あめりの小部屋

November 26, 2005
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連日分娩誘発をしていた初産婦さん。
PGで反応いまいち、アトニンでも反応いまいち。
とそんなわけで進まないお産だった。

胎児の推定体重はかなり大きめ。
明らかなHFDだった。
きっと頭もさぞかし大きいのだろうなぁというお腹。

3回目の誘発が始まって。
やっと陣痛がのってきた。
でも弱い・・・原発性微弱陣痛。



でもお母さんは頑張った。
赤ちゃんも大きな頭や体をゆっくりゆっくりではあるけど出口へ向かっておりようと頑張っていた。
子宮筋も頑張った。


ようやく進んできた内診所見。
OS7~8cm、eff80%、St±0、前方、軟。回旋は横径。
このままお産になると誰もが思った。もちろん私も、産婦さん自身も。

でもここから全く進まなかった。
2時間経っても3時間経っても5時間経っても。

陣痛はちゃんと2-3分おきできてはいる、確かに弱めではあるけれども。
赤ちゃんの頭はそれ以上おりてくることはなかった。
心音はvariable decが出てきていた。こんなにおりてこないのは巻絡(首にへそがまいていること)がひどいのか、へそが短いのか。


赤ちゃんもどうにも回りきれなかったのだろうか。

産婦さんも限界だった。
「もう帝王切開でも、引っ張ってでも押してでもなんでもいいです、早くお産にしたい」
「もう頑張れない・・・限界です」
と涙ながらに訴えた。



そして緊急帝王切開が決まった。
アトニンの入った点滴をオフにしてオペ用の補液に切り替えたとき、産婦さんは涙した。
「帝王切開だけど、私ここまで頑張ったから許してくれるかな、赤ちゃんも」




赤ちゃんもここまでよく頑張ったと思う。
帝王切開だってなんだって赤ちゃんは早くお母さんに会いたい気持ちでいっぱいだと思うよ。だからそんなこと言わないで・・・


「そうかな。そうなら嬉しいなぁ。」

そしてオペ室へ。なんだか産婦さんの顔は明るかった。


大きな赤ちゃんは切開創からもなかなか出てこなかった。
出てきた時の状態はけしていいとは言えなかった。
相当量の胎便の混じった羊水がひけてきた。
MASにならなきゃいいけど・・・

でもなんとか泣いた。
体の色もよくなった。

そしてお母さんと対面。
涙をながしながら「よかった、ほんとうによかった。」と。

頑張りすぎるくらい頑張った産婦さん。
いいお産だったのかな、と疑問が残ります。
もっと早くにあの陣痛の辛さを取り除いて上げられなかったのか。
ずつと誘発を続けていたことは無駄ではなかったのか。
もっと早く、Drに帝王切開をするべきかどうか言えなかったのか。

疑問や後悔はたくさん残ってる。
今でも時々考える。
もっと色々できたんじゃないかって。

やっぱりお産って難しい。一筋縄ではいかない。
でもそれが醍醐味なのかも。







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Last updated  November 26, 2005 09:56:41 PM
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