2026/08/30
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カテゴリ: 記事
iPhone参入前夜、PixelとGalaxyから見えた「次世代折りたたみスマホ」の条件


アップルが毎年秋に開催する新製品発表会で、初めての折りたたみスタイルのiPhoneを発表するのではないかと、様々な予想が飛び交っている。実現すれば、これまで一部の先進的なユーザーに限られていた折りたたみスマートフォンがより広く注目を集める契機になりそうだ。

先行するサムスンは、2019年の初代Galaxy Foldから7年間にわたって製品を進化させてきた。2026年にはGalaxy Z Fold8 Ultra、コンパクトなGalaxy Z Fold8、Galaxy Z Flip8という3機種を同時に展開する。

一方、グーグルは8月20日、第4世代となるGoogle Pixel 11 Pro Foldを発売した。筆者は最新のPixelとGalaxyを実際に試しながら、薄さと軽さ、先回りするAI、大画面でのマルチタスクという3つの観点から折りたたみの現在地を確認した。


薄さと軽さではGalaxyが先を走る

Pixel 11 Pro Foldと直接比較しやすいのは、同じ約8インチのメインディスプレイを搭載するGalaxy Z Fold8 Ultraだ。

互いのサイズを比べてみると、Pixelは縦方向がわずかに短く、横幅は広い。手に持って最初に効いてくるのは質量の違いだ。Pixelの約239gに対し、Galaxyは約215g。本体を開くとPixelは背面カメラ側にやや重心が偏る感覚もある。Galaxyは重量の配分がよく、ヒンジの動きも滑らかだ。

閉じた状態の厚さはPixelが10.1mm、Galaxyが8.9mm。Pixelも前世代から約19g軽くなり、十分に軽快に扱える。それでも、一般的なバータイプのスマホに近い薄さを実現したGalaxyを並べるとサムスンの設計力が際立つ。

内側ディスプレイの折り目もGalaxyの方が目立ちにくい。サムスンは新しい「Flex Titanium」構造により、ヒンジ部分の強度を高めるだけでなく、谷折り部分の沈み込みを抑えた。日常的な開閉を繰り返した後の状態は短期試用では判断できないが、新品時の見た目と指で触れた感触には明確な差がある。

PixelはIP68準拠の防塵・防水性能を備え、純正カバーもヒンジの背面まで保護するなど、堅牢性への配慮が強い。一方、薄さ、軽さ、開閉の心地よさという日々の使い勝手に響く部分ではGalaxyに一日の長を感じた。

さらにサムスンには、約201gのGalaxy Z Fold8という選択肢もある。閉じれば片手で扱いやすく、ポケットにも収まりがよい。電車内で電子書籍や動画を長時間楽しむと、わずかな軽さが大きな体感の違いになる。サムスンの強みは単体の完成度だけでなく、異なるフォームファクターの折りたたみを選べることにもある。


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「先回りするAI」はともに発展途上

Pixelの「情報カード」と、Galaxyの「Now Nudge」も試した。概要を説明すると、どちらもAndroid標準のメッセージアプリで会話に含まれる日時や場所を認識させて、GoogleカレンダーやGoogleマップへ「先回り」しながら橋渡しする機能だ。

カードが正しく表示されれば、次に必要なアプリへ素速く移れる。Galaxyのほうが画面遷移はスムーズに感じたが、基本的な手順と得られる結果には大きな違いがなかった。

むしろ気になったのは、PixelとGalaxyのどちらも会話に含まれる情報を常に正しく拾えるわけではないことだ。期待したカードが出ない場合もあり、先回りの精度はまだ安定しているとまでは言えない。

グーグルはAndroidやGeminiを開発する立場だが、現時点でPixelに特別な優位があるとは感じなかった。GalaxyもGeminiを利用できるうえ、サムスン独自のAIとOne UIを組み合わせながらPixelに追いつき、追い越すほどの意気込みで「AIスマホの体験」を高めている。両社が掲げる「先回りするAI」の構想には期待できるが、いまはまだその便利さを磨いている段階にある。


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マルチタスクUIの操作性に差

最も明確な差が表れたのはマルチタスクだ。Galaxy Z Fold8 Ultraは、メインディスプレイに最大3つのアプリを分割表示し、さらにポップアップウィンドウを重ねられる。

分割領域のサイズを柔軟に変更できるほか、ポップアップも位置と大きさを自由に調整できる。ポップアップから分割表示への移行も滑らかで、8インチという限られた画面を小さなPCのデスクトップのように使える。

Pixel 11 Pro Foldも画面分割や、Android 17の「バブル」に対応する。ただし、フローティングウィンドウを自在に配置できるGalaxyと比べると使い方の自由度には差がある。

YouTubeや電子書籍アプリを立ち上げたまま、表示を外側の画面から内側へ引き継ぐ動作はどちらも滑らかだった。反対に内側から外側の方向へ、本体を閉じた後もカバー画面で続きを楽しむこともできる。表示の切り替えはGalaxyのほうがわずかに速く感じられたが、両機とも「必要なときだけ開く」という折りたたみの基本体験はよく仕上がっている。


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折りたたみなPixelの存在理由を強く打ち出せるか

実機を比べながら試用すると、サムスンが折りたたみスマートフォンの展開を始めてから7年間、ユーザーの声と真剣に向き合って得たものの蓄積が見えてくる。薄型軽量化や折り目の改善だけでなく、独自のユーザーインターフェースであるOne UIも折りたたみ特有のニーズに対して丁寧に応えている。

さらに2026年のサムスンは、大画面で生産性を追求するGalaxy Z Fold8 Ultra、小型・軽量でコンテンツを楽しみやすいGalaxy Z Fold8、コンパクトに折りたためるGalaxy Z Flip8という、性格の異なる3つのモデルを同時に揃えた。いつも通り、淡々と折りたたみの新製品を市場に投入するのではなく、用途や好みに応じて選べるひとつの製品カテゴリーを形成したことが、先駆者としての圧倒的な存在感につながっている。

対するPixel 11 Pro FoldはIP68の防塵・防水性能を備え、Google Storeの販売価格が税込27万9900円からと、サムスンが直販店で販売するGalaxy Z Fold8 Ultraの税込29万6780円からという価格よりも少し安い。それでも、一般のユーザーに「折りたたみなPixel」を積極的に推す理由にはなりにくい。

もっとも、スマートフォンは発売時点で完成しているデバイスではない。特にPixelとGalaxyは、今後のソフトウェアアップデートを通じて、AI関連の機能やサービスをさらに充実させていくだろう。グーグルにとって、ほかのAndroidパートナーに配慮しながら「PixelだけのAI機能」を増やすことは容易ではないかもしれない。それでも11 Pro Foldのような個性的なハードウェアと密接に結びついた「固有の体験」として磨き上げるのであれば、十分に筋が通る。

今年、アップルが本当に参入するならば、競争の焦点はもはや「きれいに折りたためる」のは当たり前のことで、その先にユーザーが高価な端末代金を支払ってでも「開きたくなる用途」を提案できるかというステージに移るだろう。Galaxyが3つの選択肢で市場を広げる中で、グーグルはいまこそ「折りたためるPixelの存在理由」を、Gemini連携の強化などのアプローチを通じてより堂々と掲げる必要があるだろう。



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Last updated  2026/08/30 05:49:57 PM
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