巨頭星団クラブ

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2004年07月07日
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先日ご紹介したカッシーニ土星探査船は、土星の周回軌道に落ち着き、新たな調査段階に入りました。
タイタンについての調査報告 です。
カッシーニが送信してきたタイタンの写真は、どうやらこれまで科学者が想像していた姿とはかなり異なるものであることを示唆しているようです。

カッシーニはタイタンまで34万キロメートル(月と地球の距離より少し短い)にまで迫り、タイタンの表面を仔細に観察することができました。
タイタンはメタンの雲に包まれ、地質学的特徴や隕石の衝突によると思われる火口群などを含む、しみだらけの表面を持っていることが明らかになりました。

これまでの低解像度による写真イメージでは、明暗の模様を持つ表面の構成は、明るい部分はアイスケーキであり、暗い部分は炭化水素で出来ていると考えられていましたが、今回の探査機による写真はその仮定を覆すものと言えます。
カッシニのVIMS装置によるタイタンの表面反射光の赤外線分析では、明るい部分は炭化水素に富み、暗い部分は比較的純粋な氷であることが判明しました。キサナドゥ(桃源郷)と呼ばれていた巨大な明るい地域はこれまで考えられていた氷の山脈などではなく、粘稠な平原、おそらくはメタンの海である可能性さえあるようです。

技術的には、タイタンを包むオレンジ色のもやを透かして表面を捉えるべく、偏光フィルターと特定波長透過用フィルターの2種類のフィルターを駆使し、ベールに包まれたタイタンの写真を撮影することに成功したのです。

今はたまたまタイタンでは南極の夏にあたり、これがメタンの雲が南極にのみ観測されたことを説明できる手がかりであるようです。つまり、微弱な太陽光といえどメタンを蒸発させるには十分なエネルギーを与えることが出来るからです。

写真の一部を見ると表面にはっきりとしたH字型の地形が見られますが、これに関してはタイタン内部の何らかの地形活動に起因するのではないかと見る向きが多いようです。
ちょっとミステリアスですね。いろいろSFチックなアイデアが浮かびそうです。
ちなにみH鋼の柱が立っていたとか・・。(悪のりですね)惑星学者たちはこれについてはまだそれが何であるか皆目見当がつかないのが実状です。
数日前にはH型の地形の写真が公開されていたのですが、なぜか今は掲載されていません。何か差し障りがあったのでしょうか?

いろいろと謎がまだ残る写真ですが、カッシーニはこの後まだいくらでも接近する機会があり、10月26日には1200kmの至近距離まで近づきます。ここまで近ければ驚くほどの詳細な映像が撮影されるでしょうし、3Dマップを作れるほどのデータが得られることを期待しましょう。きっと猛烈な大気の風によるメタンの湖の逆巻く大波が捉えられかもしれません。

ベールに包まれた星を、科学の力によって強引にその素顔を覗くと言うのは、見方によっては無粋なことかもしれませんんが、科学者にとっては無上の喜びで興奮に胸が打ち震える出来事なのですね。それでもなお、宇宙や太陽系には謎が無数にあるのです。





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最終更新日  2004年07月07日 20時15分48秒
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