巨頭星団クラブ

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2003年03月16日
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油のように水とは親和性のない性質を疎水性と言いますが、無理やり油を水中に均一に分散するためには界面活性剤(いわゆる石鹸なのですが)を用いてエマルジョンを作ります。
界面活性剤分子は片方が親水性、もう片方が疎水性になっていて、油分子の周りを疎水基を内側にして取り囲みます。反対側が親水基ですからこのままで水中に浮遊することが可能になるわけですね。
洗剤の仕組みは衣服などに付いた油汚れを界面活性剤が取り込んで水中に溶け出すように仕向けることで達成されています。

ところでNew Scientistの記事によりますと、実は油はそのままでも水中に分散できるのではないかという、化学者から見ると画期的(あるいは眉唾物)なニュースを報じていました。
オーストラリアのキャンベラにある国立大学の研究者によると、予め水に溶け込んでいる気体を全て取り除くと、油が自然に水に溶けて安定するという俄かには信じ難い実験結果を発表したそうです。
今までの常識を覆すような話ですので、当然他の科学者たちは懐疑的なようですので更なる追試と確認が求められているようです。

フレンチドレッシングなどがいくら振り混ぜても時間が経つとくっきりと層分離することは経験的に皆さんご存知で、当然のことのように思っているかもしれませんが、これは科学者を長い間悩ませている「ロングレンジ疎水性」という性質なのです。つまり油と水がいくら混合しても溶け合わず層分離してしまう現象について明確な説明ができなかったのです。

この研究者はもともと油のような疎水性の物質の研究をしていたのですが、油表面にできる微細な泡に注目しました。そしてこれはひょっとしたら水中に溶け込んでいる気体と関連性があるのではと思った彼は、水と油の混合物を抽気しながら長い時間をかけて凍らせたり、溶かしたりして水に溶けている気体分をほぼ完璧に除去しました。


このことから水中に溶け込んだ気体がロングレンジ疎水性に深い関係があることは確実なようですが詳しいメカニズムを説明できるには至っていません。

いったん水中に分散した油滴の周りには水分子が電離した水酸基が吸着し、これが再び油分子同士が集合することを妨げるように働くのでコロイドのままでいることができるようです。
もしこの技術が確立すれば化学分野、とくに医薬品分野などにとても有用な技術になるに違いありません。

層分離してしまうと言えば、地球上の人間社会でも民族や宗教などの違いから水と油のような関係から脱却できずにいるグループのなんと多いことか。
これを克服するには新たな叡智や思想が必要なのでしょうが、実利的経済原理が最も幅を利かしている現在、それも甚だ困難な状況のように見えます。
少なくとも感覚的に非常に狭くなった地球で、他人の不幸や悲劇はすぐさま自分たちの生活に影響を与える可能性が高いことを考えれば、国境や体制を超えた連帯感を強めることが急務であり、一部の指導層や特権階級の理由だけによる破壊や殺戮には断固反対する意志を表明しつづけなければなりません。

反目しあうグループの負の連鎖を断ち切るためには我々自身が何が必要で、何をしていかなければならないか真剣に考えなければなりません。爆弾が炸裂したり多くの血が流れる以外の方法で。





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最終更新日  2003年03月17日 01時15分22秒
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