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関羽のもとに急報が訪れる。「関羽様、大変です」関羽は動じることなく事の次第を聞き出す。「本拠が、呉に堕とされました・・・」さすがにこの状況には驚き、「何を言ってる?何の報告も上がってこなかったではないか。 それに、守備はどうした?援軍の要請すらないのか?」「皆、降伏したようです。 それから、こっちに向かってきているようです」「孫権め、やってくれたな・・・」「関羽様、この場に留まっていてはまずいです」「そうだな、このままでは挟み撃ちだ。 ひとまず麦城まで退こう。 そこで援軍がいくらか来てくれれば、耐えられるだろう」関羽はそう言うと、すぐ人を送り出し、速やかに退却の準備を始めた。「関羽の行き先はどこだと思う?」子明は陸遜に問う。「そうですね。逃げるとすれば・・・麦城、ですか」「同意見だな。このまま直行する」「いいのですか?もし違ってたら・・・」「この戦いは関羽を捕らえることで勝利する。 もたついてたら曹操軍に横取りされかねないからな」二人の予想は的中し、麦城に籠もる関羽を確認すると、包囲した。その光景は再び関羽を驚かせた。「くっ、ここに来ることを読んでおったか」まだ援軍が来ない中で関羽は思案する。そして、三人の息子たちを呼ぶ。「お前たちは兄者のもとに向かえ」「父上はいかがされるのですか?」「これからはお前たちの時代だ。 わしの遺志をお前たちに預ける」しかし、すぐには言うことを聞かない。なだめる関羽に長兄だけは譲らず、「長兄として父とともに参ります」この一点張りに関羽もついにあきらめる。「いいか、わしらが敵の注意を退く間に 隙を見て抜け出すんだぞ」「はい、わかっています」「父上・・・」「では、行くぞ」関羽たちは城を飛び出した。城から出る関羽を子明は確認する。「逃がすな、必ず捕らえるぞ」流石は関羽、驚異的な力で包囲網を突破。子明たちも追いかけていく。「どこまで逃げるのでしょうか?」「何かのために逃げてるのかもな」「なるほど、そういう可能性もあるんですね」「そんなことより、うまくいっているのか?」「はい、いかに関羽軍と言えど、士気が低ければ 離脱する兵は必ずいます」子明たちは追っていく中でも関羽軍の切り崩しを図っていた。これにより、逃げれば逃げるほど関羽の兵力は小さくなっていった。
2014/09/21
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「荊州の守備に変化は?」「いえ、特にありません」「指揮してる奴の情報は掴めたか?」「はい、古参の者らしいですが、関羽とは折り合いが悪いようです。 それで留守番を押し付けられたとか」「ほう、それなら調略しやすいな」さらに陸遜は付け加え、「この前には補給が遅れたとかで関羽の機嫌を損ねたようです」「だからこんなにすんなりいったのか」子明は攻め込む理由を作るため、わざと食糧庫を関羽に見えやすいところに置いていた。関羽が実際にそうするのはもっと後だと思っていたが、思わぬところから時が早まった。「もうすぐで見張りがいるところに着きます」「よし、手筈通り頼むぞ」子明は数人を伴って先を進む。間もなくして予定通り呼び止められる。「お前たち、ここからは劉備様の領地となる。 わかったら、引き返すがよい」「私たちは商人です。どうか、私たちも劉備様の下で 商売をさせていただけないでしょうか?」「そういうことならわかった、気を付けて行けよ」「ありがとうございます」見張りはしばらくこっちを見ていたが、注意を外した。その時を狙って子明は話しかけ、「一つ聞かせてください。ここで死ぬのと 我らとともに戦うのとどちらを選びますか?」弓矢を構えた子明に見張りは身動きが取れずにいる。「動かずに判断してください。 異変を知らせようとすれば、迷わず撃ちます」「わかりました。降伏します」こうして関羽に侵攻を知られることなく前進していく。その後も問題なく作戦は進み、目的の地までたどり着く。「よし、書状をもっていってくれ。 その決が出るまでしばらく待機だ」この書状は城内を揺るがせた。「大将、孫権からの書状です」「なんだ?関羽様は留守なのになぜここに?」書状を開くとすぐに驚き、外が見える場所まで走った。「なんだこれは!?孫権が裏切った・・・」「どういうことです?」追いかけてきた副官は手紙を目にする、と、「いつのまに、どうやって?」「とにかく関羽様に伝えよう」しかし、副官は異を唱える。「そんなことをしても間に合いません。 ここは降伏に従うべきかと。 降伏すれば命は保証すると書いてありますし」「降伏こそならん。俺はこの城を任されたのだぞ!」「では、仮にこの窮地を乗り切ったとして、 関羽様から戴くのは処罰のみではありませんか!」「確かにそうだが・・・。命か、不忠か」「命あっての物種、何を迷うことがありますか」「よし、わかった。城門を解放せよ」「お、門が開いたぞ」「我らの勝利だ!」「ついに関羽と決戦ですか」「そうだな。気を引き締めて行こう」
2014/09/07
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