私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年09月08日
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カテゴリ: 千の朝


 アンダーソンの歴史的な分析が画期的なのは、
 資本主義の発達という、
 下部構造のヴェクトルを入れたことにある。

 ご存じのように、十五世紀半ば、ヨーロッパで、
 グーテンベルク印刷機が発明され、
 今まで手で写していた書物が
 機械で印刷できるようになった。

 グーテンベルク印刷機の発明が

 いかに大きな意味をもつに至ったかは周知の事実である。

 だが、アンダーソンいわく、
 たとえ、グーテンベルク印刷機が発明され、
 書物が模械で印刷できるようになっても、
 その印刷された書物が商品となって流通しなくては、
 印刷機の発明が社会を大きく変えることはない。
 (実際、活版印刷機そのものは、
 グーテンベルク印刷機よりもまえに
 中国や朝鮮で発明されている。)

 アンダーソンによれば、
 グーテンベルク印刷機の発明が

 そのときヨーロッパでは
 資本主義がすでに十分に発達しており、
 書物が商品として市場で流通する
 下地ができていたからだという。

 書物が商品として市場で流通することによって、

 それが最終的には
 〈国語〉の成立を可能にしていったのである。

「日本語が亡びるとき」 水村 美苗 筑摩書房





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最終更新日  2017年09月08日 06時52分02秒
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