私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2019年02月07日
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カテゴリ: 千の朝



 にもかかわらず、河合は、昭和十六(一九四一)年二月、
 その出版違反容疑の控訴審を前に、
 「国民に愬(うった)う」(発行差し止めとなる)を記し、
 ここまで欧米との関係が悪化した以上、
 ここから退くことは徹底した敗北を意味する、
 今や進んで戦うのみである、自分のようにこれまで平和を主張した者も、
 「一旦緩急あらば我々は財を捨てて命を抛(なげう)たねばならない」
 と説くに至る。



 が、「男らしく勇敢に起ったもののみが、
 たとえ恐ろしい運命の下に什(たお)れようとも、
 再び起ち上がる気力を持つことが出来る」と述べ、
 敗戦後の再建まで視野に置いて、
 国家が遭遇した運命に立ち向かおうとしたのである。

 おなじく、南原は、真珠湾奇襲の報に接し、
 それが「人間の常識を超え学識を超えておこ」ったことを嘆きつつ、
 「民族は運命共同体といふ学説身にしみてわれら諾(うべな)はむか」
 との歌を残している。

 「身にしみてわれら諾はむか」という表現にもまた、
 河合と同様、悲劇的予感のなかで

 ひそやかな決意がうかがわれる。

 南原は、学徒出陣に際して、
 「国家がいま存亡の関頭に立っているとき、
 個々人の意志がどうであろうとも、
 われわれは国民全体の意志によって行動しなければならない。

 との考えのもと学生たちを送ったという。

「市場と国家」 坂本多加雄 藤原書店





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最終更新日  2019年02月07日 05時10分06秒
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