私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2019年05月23日
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カテゴリ: 千の朝


 国際平和のあり方を最初に考えた
 この偉大な名前が成したことは、
 三十年戦争の戦乱のリアリティそのものから出発していた
 ということを言いたいにすぎない。

 利益のためには、
 自国の欲望を抑え相手国と協定や条約を結ぶ、
 あのきわめて多元的な西洋各国の「国際社会」のルールは、
 東アジアにはまったく存在しないものであった。


 これは正しくしく正義の仮面を被った悪魔の顔でもある。

 しかし表からみれば、
 強権の衣の下に甘い文明の香りを漂わせている
 万国に通じる「道徳的公法」でもある。

 そういう二重性によって特徴づけられるのも、
 このリアリティに発するゆえである。

 われわれには、とかくにこの二重性がよくみえない。

 西洋のありとあらゆる試みが、文明の輝きにだけみえたり、
 またはうかうかして
 戦略と暴力をともに備えた強権の前にたじろぐのみで、
 相手がよくみえないままに

 西洋文化が基本的にこの二面性を抱えていることに
 気がつかないせいである。

 加えて、これがアジアに広がったときに
 歴史的にまったく用意ができていなかったことが問題なのだ。

 すなわち「近代世界システム」という名の多元的構造、

 まず烈しい競争と闘争の直視があって、
 それが生々しく是認され、
 しかるのちに
 よりよく競争し、争闘しあうためのルールが形づくられ、
 これをもって平和の基礎とみなす相互協約の、
 きわめて冷徹で現実的な知性の働きが、
 われわれ東洋人にはとかく欠けていることに、
 大きな問題があるのである。

「国民の歴史」 西尾 幹二 産経新聞社





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最終更新日  2019年05月23日 05時10分06秒
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