ARCO IRIS

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2006年02月12日
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(今回はちょっと固めの内容です。あしからず。

今から1ヶ月ほど前になりますが、去る1月22日ボリビア新大統領の就任式が行われました。

新大統領誕生までの経緯を少しおさらいすると。
昨年6月、反政府市民団体によるデモや暴動が活発化。それを抑えようとした警察との間で衝突が起こり、カルロス・メサ前大統領が辞任。(ここまでの内容は6月の日記にも書いているので参考に読んでみてくださいな。)
その後の暫定政権を経て、去年12月18日に正式な大統領選挙が実施されたわけです(副大統領、知事、国会議員選挙も同日投開票)。
大統領選挙立候補者は7名いたのですが、実際は、支持率上位2名の一騎打ち。
一人は、先住民出身・反米左派のエボ・モラレス氏。
もう一人は、保守系・親米のホルヘ・トゥト・キロガ氏(大統領経験者)。

ボリビアの選挙は、国民による直接投票。大統領が決まるまでは、、

2.選挙でどの候補者も過半数の得票を得られなかった場合→上位2名を対象に、国会で決選投票。
という流れです。

選挙前の予想は、「エボ・モラレスが首位を走ってるけど、支持率は30%台。もちろん過半数には達しないでしょ」。
だったのですが・・・。ふたを開けてみると、エボ・モラレス氏が51%の得票で、「あらららっ?」という間に大統領に決まってしまいました。あっさり。

で。このエボ・モラレス氏。どんな人かと言うと。

1.反米左派「社会主義運動党(MAS)」の党首で、ブッシュ米大統領と対立するキューバのフィデル・カストロ国家評議会議長や、ベネズエラのチャベス大統領と親交が深い。

2.米国が南米各国で主導している「新自由主義経済」を批判。「新自由主義経済」によって、外国企業がボリビア国営企業を次々と民営化。これにより、例えば、ボリビアの豊富な天然ガスは外国企業に利権の多くを握られ、ボリビア国民には恩恵が還元されていない、という状況。以前にもまして貧富の差が拡大し続けている。

3.先住民アイマラ族系の貧しい農牧民の出身で、家が貧しく中学3年までしか通えなかった。→ 先住民を中心とした貧困問題の解決を訴えている。

4.コカインの原料になるコカ栽培農家団体の代表。→米国政府がボリビア国内で行おうとしているコカ栽培規制策に反発。約20年前にはコカ葉合法化推進を求める運動で、機関銃を手に居並ぶ国軍兵に素手で詰め寄ったこともあるとか。
※コカは先住民の間で昔からたしなまれてきた日常嗜好品。(5月31日の日記参照)。

強烈な反米主義&コカ栽培推進者ということで、キューバのカストロ議長、ベネズエラのチャベス大統領に加え、ボリビアのエボ・モラレス大統領誕生で、米国にとっては「南米に新たな頭痛の種が増えた」と考えられているらしいです。


それから。エボ・モラレス氏は今まで下院議員だったのですが、これまで反政府運動の一環としてボリビア各地で「ブロケオ」と呼ばれる幹線道路の封鎖を頻繁に起こしてきた人。「エボといえばブロケオ、ブロケオといえばエボ」というくらい。ボリビアは鉄道が未発達なので、国内移動手段はほとんどバス。ブロケオがあると国内移動が全くできなくなるのです。何度ブロケオに泣かされたことか・・・。
でもモラレス氏が大統領になったことで、今後はブロケオが各段に減るのかな?

次回は、大統領就任式前日に行われた「祝いの儀式」の様子をお伝えします。

             エボ・モラレス新大統領(エンジ色セーター)とキューバのカストロ議長





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最終更新日  2006年02月23日 09時35分45秒


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