私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2016年12月22日
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カテゴリ: 千の朝


 「日本人が森に対して神聖なイメージを持っている」
 ことです。

 世界史を眺めてみると、
 一つの文明が栄えたり人口が増えていった時、
 その国土からは森林が消え、木材が伐採され
 ただけのハゲ山が増えていくのが通例です。

 例えば現在シナに行くと分かりますが、
 森林をどんどん伐採するばかりで植林をしませんから、


 近世におけるイギリスもそうでしたし、
 中近東でもそうでした。

 しかし、なぜか日本だけはハゲ山を作らなかったのです。

 それは多分、日本人が持っている自然観、
 あるいは自然との共存の知恵によるのでしょうが、
 それを「刷り込み」的に原因を考えてみると、
 どうやら鎮守の森の存在にいきつくのです。

 日本では、最も崇めるべき神様のいるところ、
 つまり神社のあるところは、必ず鎮守の森があるのです。

 というより、山があり、森があるようなところには、
 必ずと言っていいほど神社があるのです。


 森を見ればそこに神聖さを感じ、
 それを大切にしていこうという
 無意識の感性が働くのでしょう。

 一方、近代文明の中心勢力であった
 ゲルマン民族はどうかといいますと、

 森の中の大きな木を神木として崇めていましたが、
 キリスト教に改宗してからは自然崇拝の発想から
 自然支配の発想へと変わっていきました。

 ですから、聖なる場所・森は、
 開発すべき場所となっていくのです。

 そのため、ヨーロッパではほとんどの場合、
 森の中の教会という概念は存在しなくなります。

 つまり彼らの中には、
 「森と共存していく」という文明のイメージは
 基本的にはないのです。

 しかし言うまでもなく、
 これからの地球的規模の環境保全の時代には、
 日本人の森林に対する自然崇拝的な「刷り込み」は、
 きわめて大切になっていく特性と言えるでしょう。

「私の人生観、歴史観」 渡部昇一 PHP





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最終更新日  2016年12月22日 07時37分16秒
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