全2件 (2件中 1-2件目)
1
易しく軽いタッチの文章だから、どんどん読み進んでしまいます。でも、人生の悲哀も織り交ぜながら、ホッとする物語でした。主人公・大森祥子は、娘を夫に託し離婚した30代の女性。彼女は「見守り屋」という仕事で何とか暮していた。「見守り屋」とは、夜から朝まで人やペットなどを寝ないで見守る仕事。仕事が終わった時の唯一の贅沢は、夜勤明けに食べるランチとお酒。兎に角、食べ物と飲み物の描写が上手い。肉料理があまり好きでない私でも、食べてみたいと思ってしまう。「見守り屋」で触れ合うワケありの人たちとの交流も暖かなものがあり、祥子の孤独で不器用さが人の心をつかんでしまう。私もランチでビールは飲むけど、日本酒でも飲むの?と驚いたけれど、夜勤明けの疲れを吹き飛ばしたいという心理は何となくわかる。一緒に料理を愉しみ、飲むお酒を愉しみ、人っていいな~というほんわかした気持ちにさせらる「原田ひ香」さんの作品です。ランチ酒 今日もまんぷく [ 原田ひ香 ]
2023.04.22
コメント(0)
原田ひ香さんの本は読みやすいですが、中身が濃厚です。娘・母・祖母の三代の女性の御厨家のお金に対する考え方に、「節約」家族小説と垣谷美雨さんが絶賛しています。就職して一人暮らしを始めた美帆は、預金30万円。姉の真帆は、証券会社に勤めていたが、高校時代の同級生と結婚。小さなアパートで娘一人と三人家族で、預金600万ちょっと。習いごとに熱心で向学心に燃える母の智子は、百万円弱。そして1千万円を貯めた祖母の口癖は、「人は三千円の使いかたで人生がきまる」祖母は、父の母親で美帆の家近くに住んでいた。中学生の時、その言葉を聞いた美帆は驚いた。その祖母が育てた父は、母の智子からみたら「仕事一筋人」で、家事を手伝うという発想も浮かないし、まったくができない。智子が婦人科の手術を受けて10日間ほど入院していたが、一人でタクシーに乗って帰ってきた。娘・30代、母・50代、祖母・70代の3人のお金の使いかたや考え方に自分をなぞらえてみたくなる、愉快で考え込んでしまう内容でした。これも面白いです。↓一橋桐子(76)の犯罪日記 (徳間文庫) [ 原田ひ香 ]彼女の家計簿 [ 原田ひ香 ]我が家の庭から。
2023.03.28
コメント(0)
全2件 (2件中 1-2件目)
1