私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2016年01月08日
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カテゴリ: 千の朝
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 ずっと以前から、人々はアインシュタインの思想を聞いて知っていた。

 原子という物質は、われわれが知っているあらゆるエネルギー、われわれが技術的に処理しうるあらゆるエネルギーに比して、圧倒的に大きいエネルギーを内に含んでいる。

 アインシュタインは質量とエネルギーに関する有名な方程式をうちたてた。

 けれども、われわれはこのエネルギーを原子からひきだすことができなかった。

 そこで、これは実際には何の意味もない思弁であるように見えた。

 こういう意見は、ちょうど、われわれは火山の上に坐っているけれども、この火山は決して爆発しないというのと同じであった。

 まだ第二次世界大戦のさいちゅうであったが、或る有名なドイツの物理学者は、原子爆弾を製造することはできないと推定していた。

 ところが、一方、ヨーロッパからアメリカへ移住した人たちは、もうそれをなしとげてしまっていた。



 しかも、ドイツの物理学者たちはこの第一報を信じなかった。

 けれども、やがて彼らはがくぜんとした。

 それを知ることのできたすべての人も同様であった。

 科学の能力についての誇りは、いまはじまったばかりのこのできごとに対する不安のまえに、屈してしまった。

「哲学の学校」 カール・ヤスパース 河出書房





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最終更新日  2016年01月19日 06時30分01秒
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