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【送料無料】鬼神伝(神の巻)【送料無料】鬼神伝「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリーランド2004年に書き下ろしで刊行された講談社のハードカバーのシリーズです。ここで「鬼神伝 鬼の巻」「鬼神伝 神の巻」と2冊発行されました。ストーリーは、子ども向けということで、比較的単純だと思います。京都に住む中学生が鬼が跋扈する平安時代に飛んで、オロチを復活させて鬼を退治するのだといわれます。しかし、主人公 天童純は、鬼の少女を助けたことで疑問を抱きます。鬼とは何者なのか、なぜ鬼を退治しなければならないのか。そして、それは仏とともに現れた貴族階級(人)と、昔から住んでいた民衆と山や海の神々との争いだった・・・この作者のノベルズシリーズでは、QEDやカンナを読んでいるのですが、こちらがミステリー仕立てで、登場人物を通じて、古き神々、失われた歴史の話をしていくことに対して、こちらでは、主人公の少年が直接、人(貴族階級)と鬼神の戦いに加わっていくことになります。そういう意味では、テーマがはっきりしているといえるでしょう。どうして鬼たちは、彼ら、桃太郎たちに退治されなくてはならなかったのか?当たり前だと思っていたこと、一方的に教えられてきたことそこに少しの「何故?」が加わることで、視点を変えることで、見えてくるものがある。昨秋発行されたノベルスは、ミステリーランドの2冊をまとめたものらしいです。(こっちは読んでいない)、今年のGWにアニメ映画化されるみたいです。【今日の言葉】神の巻 p265「では愛を持って立ち上がれ!愛のない勇気は暴力だ。そして勇気のない愛は無力だ!」
2011.02.13
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暁を待つまで角川ルビー文庫版です。単行本版に書き下ろしの「恋すれども。」が加えられています。タクミくんシリーズの1年生バージョン。「暁を待つまで」 タクミくんシリーズが初めて出たのは、1985年「そして春風にささやいて」ですが、それは2年生になり、タクミくんとギイとが同室になったときから始まります。しかし、この話は、ギイと仲良くなる前、人間接触嫌悪症だったころのタクミくんの話ですが、学院内のスター、ギイの密かな片思いの話でもあります。また、当時の3年生がらみの話で、もともと単行本発表というちょっと番外編的な感じです。「まい・ふぁにい・ばれんたいん」 こちらは2年生のころ。「暁を待つまで」の1年後。前年にチョコを返送されてしまった真行寺君のリベンジ?です。「恋すれども。」こちらは一気に3年生の秋です。といっても、ギイやタクミくんは登場せず、「暁を待つまで」の当時の3年生相楽くんと麻生くんの話です。久しぶりに母校に顔を出した相楽くんの話は少し前に出ていましたが、その後日談でもあります。p44今日も一日無事ならいい。「明日も元気なら、もっといいですね」
2010.04.29
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殿といっしょ(1)先日、新刊棚に平積みされていた4巻を表紙買い。で、今回1巻を購入ということにあいなりました。そもそも、平積みされていたので表紙の4コママンガが読めるのですが、4コマ目は「帯」に描かれていますが、実はこれ、本物の表紙の4コマ目とは違うんです!当然、帯は「お客さん」を意識したコマになっているのですが・・・・1巻の場合は、・・客を拒否してやがる・・・中身もほとんど4コママンガです。表紙が伊達政宗ですが、中身はいろんな「殿」です。オレ様系の「殿」が多い中、上杉景勝の「殿」は部下であるはずの直江にいいようにされて哀れを誘います・・・それにしても、殿を殿とも思っていないな、こいつ。ちなみに、眼帯フェチの政宗、お笑い命の秀吉、親と弟に振り回されっぱなしの真田(兄)、信長怖いけど市には手を出したい浅井長政、お濃命の斎藤道三、ちょっと謙信に気がある(?)信玄、姫な長宗我部元親・・・多数の「殿」が登場してきます。ちなみに、4巻では北条氏康、上杉景虎親子も出てくるのですが・・・・しっかり変人(変態?)だわ(涙)。すぐ脱ぎたがる北条の血って・・・。上杉景勝・景虎とも樋口与六にいいように扱われているし・・・(2巻・3巻にも出ているのだろうか?)かなりフィクション部分が多いのですが、さりげなく歴史小ネタをパロディっているため、元ネタが分かると、より笑えます。【今日の言葉】・「眼帯」つけて 今年も国家「安泰」ィ・「謹賀新年」と「みんな死んでんねん」は よく似ている
2009.12.15
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彩雲国物語(暗き黄昏の宮)終幕開幕……だそうです。最終巻も近いとか。確かに初期の頃からペースが落ちていて、あと少しでどう決着つけるのだろうかと気になるところです。 秀麗はあいかわらず頑張っているけれども痛々しい。劉輝は、シリーズの最初ではバカ殿で、秀麗の教育の成果?で真面目に王様やっているといったイメージだったけど、そんな程度じゃ全然甘かったということが分かったとこかな。話が、というか設定がだんだん人間じゃないモノになっていくようで、ちょっと楽しい。【本日の言葉】p96 「ねぇ王様、誰も、何が正しくて一番いいのかなんて、わかってない。神様みたいに何もかも見通して未来を進めるなんて人、いないわ。どんなに頭が良くたってね。あなたの目に、誰かがそう映っているとしたら、その人が死にもの狂いで努力しているからよ。死ぬほど頭をはたらかせてそうなるよう努力してるからよ。その先にあるものを見たいから。それが、自分の夢や願いを叶えるってこと。誰もが、そうしてる。想いの強い人の勝ち。世界はそんなふうにできてる。あなたの目にいままで世界が無風に見えていたのなら、それは何も望んでいなかったからよ。」
2009.12.12
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中山星香さんの「妖精国の騎士Ballad」の続編にあたります。発行 フレックスコミックス発売 ソフトバンククリエイティブちょっと大きめのコミックスです・・・が、これをリアル書店で売っているのを見たことがない。ここ楽天でも検索したけど、出てこない。アマゾンにはあった・・・「妖精国の騎士」はプリンセスで1986年から連載し、2004年にプリンセス・ゴールドに変わり、2006年10月に完結。プリンセスコミックスで54巻。その後、後日談として「妖精国の騎士Ballad」がやはりプリンセスコミックスから出ました。古代ゲルマン風のファンタジー。風の都アルトディアスは突然侵略してきたグラーン王国に寄って滅ぼされるが双子のローラント王子とローゼリィ王女はそれぞれ魔法使いの塔と妖精王に救われ別々に成長する。この双子はそれぞれ伝説の「三剣」のうちの二振、銀の剣、光の剣のマスターであり、やがて陽の剣のマスターであるキリアンの王子(実はグラーン王の実子)アーサーとともにグラーンの闇と戦うことになる・・・「妖精国の騎士」で光と闇の戦いが描かれていますが、実はこの後の世代の話はすでに20年以上前に発表されていました。「はるかなる光の国へ」は今は秋田文庫にもなっていますが、今回の「ロビン」はこの「はるかなる光の国へ」の舞台である玉ねぎ村の話です。グラーンとの戦いに勝った後に、密かに旅に出たローゼリィとアーサーの話がballadで、ここで玉ねぎ村にたどり着きます。今回の「ロビン」は両親が旅立ったあと、村長の養子として成長した二人の息子ローラントとローゼリィたちが連れてきたロビン(実はローゼリィの異父弟)ロビンが登場してきます。「1巻」とあるので舞台はこれから玉ねぎ村からアルトディアスに・・・
2009.03.03
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2008年12月発売文庫聖杯を継ぐ者 英国妖異譚(19)英国妖異譚シリーズ19巻このシリーズについては、私は「タクミくんシリーズ」からBL部分をカットしたものに心霊的要素を加えたものと思っているのですが、こちらも最上級生になっています。そしてたぶん完結に向かいつつあります。今回はアンリの母、マリアが持っていた「水の水晶球」に関わる話です。「水晶球を抱く女」でこれに深く関わったユウリたちも巻き込まれていきます。そしてユウリの従兄弟の幸徳井隆聖の話もまたユウリの出生に関わること。読み終わって思ったことは・・・・ユウリ=かぐや姫なの????月の使いのウサギも出てきたし・・・気になった理由の一つに、講談社ガールズ携帯サイトで公開している英国妖異譚の番外編「ベリー・セント・エドマンズの怪」。これはユウリたちが学生生活を送った」時よりもずっと後の時代、アーサー・オニールが公表しなかったとしてタイトルだけが有名だった脚本「ベリー・セント・エドマンズの怪」の草稿が見つかったという設定の話です。ここの最後で、「ユウリ・フォーダムという人物に関しては一切が謎に包まれている」とあります。シモン・ド・ベルジュがオニールの生涯に亘る親友という説明はあるだけに、何故?少なくともユウリは「フォーダム子爵」にならなかったということなんだろうと思っていたんですけど。【本日の言葉】p79 人は、人以上にはなり得ないp136 友達が何よりも大切だと堂々と言い切れるのは、本当に短い期間だけである。
2008.12.15
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2008年12月発売文庫タクミくんシリーズ 誘惑2008年12月発売コミックタクミくんシリーズ Pure(2)タクミくんシリーズ、文庫とコミックスと発売です。おまけに文庫の作中にでてきた携帯ストラップが全員サービスに。タクミくんシリーズも長いこと続いていますが、やっと3年2学期です。やっと、というか、とうとうというか・・・たぶん高校卒業しちゃったら終わりなのかなあと思うと、ストーリーが早く進んでほしいのと、終わってほしくないのとちょっと複雑な気分。でも、このペースではあと数年かかるんだろうな。【本日の言葉】p26「国の政なら、引き継げる人は他にもいるだろう?でも恋人は、替えがきかない」p105強引じゃないよ、迷いがないだけ
2008.12.15
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2008年7月発売ノベルスクラッシュブレイズ マルグリートの輪舞曲クラッシュ・ブレイズシリーズも11巻目になりました。今回は短編集、というか3つのお話がある一時点で一同に会します。表紙はそれぞれのヒロイン(?)3人。作者は「デート3部作」と書いていますけれども、結構コワイ・・・1 優しい狼 狼とある時点で、主人公はもう金色狼ことリイです(笑) 連邦大学に体験留学に来たリイの姉、ドミューシア。ここであこがれのフットボール部の花形プレイヤー、キアランに会ったのだけれども、リイの美貌と比較されさんざん嘲られてしまった。これを友人から聞いたリイは激怒。レティに効果的な復讐方法を相談します・・・・2 初恋の詩 ここでのヒロインはジンジャーです。で、お相手役がヴァンツァー・・・かな? 突然電話をかけてきたジンジャーがヴァンツァーを呼び出し、「大きなほう」で来てくれという。20代の青年になったヴァンツァーをつれてジンジャーは・・3 怪獣の宴 怪獣といったらあのご夫婦です。ジャスミンはジンジャーの芝居を見に行くことにしました。そうしたらそこで、「非常に怖いモノ」つまり絶世の美女に化けた金色狼を発見します。その後、ジャスミンあてに意味不明の伝言が届けられます・・・タイトルが何故「マルグリート」なのか分からなかったのですが、あとがきに種明かしが。本文中に出てきた「ブライトカーマイン」はきれいな赤いマーガレットだそうです。そこで、マーガレット→マルグリート。【本日の言葉】p75 「…あの子、本気でやったら、国際大会の成人の部で優勝できるかもね」「いえ、きっと一回戦で失格負けです」
2008.07.29
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プリンセスハーツ(乙女の涙は最強の武器!の巻)小学館ルルル文庫、プリンセスハーツシリーズ3巻目いままでドラマCDが付録としてついた特装版があったのですが、今回はCD付きはなし、代わりと言ってはなんですが、カラー口絵付きです。角川ビーンズ文庫で出ているパルメリアシリーズと同じ世界、でもちがう時代の話です。時に遠征王シリーズの主人公の祖父の時代の話です。遠征王シリーズで、主人公が何故母親から疎まれたか。父であるパルメリア王が何故パルメリア王家の血を引いていなかった理由はこの話にあります。ということは、遠征王シリーズを読んでからこちらを読むと、アジェンセン公国がこれからどうなって行くのか、読めてしまいますが。主人公のジルはアジェンセン公国の大公妃。大公妃はパルメリア王国から輿入れしてきたメリルローズ王女・・・のはずだったが、パルメリア王国が送り込んできたのは王女そっくりの偽物だった。幼いメリルローズ王女に出会い、ずっとあこがれていたアジェンセン大公ルシードは、彼女を偽物と見抜いたのですが、悪魔的に冴えた頭上でルシードを補佐するジルを、メリルローズとして扱います。今回ジル公認の公認妾妃として宮廷にきた伯爵令嬢オルプリーヌ、彼女の登場とともに、陰謀も幕を開けます。p241「王の施政において、もっともやっかいなことは、有能な臣下への報償ではない。無能な輩の処遇であると私は思います。彼らは特権を享受することに慣れきってしまっているので、自分たちがいかに無能であるかを自覚させようとしても、ただ楽なほうへ流れてしまう。自分たちに都合がいい答えをくれる誰かしか、必要としないのでやっかいな相手です。けれど、あなたの盤上にはその駒しかありません。」
2008.07.01
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身代わり伯爵の脱走角川ビーンズ文庫、身代わり伯爵シリーズ5巻目です。主人公のミレーユはパン屋の娘。小さいころ隣国に養子にいった双子の兄と文通していたのですが、あるとき自宅から拉致(?)されてついたところは隣国の立派なお屋敷。実はミレーユの父親は国王の異母弟である公爵だったのです。しかも双子の兄がどこやら出奔中ということで、何故かミレーユが兄である伯爵の身代わりとして出仕するはめに・・・ということで始まったシリーズ。主人公のミレーユは、庶民の元気いっぱい娘ですが、主人公の周りの登場人物が奇人変人めいっぱい。でも今回はミレーユは兄の身代わり役はやっていないのですが、もうシリーズ名になっているので「身代わり伯爵」です。いままではミレーユは公爵家の親戚の娘ということになっていたのですが、公爵自身の娘であることが発覚。王族の姫として隣国との政略結婚、断るのだったら第一王子の後宮に第2夫人として入るように・・・という第一王子からの話。筋肉軍団、おかま、着ぐるみ王子、猫愛好家の副官など奇人変人いりみだれて、でもやはり恋愛物・・なんのか?これで?主人公全然色気自覚していないし・・・p233「問答無用っ!乙女の荷物を盗んだあげく許しもなくほっぺを舐めて、なおかつ今度は誘拐する、そんな男がくされていないわけないだろうがっっ!」
2008.07.01
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幸村殿、艶にて候(3)キャラ文庫。BLです。タイトルのとおり主人公は真田幸村。豊臣秀吉の密命をうけ、島津の動向を探るために九州へ・・・と向かった真田幸村。前巻では、越後の上杉景勝が追ってきて、とうとう想いを通わせた・・・のですが、景勝は領地(というか大阪に)帰り、幸村は九州をめざします。もちろんBLの小説なので、なまじ歴史上の人物なのと、戦国モノのゲームなどでも登場していることもあり、作者も、あとがきで、これはボーイズラブ物ですと注意を喚起(笑)しております。一座の太夫に扮した幸村、お供の猿飛佐助と六郎、何故かついてきてしまっている霧隠才三(隙あらば、幸村殿の寝込みを襲おうとしている・・・)そして旅を続けるうちに増えていく一行。男装のくの一に、由利鎌之助という名前をつけたことなどから、これは真田十勇士がそろうのだなあと期待しているのですが・・・でも、ボーイズラブ。ストーリーの骨組みとBL描写の落差がなんとも言えません。p280「人と人とは鏡のごとくに相身互いだ。誠を見せねば誠はえられぬ。奪おうとされれば守らずにいられぬ。そうだろう?」
2008.07.01
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2008年4月発売文庫首狩りの庭 英国妖異譚(18)18 首刈りの庭久しぶりの書き込みです。本を読んでいなかった訳ではなくって、書くよりも時間があれば次の本よ読みたい・・・という感じで英国妖異譚もどんどん卒業が近くなって、シモン、行動に出ないのかっっ!という感じが・・しかし、今回はそれどころじゃなかった『首に気をつけろ。失われし我が主の首が誘う』ユウリはロンドン塔のカラスにそう告げられる。さらに、予知夢を見るシモンの弟アンリからは、シモンが首を切り落とされる夢を見たと聞かされ、現実でも、学園の霊廟(モーソリアム)跡地では首なし死体が発見され、不安を募らせるユウリだった。シモンに迫る女の影、忍び寄る罠。霊廟跡地の謎。卒業まであと半年余り。どうするユウリ――!?【本日の言葉】p.30ほとんど面識のなかった人間の内面を知りたいと思う時、その人物の書棚を見るのは有効な手段である。蔵書というのは、それを集めた人物がどういう性格であるかを如実に語ってくれるものだ。p.98あの人の場合、自分を押さえる術を知っているというだけで、決して本質が無欲なわけではないからね。この巻は4月発売だったのですが、これを読み終わったら無性に1巻から読み返したくなって、1巻から読み返しました。それがなんかさらにはまってしまって、なんと連続2セット読み返し・・・・う~ん、「タクミくんシリーズ」と違って、このペースで卒業まで行きそうなんですけど、そこで終わりなのかな。ちょっと寂しい。講談社の携帯サイトで出てくる話で、もっと後の時代に回想録が発見されたという設定の話があるのですが、ここでは「ユーリ」という人物について詳細は分かっていないように出ています。そもそもこの話がどういった方向に行くのか。どうもユーリが生まれたときの状況が影響してくるのじゃないかなあと思うのですが。
2008.05.31
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真皓き残響(琵琶島姫)炎の蜃気楼シリーズ、邂逅編最新巻今回は「琵琶島姫」ということで、女武者の怨霊が登場します。戦国時代、御館の乱に破れ怨霊大将となった上杉景虎は越後に甦り、仇敵直江信綱と巡り会う。謙信公の命で仲間とともに怨霊退治の旅を続ける二人だが、柏崎の琵琶島城付近では怪しい出来事が起きていた。おなごの霊たちが武者軍団となって恨みを晴らしに現れ、なかでもおんな怨霊大将と呼ばれる霊は「景虎」に恨みを持つという。景虎は妻・春姫の怨霊ではないかと調査に乗り出すが・・・・(カバー見返し部分より)とまあこういう始まりなのですが、この邂逅編で出てくる怨霊はかならずしも御館の乱での死者ではないということで、今回も意外な「霊」が現れるのですが、それでそもそも何故「御館の乱」が越後を二分した戦いになったのか、考えてしまいました。だいたい「御館の乱」などはマニアックな本にしかでていないし、上杉謙信の死後、子供がいなかったから甥の上杉景勝が跡を継いだといえば、そういうものだと思うのですが、何故敵国の領主の息子を後継者にしようとした者がこんなにもいたのかと。というのも景勝は母方ではたしかに謙信の甥だけれども、それ以上に長尾政景の息子であるということで手放しに認められない者だった。景虎はもちろん敵国北条の息子である。この辺の事情について、作者の認識(というかそれが定説だと思っているけれども)が書かれているのが、やはり歴史小説っぽいなあと思います。p147景虎自身、小田原北条家の人間というハンデを払拭するため、上杉家臣団の信頼を得ようと日々励んだように、景勝もまた「政景の息子」というレッテルを乗り越えようと励んでいた。ありのままでは認められない自分たちだからこそ、共に越後のために働き、励み、切磋琢磨して、謙信を支えようとしたのだ。ところで、今回「美女」が登場しますが・・・・う~ん、そんなになるもんか???
2008.02.10
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月魄霊鏡斎姫シリーズ、「斎姫繚乱」になってから11巻目です。はじまりは「斎姫異聞」シリーズ。平安時代、藤原道長全盛期のころ、主人公の源義明は蔵人権頭。しかし破魔の力を宿し、不動明王の力を顕すことができる。「神の子」として式神を使役し不思議な力を宿し、先々帝の姫であり義明の妻でもある「宮」とともに、都の怪異を解決していく・・・・という話だったのですが、「斎姫繚乱」シリーズになってから、月の姫「香久夜」が現れます。彼女は昔恋した長屋王の生まれ変わりを求めてやってきました。そして長屋王は義明なのではないかと思い、いろいろ仕掛けてきます。今回は香久夜の持っていた「月の鏡」を持ち出したモノの仕業で、宮と道長の娘、威子の魂が入れ替わってしまいます。宮の魂が道長の娘の身体に入っていると分かった義明は、道長の館に向かいます・・・この斎姫シリーズ、設定自体は単に時代背景を借りただけのファンタジーのようなのですが、時代背景自体が妙にリアル・・・今回の威子も、道長が娘3人を中宮にしたという3人目ですよね。たしかに11歳の甥っ子のところに20歳で嫁ぐ・・・というのはちょっとお互い可愛そうな。道長に関わる政争については、皇后定子とその皇子たちの話も出てきましたが、今回は堀川院(史実では堀河院)の左大臣顕光一家の話が出てきます。昔、中公新書で「承香殿の女御」という本があり、一条天皇の女御、藤原元子が主人公でした。元子は顕光の娘で、皇后定子の父の失脚後、道長の娘彰子がまだ入内する年齢に達しなかった間に、一条天皇の女御にあがった姫です。彼女は妊娠して意気揚々と御所を退出するのですが、「水」を産むという(早期破水?)ことになり、以後御所に戻らなかった。一条天皇の死後、プレイボーイの源頼定と恋に落ち、駆け落ちすることになる。その妹の延子は、皇太子の敦明親王の妃となり皇子も産んだのだが、敦明親王は道長の策略で皇太子を辞退し、道長の孫に譲る。そして「小一条院」として上皇相当の地位を得、道長の娘を妃に迎えることになる。顕光は左大臣ではあるが、実権はなく、失意のうちに泣くなり、やがて「悪霊左府」という怨霊として有名になる・・・今回は、そこまでは出ていないのですが、主人公たちの設定以外は結構史実に忠実に進んでいるので、やがて堀河院の人々にさらなる不幸が・・・ところで、「長屋王」の生まれ変わりについては、前の巻で長屋王の父、高市皇子の母である尼子娘の名前が出てきたことから、義明ではなかったことがほぼ確定・・・だと思います。【本日の言葉】p210いつまでも物語のような恋を待ち望むのは、愚かしいことですよね。義明様と奥方様を見て、考え直しました。たとえ親が決めた縁談でも…私も、今上様を心からお慕いできるよう努力しようと思います。
2008.02.10
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雑誌コバルト2月号から桑原水菜さんの「炎の蜃気楼邂逅編 真皓き残響ー氷雪問答ー」の掲載が始まりました。ミラージュも本編が終わってしまったけれども、邂逅編は終わっていない・・ということですね。今回の舞台は弥彦神社に近い温泉のある村です。ところで本日、鮫ケ尾城跡から焼けたおにぎりが発見されたというニュースが出ていました。(産経ニュース)戦国武将、上杉謙信の後継者をめぐる「御館の乱」の舞台となった新潟県妙高市の鮫ケ尾城跡で、戦火で焼けたとみられる炭化したおにぎり4個が、市の発掘調査で出土していたことが22日、分かった。 当時は雑穀を混ぜたおにぎりが一般的だったが、出土したおにぎりは米だけの“銀しゃり”。市の担当者は「謙信の養子の景虎陣営が、最後の戦いを前に武将らに振る舞ったのではないか」と話している。(以下 略)毎日新聞なんかこのタイミングで御館の乱のニュースを見ると、実際にあったことなんだなあとえらく感慨深いものがあります。
2008.01.22
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H19.11.24長野県長野市の川中島古戦場で川中島の戦いを再現するというイベントありました。「再現」というにはちょっと小規模だっと思うのですが。まず、真田鉄砲隊の火縄銃の実演のあと、川中島合戦の再現ということで、武田軍・上杉軍の入場。ゲストとしてNHK大河ドラマの山本勘助役の内野さんが鎧甲冑姿で登場。 その後、川中島の戦いの「再現」シーンがありました。 その後、内野さんとNHK大河ドラマのプロデューサーの方のトークショーがありました。屋外でしたが後ろの大画面に「風林火山」の勘助登場シーンのダイジェストとか、なんと勘助の最後のシーンもちらっと・・・大河ドラマは通常49回ということなのですが、今回は9月下旬に急遽50回と1回増えたという話など、今後の川中島が気になるうまい宣伝でした。http://www.furin-kazan.jp/nagano/index.phpなお、大河ドラマ風林火山特別企画展ということで、川中島古戦場公園内の長野市立博物館で「体感!川中島の戦い2007」を開催しています。信玄役の市川亀次郎さん、謙信役Gacktさんの熱く語るモニター映像や実際に着用した衣装なども展示してあります。期間延長されて12月24日まで。
2007.11.25
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ツバサ(21)DVD付初回限定版ツバサ21巻・通常版内容は同じのコミックス21巻・DVD「ツバサTOTYO REVERATIONS 1 魔術師の伝言」・CLAMP書き下ろしDVD3枚収納可能ディスクケース・「CLAMP in CARDLAND」プロモーションカード1枚21巻 その絆が、力を呼ぶ 内容は通常版と同じですが、21の前に小さく「限定版」と記載しており当然ながら値段もコミックスには記載していません。 セレス国にもどったファイはとうとうアシュラ王と再会します。このツバサでは、CLAMLPの他のマンガの登場人物たちが出演してくるので、やはり本来のストーリーを連想してしまいます。アシュラ王は、ツバサの他の次元でも出てきましたが、やはり哀しいストーリーですね。セレス編完結です。DVDの方は、舞台はTOKYO。収録時間は26分。大川緋芭(CLAMP)の脚本ということで「東京編」のアニメ化です。右上の画像がDVDケース(開いた状態)のイラストです。【本日の言葉】p91 いつも 君を 最も傷つけるのは 君のその優しさだね ユウイ
2007.11.19
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三千世界の鴉を殺し(13)「三千世界の鴉を殺し」と短編「やさしい悪魔」が掲載されています。本編では、あいかわらず極秘ミッション進行中です。あいかわらず時間のすすみは遅いです。ドラマCD初回プレス特典のミニ文庫では、この事件終了後のどたばた劇が掲載されていますが、そろそろ「流民街完全消滅事件」に近づいているかなあ~といった感じです。あいかわらず笑えますが、爆笑ってほどではないので、電車の中で読んでも変な人扱いされずにすむと思いますね。短編の「やさしい悪魔」は、うわさの「流民街完全消滅事件」の1年後という設定です。こっちは・・・しっかりギャグです。毛髪にコンプレックスを持つグレッグ大尉が、ルシファーに「復讐」を企てる話・・・なんでしょうね。こっちは、電車の中というか人前で読むのはおすすめしません。はい。【本日の言葉】p22 だが、人間に何より大切なのは、自分自身に向けたプライドーー自身に堕落を許したり、おのれをおとしめて卑屈になったりしない誇り高さだった。それを心に宿している限り、人は前を向き胸を張って生きていける。
2007.11.19
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暁の脱出グイン・サーガシリーズ117巻、タイトルのとおりやっとタイス脱出です。長かったですね、タイス編。いったいどうやって決着をつけるのかと思ったら、こうきたか・・・という鮮やかさです。そして、タイスの後、パロのクリスタルに向かうことになりようです。このタイス編ではグインは自分の身分を隠していたので、過去の話など全く出しようがなかったのですが、ケイロニア王としてのグインを知っている人物が現れると、そういえばグインは記憶喪失になっていたんだなあと思い出しました。次巻は12月発売だそうです。【本日の言葉】p145 「そうであったか。ーーならばもう、思い残すこともないな…処刑するならするがいい。もう、わがことは終わった」
2007.11.19
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26日に行ってきました。まず真っ先に公認グッズを購入。今年は葛飾北斎のグッズがあるので、Tシャツと手ぬぐいを購入。Tシャツは店によっては結構売り切れてしまっていて何軒が探してしまいました。どうも白よりも黒が先に売れてしまうような・・・今年から買い物を袋に入れてくれないので、エコバックを200円で購入。丈夫な布製でモーターショーのプリント入りなので、おみやげ?にいいかもしれない。次に、トミカ売り場へ。モーターショー限定トミカ2台(オロチとパジェロ)と今年出た赤外線コントロールチョロQ(スカイライン)1台を購入。本体の車でおもしろかったのは、やはり日産のピポ2。でも前回のモーターショーと大して違わない気がする。三菱の電気自動車は後ろからコードを出してきて、家庭用コンセントに差し込んで充電するという。ガレージにコンセントがないと困る・・・貸駐車場じゃむりだな。他にもいろいろあったのでアルバムも作りました。
2007.10.26
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Dー魔道衆吸血鬼ハンターDシリーズ19なんですけれども、今回は「朝日ソノラマ」じゃありません。朝日新聞社発行の「朝日文庫ソノラマセレクション」です。朝日ソノラマ社が9月末で廃業したため、ソノラマ文庫は関連会社の朝日新聞で引き継いだそうです。あとがきを見るまで気がつきませんでした。でも、シリーズ続いているし、読むには特に影響なしですね。ソノラマ文庫なくなったのか・・・・なんとなく、昔の緑の背表紙が懐かしいです。吸血鬼ハンターDですが、今回はわがまま娘アネットが、旅の途中の危機をDに救われ、そのまま護衛に雇おうとします・・・・かつて村人にだまし討ちにあい居城で惨殺された大貴族ゼノー一族の復讐の話(首謀者である村の現在の村長の娘がアネット)と、辺境を疾走する巨大列車”鉄の城”の主ドラコ大公とそれぞれの事情で出てくる貴族が相手になります。”鉄の城”でドラコ大公が行っていた実験とは?あいかわらずのDシリーズ、話自体は1巻で完結です。ただこのところ、ずっとDの誕生の謎に近づくんだか、謎が謎を呼ぶというか・・・そういう意味では進展なしといったところでしょうか。【本日の言葉】p316 そして、我々はまたはじめたのだ。明日を信じてな。それが、たとえ決して訪れぬ明日であろうとも
2007.10.15
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グイン・サーガ本編116巻、4巻前のタイトル「闘王」と似てるので、思わず昔の再版かと思っちゃいましたが、さすがにイラストが違いますね。たぶんこれ、噂のガンダルです。タイトル、イラストからわかるようにタイス編が続いています。ただここで一応の決着がついたのでタイス編は次巻(117巻11月発売)で終わりのようです。クムに入ったのが、107巻「流れゆく雲」、110巻「快楽の都」でタイスにはいって今や116巻。巻数がすごいので、ちょっとしたサイドストーリー(だと思うけど)で10巻つかっちゃうなんて・・・ご苦労様です。グインサーガはこのとおりの長さなので、ちょっと読み返すという訳にもいかず、かといって読み飛ばしていくと、だんだん忘れてきてしまう。いいところは、次巻も来月でますが、とにかく頻繁に続きが出ること。忘れる前続きがでるので、記憶がつながっているといった感じです。タイス編クライマックス。前巻でフロリーたちが城外に出されたため、今回はほとんどグインとリギアの話です。トーナメントの途中でうまく負けることに成功したブランはともかくも、グインもそして人気がでてしまったリギアも勝ち進んでいきます。祭りの熱狂的な雰囲気と勝ち進むのはいいけれども、ここまで有名になってしまったらどうやって脱出するのだろう?たぶん次巻でわかると思いますが・・・【本日の言葉】p195「あたしはあなたほど圧倒的には強くない、だから、そうそう、ヤーンのご加護をあてにしているわけにはゆかないの」
2007.10.06
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小学館ルルル文庫、第1回小学館ライトのベル大賞ルルル文庫部門佳作帯の文句「姫君の『婿入り』に隠された真実とは!?」に興味を持って手に取りました。もっとも「婿」の謎については、人物紹介およびカラー挿絵を見ると、たぶん・・・と想像ついちゃいますけど。とにかく舞台は名前服装は中国を思わせる中華風ですが、名称が漢字というくらいで、これで固有名詞をカタカナにして服装を洋風にしたら、西洋風でもいけると思います。主人公は新興国家珠国の王女、父親が前王朝を倒して国を建てたばっかりという突然「王女」になりましたという元気いっぱいな15歳、蓮祥(れんしょう)。ある日父王から、伝統ある幡国の嫡子である幡流夏王女の「婿候補」として隣国に行くように言われます・・・・まあ、しょっぱなから、何故???という設定なんですが、伏線が結構はっきりしているので、楽しく読んでいけました。それにしても、この男装・・・性格が男らしい?のでストーリー上はなんとか持っていますけど、見てくれの描写やイラストを見る限り、ばればれだろ~~と思いますね。まあまだ成長期だから「子供」なんだといってとりあえずごまかせるかなといったたぐいで、そういったところも、登場人物にはあまりばれてないけど、読者にはばればれ。そういう意味では、すでに結果が見えている歴史小説(特に水戸黄門とか)を読むのに感覚が似ているかもしれない。【本日の言葉】p232「私、欲しいものは自力で手に入れる主義なんだよね」
2007.10.06
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彩雲国物語本編12巻目第2部になってから、秀麗の性格がだんだんすれてきたようですけど、今回はじめの方の台詞「ふっふっふ。飲み比べで潰しときました!ちょろいもんです。今ならこそっと通れます」は、17歳(もう18歳ですね。19歳かしら?)の紅家のお嬢様のセリフとは思えません・・・・あの、かわいかった秀麗はどこへ行ったんだっっ~~~思わず心の中で叫ぶのも当然です。第2部になってから監察御史としてがんばる秀麗。いくら貧乏で生活に苦労していたとはいえ、本来はれっきとした名門紅家のお嬢様、特別なコネはいっぱいあるし、本人ががんばったのは確かだけれども、制度を新設してまで彼女が受験できるように国王自らが便宜を図ったり、官吏の人事を司る吏部の長官(吏部尚書)は実の叔父。受験勉強を見てくれたのは吏部の次官(吏部待郎)は叔父の養子。とまあ、まさに「特別待遇」だらけだった。しかし、1部で築かれてきた世界が、2部になって別の視点で見られるようになっていた。つまり、貧乏お嬢様がダメ国王教育係として鍛え直して国王がまじめになりました、そして国王は彼女に惚れてしまって、彼女の夢である「官吏になること」をかなえるためにまじめに仕事をして女性も受験できる制度に変えました。そして彼女は優秀な成績で合格し、周囲のいじめにも負けず一生懸命仕事をし、茶州の疫病の蔓延を防ぎ、多くの命を救いました。しかしその緊急避難的な強引な手法の責任をとって茶州州牧(長官)をクビになり、ヒラ官吏から始めることになりました・・・・というのが1部の流れだと思うのですが、これをイイと思う土台が崩れてきた感じです。今回、国王に信頼の証である「花」を返して本拠地の藍州に帰った藍楸瑛を追って国王が出奔。そして国王を無事連れ戻すために、秀麗がタンタン(榛蘇芳)、浪燕青とともに追いかけます。今回というか2部になってからの数巻はやはりタンタン編だと思うなあ。また、今回も龍蓮がちょいと出てきましたけど、やはりこのお方謎です。どこまで知っているのか???今回は、なんか意味深というか、気になるセリフが多かったですね。内容は結構マジだったりする・・・・ちなみに初回限定だそうですけど、しおりの裏が4コマ漫画になっています。【本日の言葉】p81 皇穀は、秀麗が見ようとしなかった半分を徹底的に突きつけようとしている。自分の信じようとするものしか見なかった秀麗の傲慢を、打ち砕こうとしている気がした。それで秀麗が逃げたり、潰れるならそれまでと切り捨てるのだろう。好きなことだけをやる、信じたいものだけ信じる、嫌いなものは頭から理解しようとしないーーそんな人間は不要だと。清濁すべて知った上で、皇穀は今の自分を選んだのだろう。おそらく清雅も。だからこそ、秀麗は二人を否定できないでいる。甘いと言われて、反論もできなかった。p143 悠舜は理想主義だ。すべての碁石をとろうとする。官吏の決断は八割でいい。全部をとろうとするのは、賭と同じだ。時にはすべてを失うことになりかねない。(八割でいいんだ、悠舜。それで充分なのだ。頼むーー何もかも背負おうとするな)p144 「…疫病神が可愛い女のコに取り憑いていじめているようにしか見えませんでしたが」「うむ、実はその通りだ。いつまでも可愛い女のコとやらでは困るからね。三十年後にゃ、ただの可愛くないおばちゃんでしかなかったらさらに困る。」
2007.08.31
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ハヤカワ文庫JAのグイン・サーガシリーズ115巻です。一行はまだタイス滞在中です。今回とうとう、タイスの水神の祭りが始まりました。グンド(グイン)、リナ(リギア)、ブラン(スイラン)の3人は闘技士として、マリウスはタイス伯爵の寵愛の吟遊詩人としてタイスに留められています。そろそろタイス編もクライマックスに近づきつつある・・ということです。先頃出た外伝で、このタイスの事件は(少なくともグインにとっては)解決したんだろうと思うのですが、それでもやっぱりそろそろ決着はつけてほしいと思います。まあ、全体の巻数がとんでもないものになりそうなので、ちょっとした枝ストーリーで10巻分ぐらい使うのはありなんだろうけど、そろそろ先に行ってほしい。さて、そろそろグインも時間がなくなったことだし、今回はフロリーとスーティはちょっとかわいそうな状況ですが、とりあえず2人の脱出準備はできたということでしょうか。それにしてもマリウスをどうやって脱出させるつもりでしょうか?ここまで「お気に入り」になってしまうと、不興をかってしまったら、かわいさ余って憎さ百倍、単に水牢に落とされるだけではなく、その前になぶり殺しにあいそう・・・(^_^;)こわっちなみに表紙はたぶんリギアさん・・ですが、あの格好で女闘技士と戦うのはちょっと胸がじゃまで不利じゃないかと・・・しかもタイスでは美形は他にいっぱい「お仕事」があるけど、不細工だと女闘技士ぐらいしかないかって、そういう訓練を受けることになるらしいからまず美女どころか十人並みも少ないとか。それで女闘技士は美女相手だとまず顔をねらう・・・という(^_^;)美女闘技士「リナ」に人気がでるのはわかるけど、脱出するの大変だ・・・次回は10月に116巻発売予定だそうです。p244(あたしが、いまここにこうしていることそのものが、あたしの剣が役に立ったということのあかしーー)
2007.08.17
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雑誌「プリンセス」で20年以上連載し2006年12月号で完結したファンタジー長編マンガ「妖精国の騎士」の後日談短編集です。プリンセスコミックスで54巻出ていますので、これが55巻目になります。なにしろ20年以上追い続けていた話なので、完結してからも、なんかどこかで新しい話が出ているのがあたりまえのような気がしてなりません。突然隣国に攻め込まれ滅ぼされたアルトディアスの双子の王子と王女は、忠実な家臣に守られて城を脱出する。しかし、追っ手と戦う中離ればなれになり、妹のローゼリィ姫は「緑の森」の妖精王に拾われ、妖精たちの中で育つことになる。アルトディアスは古い王国であり、そこには「陽の剣」「月の剣」「光の剣」という3つの伝説の剣があった。それぞれ「使い手」に選ばれたものでないと抜けないが、剣がそのマスターを選ぶことがまれであり、3つの剣がそろったとき「創始の歌」が生まれるという。アルトディアスのローラント王子は「月の剣」のマスターに選ばれていた。そして、ほかの者は知らなかったが、妹のローゼリィ王女は「光の剣」のマスターだった。そうして、アルトディアスを裏切った隣国ロリマー王の養子であるキリアン出身のアーサー王子が「陽の剣」のマスターだった。周辺の国々の征服を目指す大国グラーンと、グラーン国王の野望を叶えるために「闇の第一皇子」と契約したキリアン出身のグラーン王妃。一方、かつて光との戦いに敗北し地の奥深くの虚無の牢獄に幽閉された闇の王の長子が、その契約により「人の子」としてグラーン王子として生まれることになる。人の世の戦いと、闇と光との戦い。その両方のキーとなってしまったローゼリィ姫の話です。(もっとも「姫」といっても、男装の麗人スタイルが多いですけどね)54巻の本編で、人の世の戦いは終わりました。アルトディアスは復活し、平和は戻りました。闇の王は代替わりし、とりあえず平和は訪れました。しかし、ローゼリィの旅は終わっていませんでした。「凶運を招く」という光の剣(ルシリス)。必ず美しい「妖精」とも見まがうような乙女をマスターに選ぶというが、光の乙女はいずれもその命を全うできないという。この光の剣を永遠の眠りにつかせるための旅が必要になってきます。グラーンが滅び、アルトディアスが復活し、ローラントが王になり、祝宴が続く中、ローゼリィはひっそりと一人旅立ちます、が、恋人のアーサー王子が追いかけ、二人で旅を続けることになります。この後日談Balladは、旅を続けるローゼリィとアーサーの話とアルトディアスのローラント王のその後の短編です。そして、20年以上前に、この妖精国の騎士の連載が始まる前に、プリンセスで短期連載された「はるかなる光の国へ」の世界につながることになります・・・【本日の言葉】p127 たとえ先にどんな辛い別れが待っていようと、出会えないよりはいいと僕は思う。
2007.08.16
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「炎の蜃気楼」シリーズ番外編3編です。本編は完結して3年たちましたが、雑誌コバルトに掲載されて文庫本未収録の短編2編とつい先日別冊コバルトに掲載された中編の3編です。これで雑誌掲載分が文庫化した安心感とともに、もうこれ以上新しい話は出ないのだろうと思うとなんだか寂しい気がします。○「赤い鯨とびいどろ童子」ここには高耶さんも、直江も実際には登場しません。嶺次郎を中心にした「赤鯨衆」の誕生にかかわる話です。こういう話があって赤鯨衆ができたんだなと思って四国編を読み返してみるとイメージが少し違うかなと思います。○「終わりを知らない遊戯のように」これは逆に高耶さんと直江の二人しか出てきません。四国編の中の話です。伊達方の砦に襲撃をかけた高耶たちですが、しんがりを引き受けた高耶が山の斜面に転落し、助けにきた直江と共に村の中学校の体育館に身を隠して一夜を過ごすことになる・・・シーンです。○「拝啓、足摺岬にて」こちらも四国が舞台なのですが、現実の高耶は出てきませんが、四国中にいる「今空海」である高耶の分身が出てきます。交通事故で死んでしまった少女の死遍路、民谷美久とともに八十八箇所を回る話です。【今日の言葉】p180 予感がするのです。この四国の地は、あの方にとっていつか”還る地”になると
2007.08.16
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グイン外伝21巻目です。時代的には、外伝第1巻である「七人の魔道師」の後の話です。ということは、今本編での長いタイス編が終わって、ほかに何かごたごたしてからのちのこと。とにかく無事にケイロニアに帰ってからのことです。「七人の魔道師」のときは、グインの記憶喪失という設定はなかったのではないかと思いますが、今回は、そういったことも織り込み済み。今回は、「七人の魔道師」出会って、グインの愛妾となったヴァルーサの出産を控えた時期、宮殿のグインにいろいろな妖魔が手を出してきます。第1話 鮫が池第2話 闇の女王第3話 ユリディスの鏡実はいままでグイン・サーガは、買うとすぐに一気読みすることが多かったのですが、これは短編集ということもあって、それほど「一気読み」するほどの勢いがつきませんでした。というか、ぐいぐい引き寄せるものが少なかった・・・というか。時代的には、一番後の時代ということで、マリニア姫は耳が不自由だけれども無事に育っているらしい・・とか、いろいろ興味深かったのですが、ストーリー自体はいまいちかな。結局、ラスボス?が小物なので、相手にならないという感じかしら?【今日の言葉】p170 どうして、いったん過ぎてしまった時に戻れる?たとえそれが順序も何もばらばらに並んでいたとしたって、ひとつひとつは過ぎ去った時とその瞬間の記憶にほからならないのだからね。当然、二度とあともどりはできないよ。たゆたう時の流れはだが、一方では決してもとに戻らぬ時でもある
2007.07.15
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講談社X文庫ホワイトハートの新刊で、英国妖異譚シリーズです。このシリーズは数ヶ月前に15巻ほど一気読みをしたのですが、今回も読み返しループにはまってしまいました。主人公は英国のパブリックスクールの学生ユウリ・フォーダム。日本人女性と英国貴族とのハーフで、あらざるものが見える能力を持っています。そして、その能力からいろいろな霊現象に巻き込まれてしまうユウリの「守護者」であるフランス伯爵家の貴公子シモン・ド・ベルジュ。そして、今は卒業生ながらも学院に頻繁に現れるオカルト好きの「魔術師」コリン・アシュレイ。など、舞台は現代であるらしいのですが、時代不明の設定で、今回は中世騎士の亡霊が登場します。この話を最初読んだときは、角川ルビー文庫のタクミ君シリーズの肉体関係なしバージョン(笑)だと思いました。このシリーズは、舞台設定といい登場人物といいまさにボーイズラブの雰囲気なのに、そういう行為がない。かといって学園ものと言い切るには、ユウリはともかくもシモンは・・・その気だろう・・・と思うのですが、理性で思いとどまっているというか。もう本編も16巻、このままずっとこの調子で・・・と思う点と、そろそろこの辺で方向転換を・・・とも、ちょっと複雑な感じです。ところで、角川の夏の百冊の中に、ルビー文庫のタクミ君シリーズがあったことにびっくり。夏目漱石の「こころ」とかの横に、「彩雲国物語」はまだしも、タクミ君シリーズの「そして春風にささやいて」が並んでいると、なんか、いいのかっ!と思ってしまいました。【本日の言葉】p222 まったく。己の力を過信するものではないぞ、人の子よ。p271 知らないことを教えてやると豪語するほど、俺は厚顔無恥ではない。
2007.07.02
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角川書店のちょっと大きめ(高め)なシリーズで、「ロッセリーニ家の息子」2作目です。前作「略奪者」は、タイトルと主人公がちょっと違う気がしたのですが、今回はまさに、ロッセリーニ家の三男、ルカが主人公です。日本人の母親とシチリアのマフィア・ロッセリーニ家の当主の三男として生まれたルカ。規律の厳しい家から逃れて、母親の生国である日本への留学を希望していた。しかし、兄(異母兄)たちが突きつけてきた条件は、長兄の補佐であるマクシミリアンを護衛役として同行させることだった・・・もちろんBLなので、・・・案の定の展開です。そういう意味では先が見えるので、安心して?読めるという点でいいですね。今回は前作「略奪者」の主人公(だよね?)である早瀬瑛くん(実はルカの異父兄)は登場しませんけど、瑛の存在が重要なポイントに・・・ということで、「略奪者」も読み返しに入ってしまいました。表紙を見ていて気がつきましたが、「略奪者」も「守護者」も2人のうち一人が前を向いていて、一人が後ろ向き、で、裏表紙をみると(略奪者のほうなど、折り返し部分まで広げてみると)逆方向からの絵になって、表紙とは別の方のお顔が・・・こういうところなども、しっかりシリーズです。ということは、あとは次男か???【本日の言葉】p197「弱い者を暴力やクスリでねじ伏せるのとどちらが卑怯です?」
2007.07.01
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邪道シリーズ8巻目。魔族との共生の道を探るために、魔界へむかった柢王を追う桂花、また、アシュレイも西の王子カルミアを取り戻すために魔界へと。比翼連理の中です。あと下巻かな。あとがきによると、9巻目からは新書では発表されていない物語に突入するそうです。今回文庫化にあたって、だいぶ加筆などされています。以前、藤村紫名義でビーボーイノベルスで発行されたときは、「比翼連理」は上下2巻でした。もっとも最初の「無限抱擁」もノベルズでは1巻ですが、文庫版では上下2巻。次の「濮上の音」は両方1巻ですが、次はこの「比翼連理」つまり、ノベルス版では第1部が4巻で、次の第2部「蒼弓王国」に続いていました。今回は本編のストーリーが暗いのですが、短編「魔族の血」「苺と砂糖」、コミックス4ページのいちゃいちゃストーリーが楽しい。
2007.06.13
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グイン・サーガ本編114巻。グインたちは、相変わらずタイスに足止め状態です。今回は、いままで影の薄かったフロリーに焦点が・・・というか、フロリー受難の巻です。ところで、今回はタイス伯爵の娘、アン・シア・リンが登場しますが・・・・ユラニアの3公女ほどではありませんが、だいぶ見た目も性格もよくなさそう。このグイン・サーガに出てくる女性陣、なんか普通の人があまり出てこないような・・・クムのタリク大公もアン・シア・リンも、自分を実際よりもずっと魅力的と信じているようなのがなんか喜劇です。次は7月発行の外伝21巻です。【本日の言葉】p268 なんでもありませんよ。結局ぼくは災いを転じて福となる、ってことを信じてさえいればなんだって可能なんだな、と思ってるだけです。
2007.06.12
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ビーンズ文庫、篁破幻草子シリーズ5作目以前雑誌のThe BeansVOL.4に掲載された作品と書き下し短編2編の3編で完結巻だそうです。平安初期、嵯峨天皇の時代、小野篁が主人公のシリーズ。やはり主人公、イイ性格です・・・・「めぐる時、夢幻の如く」(書き下ろし) 朱焔編の完結編です。・「橘少将、鬼の「腕」と闘うの事」・「終わりなき、それは」 「少年陰陽師 動画の書」に入っていた短編「鬼夜来」の篁バージョンです。p98「心に鬼を飼っているのは、ひとならばみな同じだよ。誰もが鬼になれる。その鬼を目覚めさせるか、眠らせたままでおくのか。大切なのはそこであって、飼っていることではないな」
2007.06.10
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高殿円さんの遠征王シリーズ(角川ビーンズ文庫)「ジャック・ザ・ルビー 遠征王と双刀の騎士」「エルゼリオ 遠征王と薔薇の騎士」「ドラゴンの角 遠征王と片翼の女王」「尾のない蠍 遠征王と流浪の公子」「運命よ、その血杯を仰げ 遠征王と隻腕の銀騎士」短編集「遠征王と秘密の花園」外伝「黎明に向かって翔べ」 小学館ルルル文庫の新刊「プリンセス・ハーツ」の主人公たちは、その後の時代である「遠征王」シリーズと深くかかわってきています。遠征王シリーズに、この2人のことがちらちら出ていたという覚えもあって、シリーズ読み返しに挑戦しました。プリンセス・ハーツの主人公たちの孫にあたる世代の話です。主人公は、パルメリアの男装の女王アイオリア1世。後世に「遠征王」として名高く、この時代にパルメリアの領土が広くなった・・・というのですが、実は温泉好きで、宮殿を抜け出して温泉めぐりをしているうちに遠征したことになっていた・・・とかいうお気楽極楽の面。それとば別に、国王と王妃の唯一の子であったにもかかわらず実母にうとまれ、幼少時に厄介払い同然に他国に嫁にやられ、しかも、人質同然の娘が殺されるという前提でその国を滅ぼしたという悲惨な過去の持ち主でもあります。そして、その実母にうとまれた理由、その遠因が、(プリンセス・ハーツの主人公)アジェンセン王ルシードによるパルメリア征服にありました・・・まじめなシビアな背景と、アイオリアのお気楽女好き(!)の性格とのアンバランスが楽しい作品です。なにしろ後宮(花園)に第8夫人まで、抱えています。だいたい女王陛下の愛妾というのも(笑)ほとんど女学校のノリですね。ちなみに、高殿円本人による同人本も多数出ています。ということで、「とらのあな」通販で購入しました。「Takadono others III」2作掲載されていますが、そのうち1編「黄昏の中の姫君」が遠征王外伝です。ビーンズ文庫で掲載したよりも後の時代、アイオリアの最愛の従妹、グランヴィーア朝の初代女王であるゲルトルート1世の息子、アリオストからみたゲルトルートの短編です。今となっては販売終了ですが、政略結婚で嫁いだ10歳のアイオリアと14歳のミルザの話「夢見ヶ原」アイオリアの花園の話など「されど愛しき日々」などいろいろ出ています。作者公式サイト http://takadono.parfe.jp/「遠征王と秘密の花園」よりp164「方法は、いつでもふたつある!」
2007.06.10
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コバルト文庫「天を支える者」の番外編です。中編2作です。今回は、本篇がいったん一つの事件?が終わったということで、ストーリーの進行上とは直接影響しない話です。ナルレイシアが故郷から出てくることになった原因となった男爵家のバカ息子とばったり出くわしたことから始まります。「罠は、蜜の味」都会に来れば単なる田舎の下級貴族の息子にすぎないが、田舎ではご領主さまのあととり息子、容姿にも自信があったにもかかわらず、自分になびかない田舎娘(ナルレイシア)を強引にモノにしようとしたが逃げられて、自分を誘惑したあばずれ娘だと「ないことないこと」の噂をばらまき、故郷にいられないようにした張本人。おまけに今度はナルレイシアの友人の従妹まで毒牙にかけ、ひどいしうちをした・・・ということで、ナルレイシアとマルルーネが、バカ息子を罠にかけてやろうと画策します・・・それにしても・・・・・馬鹿息子です。もう、やんなっちゃうぐらい。それでも、悪知恵の働く友人がついているのでなんとかなっていたようですけど、悪知恵といったらもっと上手はいるようです。「それは初夏の蒼穹の下」罠にはめる快楽?を味わった後の話です。短編ですが、・・・にやっと楽しいそれにしても、本編はなかなか進みませんね。そもそも、本編よりも外伝のほうが冊数が多いということもあるし、作者も忘れていないようだから、ま、いいか。
2007.06.07
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小学館から創刊のルルル文庫です。恋と野望の王宮ロマンス、とありますが舞台となる世界が、角川ビーンズ文庫の遠征王シリーズと同じで、時代的には遠征王の時代の2世代前になります。主人公は18歳の時、父を斃しアジェンセン公国の大公になったルシード。彼が人質として過ごしたパルメリア王国で王女に恋し、結婚の約束をした。大公となって、パルメリアのメリルローズ王女と結婚が決まったが、アジェンセンに来た「王女」は、顔がそっくりの偽物だった・・・・単品で読んでもおもしろいと思うのですが、この50年ぐらい後なのかなあ、アイオリア1世の時代の話「遠征王」シリーズ。もともとティーンズルビー文庫で出て、その後ビーンズ文庫にもなったアイオリアのさらに250年ほど後のアルフォンス2世の時代の話「、スカルディオ王朝の始祖オルガロッドの話が出ている同人本、ミルドレッド王の時代の話「そのとき」シリーズ・・・・この「パルメニア」王家の人々の話と連動してくるので、それを考えると面白いです。ちなみに遠征王の話の中で、ルシード王とメリルローズ王妃の話が出てきます。結構重要事項だったりして・・・(^^;)
2007.05.31
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ビーンズ文庫で掲載中の「少年陰陽師」のTVアニメ版公式ガイドブックです。といってもわたしは、アニメは見ていない・・・地元のUHF局でも放映しているんですが、何しろ真夜中・・・録画すればいいんですけど、なんかおっくうでそれなのに何故買ったのかというと、最近おきまりの「全員サービス」目当てです。少年陰陽師の文庫版最新巻とこのアニメ本を買うと、「少年陰陽師現代バージョン小冊子」全員プレゼント(400円の小為替必要)というのに釣られて・・・おまけに、アニメ本にもかかわらず、「少年陰陽師番外短編小説」文庫未収録作品一挙掲載・・・最近、商売うまいもんだ。ちなみに掲載されている短編は8編。窮奇の登場シーン昌浩の幼いときの紅蓮の話昌浩が彰子のためのプレゼントを探す話昌浩と小野篁の話夢の話・・・などちょっとしたワンシーンといった話ですから、これだけ読んでも分からないけど、まあ、アニメか小説かどちらも読んでいないという人は買わないだろうから、これでいいのでしょうね。なお、アニメの昌浩の顔は、わたしのイメージとちょっと違うので、アニメーションブックとしては、あまり・・・です。【本日の言葉】(花冠ー夢よりも遙かー)より痛みを何もかも、抱えたままでは前に進めない。雨よ、どうか。いま少しの間やまずに。この痛みを、押し流せ。
2007.05.21
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少年陰陽師シリーズ外伝です。といっても、通常の番外編のタイトルは命令形ではないというルール?みたいですが、今回はちょっと微妙。これは夏発売予定のゲームとタイトル、設定、登場人物は同じだけれども別の話・・・だそうです。タイトルには何も外伝とか書いていないので、読み始めたら、前巻までのストーリーとまったく違うので、ん?という感じだったのですが。ストーリーは、以前昌浩たちが斃したあやかしとそっくりの大妖が現れて、彰子姫と昌浩を狙います。また、妹を捜している天馬の一族も現れて絡んできます。窮奇編のその後といった外伝です。ゲームのエンディングはこうならないそうです。そういう意味では、これとは違った結末をゲームで実現したい・・・とか思っちゃいます。なお、この文庫本とアニメブックの応募券で「少年陰陽師現代バージョンの小冊子」プレゼント(400円分小為替)だそうです。ちなみに来月は篁のシリーズ、7月に少年陰陽師の本編の続き発売。【本日の言葉】p7あなたが夢見て眠るこの夜を、永遠に護りつづけていたい儚き想いよ、咲いて散る花よ何もかもが永遠ではないと、知りながら願う罪深き、ーーー久遠
2007.05.03
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グイン・サーガ113巻。相変わらず、グイン一行はタイスです。今回はうわさの剣闘士ガンダルが登場します。しかも鎧、兜で目いっぱい武装?した姿で宴に現れます。カラー挿絵はそのガンダルなんですけど、「そこに、ガンダルが立っていた」と下に小さく書いてある見開きカラー、一瞬「ガンダム」に見えてしまいました(笑)今回は、手詰まりになった感のあるグインのタイス脱出計画、少し動きがあるような・・・ううう、今回あとがきにあるように、何を書いてもネタばれになりそうです。
2007.04.10
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彩雲国物語13巻目です。茶州州牧(長官)のあとは、冗官(役のない官吏)に落とされていた秀麗も、新しい職場「御史台」に勤めることになりました。前巻から登場してきた陸清雅、今回もしっかり活躍します。それにしても、最初、国王の教育係として貴妃の名目で後宮に入ったことから比べると、格段に秀麗の性格が悪くなってきています(笑)というか、やさしく親切なお嬢様というだけでは、ほとんど何も進まないということが分かったというか、すれてきたというか・・・ところで第2部になってから不思議に思っているのが、官吏の登竜門について。第一部では、官吏になるには、国試に通らないとダメっていうのが前提だったようなのに、2部になったら、コネで入った(らしい)タンタンとか、大貴族の推薦があれば開催される特別枠の試験とか・・・まあ、考えてみれば当然だけれども、すっごく難しくてなかなか通らない試験を官吏全員が合格している必要ないし。はっきり言えば、頭でっかちの組織にならないためにも実行部隊は必要なわけだし。だったらなぜ秀麗も、そして紅黎深や藍将軍がわざわざ国試を受けたのか。まあ、秀麗については、紅家の特別ごり押しで入ってもお客さん扱いされるか無視されるかという感じで、紅家直系などということはむしろ隠して、実力で入る必要があったし、紅黎深にしたって、紅家当主ということを隠して宮仕えしなければいけなかったのかな。そういう意味では官吏などになる必要のない大貴族の直系などが国試を受けたりして(趣味か?)、家のために必死で出世しなければならない中小貴族の方が、貴族コネで入ったりするんでしょうかね。今回の新登場人物は、なんてったって藍将軍の異母妹、十三姫。それにしても、このネーミングって・・・・単に13番目の姫だったのか???正妻の5人の息子以外にうじゃうじゃ庶子がいるらしいですけど、それにしても・・・【本日の言葉】p31「へえ。これはこれは面白いご高説を聞かせてもらったな。別名タワゴトってやつ」p33「無能なヤツの常套句だな。どっかで手を抜いたツケが回ってダラダラ仕事してるだけだろ。そんなのに限って『仕事で忙しい』なんて顔してんだよな。自分の仕事管理も配分もロクにできてないだけだろ。暇なんか自分次第でいくらでもつくれるもんだ。いっとくがオレは他の誰より仕事してるぜ?勿論お前よりな。オレより仕事してからそういう言葉吐けよ」3月から残業や休日出勤が続き、4月には予想外の異動があったもので、この本はどうにか発売日には読んでいたのですが、こっちに書く余裕がありませんでした。桜予報が早かった割に咲かないなあと言っていたころから、気がつくとそろそろ葉桜に。庭には牡丹まで咲いていた。ずっと、朝は飛び出て、夜は深夜帰宅だったから気がつかなかった・・
2007.04.07
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クラッシュ・ブレイズシリーズ7巻目です。前巻「ソフィアの正餐会」は金銀のデルフィニアの2人の活躍でしたが、今回は、その直後、スカーレット・ウィザードのお二人・・・というよりも、もうジャスミンの大活躍です。ジャスミンとケリーの2人は久しぶりに遠い外宇宙に出ようということになったのですが、ちょうどそのときダイアナが休暇を申請!。そもそも船(感応頭脳)が休暇を申請するなどということは他だったら考えられないことですが、ダイアナは例外。興味のある論文を見つけたので、性能アップをしたいらしい。宇宙船の性能アップを日々の美容に例えるなど、さすがダイアナ・・・(^^;)とまあ、こんな感じで始まるのですが、当然のことながら行き先で事件発生。なんやかんやで、惑星ブラケリマでの渓谷レースに参加することになります・・・レーシングネームは、パピヨンルージュ【本日の言葉】「あの馬鹿な二代目は『整備士ごときに』と言った。ー言わせておく気か?」
2007.03.25
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英国妖異譚シリーズ1巻から15巻+スペシャル一気読みに走っておりました。もともと講談社ホワイトハート大賞受賞作ということで、なんか気になってはいたのですが、手を付けず、つい読んでしまったら・・・案の定はまってしまいました。舞台は現代イギリス。湖畔に建つ全寮制パブリックスクールが舞台。主人公のユーリ・フォーダムは日本人とイギリス人のハーフの霊感少年。フォーダム子爵の御曹司でもある。ユーリとユーリの守護者を自認するフランスの富豪で伯爵家の貴公子シモン・ド・ベルジュ、上級生でオカルト好きの”魔術師”コリン・アシュレイとともに、霊がらみの事件に引きずり込まれていく・・・・最初はともかく、何冊か読んでいくと、これってルビー文庫の「タクミくんシリーズ」からBLの肉体的要素をカットしたような話だなあ、と思いました。主人公のユーリは、「在らざるものが見える”東洋の真珠”」と説明されているけれども、まあ、ふつうの寮生(といっても貴族のご子息なんだけどね)。ユーリの「親友」のシモンは家柄はもちろん大富豪の息子で、庶民の常識を越えたお金の使い方をします。で、ユーリに対しては「親友」としての立場を守っているんだけれども、ちらちらとBL的な要素が出てきてしまう・・(ユーリは気がついていませんけどね)最初は、まさにパブリックスクール内の霊廟が舞台。霊廟で一人の生徒が突然失踪し、もう一人の生徒にも怪異が・・・いかにも英国らしく妖精やら中世の話やら、ファンタジー要素も。それに後の巻では、ユーリの母方の実家が京都の旧家で、どうやら陰陽師の系統であるようなので、妖精や精霊、それに八百万の神々までご登場・・・です。【今日の言葉】p158 君は少し睡眠をとる必要がある。精神のバランスを保つためのは食べて寝るのが一番だよ
2007.03.24
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別冊花とゆめに掲載の迷宮シリーズも34巻になりました。医大生・綾小路京と友人の山田一平が、さまざまな事件に巻き込まれ解決していく話・・・だったのですが、京の出生の秘密!とかいろいろな事情が絡んできて、ちょっとシリアスになってきていたのですが・・・今回は5作「迷宮・消えた青い鳥」「麗しの綾小路京さま」「迷宮・正義のぱんだマン」「迷宮・踊る座敷童子」「旅立ち前夜」(書きおろし)「消えた青い鳥」は、大学入学直後、そもそも京と一平が出会った直後の話です。「麗しの綾小路京さま」は、やはり昔の話、一平の妹が田舎から東京に出てきたときの話がメインで、最後に、現在というか4年後に繋がってきます。この間に4年たっている設定ですね。「正義のぱんだマン」は、これは表紙のイラストですね。京がアメリカから帰ってきてからの話。「踊る座敷童子」も、帰ってからの話「旅立ち前夜」は6ページ、九慈左京が出てきます。前巻あたりまで、暗いというか、悪くないのに何故こんな目に遭わなきゃいけないのっっという感じだったのですが、この巻あたりは吹っ切れたというか。アメリカに行っていた4年間というのは空白期間なのですが、ヘアスタイルも変わって明るくなった感じがします。【本日の言葉】「座敷童子は子供の神様だ。よってたかって一人をいじめる子供と遊びたいなんて思うわけないだろう」
2007.02.25
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コバルト文庫の瀬川貴次さんの新シリーズです。修行僧の松樹(ソンシュ)と旅する少女・芦笙(ルーシェン)。病を運ぶ妖魅がはびこる街・銀月(インユエ)で黒衣の少年・貴琅(グイラン)と出会う…。中華ファンタジーということで、中国風なのですが、何しろ名前の読み方がこんなもので、読むスピードがつい遅くなってしまいます。なにしろ「銀月」と書いてあれば、「ぎんげつ」とぱっと読むのに、「インユエ」ですから・・・これって中国語の発音なのでしょうか、それともオリジナル??ルーシェンは14歳の女の子、修行僧のソンシュに拾われ一緒に旅をしている。しかし、修行僧が女連れというと寺に泊めてもらえなかったりいろいろ差し障りがあるため、男の子の格好をしている。インユエの街で、知り合いの寺にやっかいになることになった二人だが、この街ではやっている熱病は妖魅が運んでいる。病魔退散の祈祷をする老師の護衛について行った2人だが・・・この巻は、タイトルのとおり出会いがあります。しかも謎の老婆から「よくないね。お嬢ちゃん、この男とはけして出逢ってはいけないよ」と言われた直後に出逢った男と、さらに再会することになります。新シリーズということもあり、それぞれ謎を抱えた人物同士さてどうなるのか。ところで、これを読み終わったときの印象として、あ、どろろに似ている・・と思ってしまいました。わたしは映画の「どろろ」は見ていないのですが、昔のアニメの「どろろ」は見ていたもので、そっちの印象なんですけどね。つまり、どろろは魔神に身体を48カ所(だったっけ)を取られた少年が、それを取り返すために魔物退治をしており、そこに一見男の子に見える女の子が絡んでくる・・・という話と考えると、その点で。ちなみにわたしは映画の実写版「どろろ」って、たぶんアニメやマンガとは別物と考えなくてはいけないんだろうなと思っています。つまり、どろろの配役が大人の女優さんだという時点で、アニメのイメージとは違ってしまう。細かいストーリーがどう似ていても、この最初のイメージの時点で「別物」になってしまうじゃないかと。【本日の言葉】p138「まるでお父さんだな。まだ若いのに」アニメ「どろろと百鬼丸」最終回「最後の妖怪」から最後の場面
2007.02.25
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13年ぶり(?)の4巻・・・だそうです。てっきり全3巻だと思っていました。「名探偵コナン」シリーズで出てくる怪盗キッドが主人公のシリーズで、今回4巻には、以前アニメのコナンの2時間ドラマ(2001年1月)の「集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド」の一部として出てきた時計台の話が出てきます。それにしても主人公の黒羽快斗(怪盗キッド)が工藤新一とそっくりなのはともかくも、ガールフレンド?の青子ちゃん、青子ちゃんのお父さん中森警部と、コナンを連想させるような顔の人たちばかり(^^;)白いシルクハットにマント、片眼鏡・・・と動きにくいことこの上ないというスタイルですけど、正統派ルパンの少年版って感じで楽しいですね。相変わらず警部はボケ役ですが。ちなみに今回コナン&キッドキャンペーンということで、コミックスと週刊少年サンデーの対象号の応募券でコナン又はキッドマーク入りiPodnanoが抽選で当たる・・・そうです。3月末までの号でキッド、コナンは4月から。コミックスは買うけど雑誌は買っていないんだけど・・・。【本日の言葉】いや…彼は盗んでいきましたよ…この子のために…悪夢(しんじつ)をね…
2007.02.24
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日帰りで河津町まで河津桜を見に行きました。昨日思い立ったので、行きの特急(踊り子)は指定席をとれたのですが、帰りはもう全席満員と言われ、結局、普通で帰ってきました。桜は川沿いはまだ2~3分程度が多かったのですが、中にはけっこう咲いていた桜もちらほら。見頃はもう少し先ではないかと思いますが、この程度の方がそんなに混んでいなくていいかな。原木は7分咲ぐらいで、見頃でした。
2007.02.12
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キャラ文庫「王朝ロマンセ」シリーズ完結記念全員サービス小冊子です。「王朝ロマンセ」シリーズ外伝3作完結編で、千寿丸が親王位を授けられ、長岡親王と呼ばれることになったその少し後の話です。「月下美男」 完結編で早良親王の怨霊の瘴気にあてられ体調を崩した業平のところに、一切怨霊も亡霊も見えなかった国経が見舞いに訪れます。「華燭花笑」 長岡親王(千寿丸)と太夫になった藤原諸兄の話で、長岡宮の花見の宴です。「双龍玉を得る」篁様のところの双子の童子、瑠璃と延珠が陰陽師安部祁巳(きし)のところに預けられた話です。いずれも、あれからどうなった・・・という感じで、双子についてはちょっと意外だったのですけれども、千寿丸と諸兄、業平と国経の消息が知れておもわずにやっという感じです。【本日の言葉】「双龍玉を得る」p82 「で、俺たちが古今最強だと?」
2007.02.09
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中央公論社C・NOVELSファンタジアの新刊です。帯のあおり文句が「奴隷となったおれを買ったのは、冷酷で名高い灰色の女王」ここは皇血族(ブラッド)とそうでない者のいる世界。そして皇血族は、その持っている玉の色で本人の能力の序列がわかり、女王を頂点とする皇血族としての序列と必ずしも一致しない。「女王」は国の支配者という訳ではなく、大地と交流しその土地の統治権を持っている魔女という意味なので、その単位によって郡女王や州女王などの下級女王と、領国女王などに分かれる。女王の下は、「煌戦士」、「黒寡婦」、「祭女」「癒し手」(同格)、「魔女」「戦士」となる。これより下は「玉なし」「混血」「非皇血族」となる。玉は、ここは魔女が最高位のためか、最高は黒、最下位の白まで13色。黒、灰黒、灰色、紅、藍、翠、虹、夕紫、夏空、薔薇、虎目、黄、白(現在、上位3色を持つ者はほとんどいない)主人公のジャレッドは紅玉持ちの戦士でありながら、制御の輪をはめられ奴隷にされてしまい、さらに女主人殺しの罪により、奴隷市で競売にかけられ、冷酷無比として名高い「灰色の女王」グリゼルに買われてしまう。気の強い壊れた魔女、世知にたけた少年など一筋縄ではいかない奴隷ばかり買い込んだ女王は、領国へと向かう。しかし、灰色の女王を亡き者にしようと「紅玉の魔女」ドロテアの魔手が襲いかかる・・・・・不思議な序列の世界と、灰色の女王の不可解な行動、おもわず一気読みでした。ストーリーは、こんな感じなのですが、気になったのは、ジャレットと女王がチェスをするシーンがあったのですが、なにかこのストーリー自体がチェスみたいな気がしました。チェスの世界といえば「鏡の国のアリス」がそうなのですけど。ただチェスでどうも発想の違いを感じるのが女王の扱いです。将棋とチェスを比べると王は大して変わらないのですが、チェスにある女王が将棋にはありません。飛車と角の両者を併せ持つ行動力なのですが、それがなぜ「女王」なのか。女王は温存しておくのか、もっとも強いが故に最前線に向かわせるのか。【本日の言葉】p132「使い捨ての駒などというものはない」
2007.02.08
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グインサーガ112巻発売です。マンガ版の1巻も出たので、そちらも画像リンクを貼っておきます。本編はもはや112巻ということもあり、1巻の内容は細かいところは忘れていたのですけれども、マンガを見るとだんだん思い出して来ました。絵の印象が頭の中のイメージと違うのでちょっと違和感ありなんですけど、いまに慣れるかな。本編はグイン・サーガ112「闘王」発売です。今回もまだ、タイスに足止めされているグイン一行です。いろいろ脱出の画策はするのですが・・・それにしても、相変わらずマリウスは・・・すごいです。しっかりとタイス伯爵をたらしこんでいます。パロの王子様ともあろうお方が、こんなになっちゃって(^^;)表紙は、スイランとスーティ。スーティは2歳半にしては4歳ぐらいに見えるということですけど、やけに大きいような。身体はともかくも、もっとお兄ちゃんの顔なんですけどね。今年はグインサーガは8冊刊行予定で、次巻は4月発売予定だそうです。【本日の言葉】p269 「船乗りの教え。それはどんなものだ」 「来る波に乗り、きた風をつかまえろというんです。逆に波にさからい、風にさからって進もうとしても船はやられるばかりだからって。ー」
2007.02.07
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流血女神伝、今回の「喪の女王」も話が長くなって来ました。5巻目です。今回は、カリエはユリ・スカナの新女王ネフィシカに幽閉されています。そしてカリエの娘セーディラとエドも手に入れ、ザカールの民を引きつけようとしています。望むと望まざるにかかわらず、ユリ・スカナとエティカヤとの政治の道具にされようとしています。今回一番気になったのは、出番が少しだったけれどもルドヴィア皇帝ドーン。理想を抱いて改革に乗り出したドーンも貴族と民衆と両方の反感を帯びて追い詰められています。毎年伝染病で大量の死者を出す原因として、首都の衛生環境が極端に悪いことに気がつき、上水と下水の分離を図るため下水道敷設工事を始めるドーン。そのためには宮廷の歳費を削り、貴族の不評を買いながらも、工事を続ける。しかし、過酷な作業と地方からの人口流入による労働力過剰などで民衆の不満は募り、工事の目的さえも理解できない民衆は、「意味のない」な大工事を行う皇帝を憎みだす・・・たまたまミューカレウス皇子を襲撃したことで、話をすることになったトイルは、皇子と直接話をしたことで工事の意味を初めて知ります。【今日の言葉】p123「なんていうのかなあ…俺らだって、はじめっから丁寧に話してくれりゃあわかるんだ。いくら学がなくてもな。ただあんたらはいつも、説明が足りない」ここに関してはちょっと異議ありって感じでした。たまたまトイルには説明できた。彼も理解できた。しかし、何百人、何千人、もしかして何万人に一対一で説明できるはずもない。字が読めなければ、なおさら。説明して回るには説明する人の教育と時間と資金が必要。民主主義が育つには、一定レベルの教育が必要なんだと思います。説明が必要なのは民主主義国家、この場合「帝国」なので、そもそもそんな発想はないのでは?不気味なのが皇帝のブレーンで平民出身のロイ。彼は確信犯で皇帝ドーンを人身御供として帝室を滅ぼし、民衆の政権を作るつもりなんじゃないかと思います。皇帝の改革は痛みを伴う。民衆が我慢できなくなるまで改革を進めさせ、皇帝に暴君の汚名を付けて帝国を滅ぼすとともにその頃には出来ているであろう下水道設備などの成果については、次の政権で利用するつもりじゃないかと。皇帝ドミトリアスはいい人なんですけどね、理想を追いすぎて統治者には向かないかもしれない。今後が心配です。
2007.02.05
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