれば、何でもおっしゃってください」そう言う子明に魯粛はあれこれと質問してみる。それに対して子明はすらすらと答えた。「なんと、そこまで学ばれましたか。 今度は益州について聞いてもよろしいですか?」そう聞かれた子明は、「益州の劉璋は漢中の張魯と交戦中です。 今までならば苦戦することはなかったのですが・・・」話の続きは、直前に起きた曹操と馬超の戦いから始まる。強大な騎馬隊を率いる馬超は、曹操軍を蹴散らし有利に進めていた。だが、曹操の策により戦況は一変、馬超は敗走して張魯の元へ逃げていった。思わぬところから猛将を得た張魯は劉璋に攻めかかる。進退窮まった劉璋は援軍を求め、曹操の元へ使者を送ったが、曹操は首を縦に振らず、使者は追い返された。援軍要請を託された使者は、君主とは違う意思も持っていた。(この乱世に劉璋様では心もとない。 曹操に任せようと思っていたが・・・。 やはり、あの御仁にお任せするしかないようだな)「曹操に断られた使者はおそらく劉備を頼るでしょう」「そうだな、これで劉備は難なく益州を得るだろう。 そこでだ、残る荊州を任せられるのは・・・」「関羽」魯粛の聴きたいことはまさに関羽対策だった。「そう、関羽にどう対応すればいいか問いたい」「関羽は義に厚く、兵士にも信頼されています。 ですが、自尊心が高い。 これにより、将軍格には厳しく当たる傾向にあります」「なるほどな。離間の策が効きそうだ」「また勉学にも通じるところがあり、それをひけらかす癖があるようです」さらに子明は続ける。おだてに弱いこと、孫権を下に見ていること、そういう傾向があると述べたうえで、「益州を奪った後、おそらく諸葛亮は益州に行くことになるでしょう」「治安を整えるためには諸葛亮が行くのが一番だろう」「そうなれば、関羽を抑える者はいなくなります。 それが行動として現れた時が付け入る隙になります」子明の意見を聞いて魯粛は感嘆する。「見事な意見だ。もう、呉下の阿蒙に非ず」「士別れて三日、即ち更に括目して相対すべし」日頃鍛錬をしている人は三日もすれば見違えるように変わっている、という意味を示した。「呂蒙、そなたの母にあいさつしたいのだがよいか? これからは友として付き合っていきたいのだ」「はっ、母上も喜びます」こうして魯粛は任地へと赴いていった。二人の話で出た劉備は荊州を抑え、天下三分の計の足掛かりを作った。荊州の名士や武将たちが劉備の元に集まり、今やその勢いは三国一といえる。その中にはあの龐統もいたのだが・・・。
2014/04/06
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