音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2017年07月22日
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テーマ: 洋楽(3310)
ザ・バンドの“最終作”の真価


 1968年に 『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』 でデビューしたザ・バンド(The Band)は、着実にキャリアと人気を積み重ねていった。しかし、1976年、ベスト盤を出し、さらには実質的な“解散コンサート”を行った(『ザ・ラスト・ワルツ』として1978年に映画およびサントラ化された)。つまり、バンドとしての終止符をいったん打ってしまったような状態の中で、1977年にリリースされたのが本盤『アイランド(Islands)』であった。

 契約上必要という理由でリリースした作品と言われ、メンバーのロビー・ロバートソンはザ・フーの『オッズ・アンド・ソッズ』(1974年発表の未発表音源集)を引き合いに出している。確かに、アルバム全体の統一感があるとは言い難く、楽曲によってトーンが異なる。大きくは1.「優しい雨のように(ライト・アズ・レイン)」に代表されるリラックスムードの(あまり凝った音にはなっておらず、さらりと聴きやすいタイプの)曲が中心である。とはいえ、本作品は、内容的に単なるアウトテイク集以上のレベルにあるように思う。

 最大の争点になりそうなのは、泥臭さが少なくて、耳触りのよい仕上がりになっている曲が多い点である(この特徴は前作の 『南十字星』 にもいくぶん共通するだろう)。その要因としては、制作時間の短さが大きいとされる。タイトル曲の6.「アイランド」(それにしても、アルバム表題もこの曲も本来は複数形の“アイランズ”なのに、日本語では“アイランド”で通り続けているのはなぜだろう…)に至っては、ロバートソンが詞をつけるはずだったのが間に合わずにインスト曲として収録されたという、嘘か真かと思うエピソードもあるらしい。

 他にいくつか注目曲に触れておきたい。4.「胸にあふれる想い(エイント・ザット・ア・ロット・オブ・ラヴ)」は、リヴォン・ヘルム好きとしては外せない、彼がリード・ヴォーカルを務めるナンバー。元は1966年のホーマー・バンクスの曲で、後世にはシンプリー・レッドもカバーしている(1999年の『ラブ・アンド・ザ・ロシアン・ウィンター』に収録)。5. 「今宵はクリスマス(クリスマス・マスト・ビー・トゥナイト)」 は、以前にこのブログでも取り上げているクリスマスを題材にしたナンバー。それから、しばしば注目を浴びるのは、8.「わが心のジョージア(ジョージア・オン・マイ・マインド)」。レイ・チャールズでよく知られるナンバーだけれど、リチャード・マニュエルの歌唱は絶品で、短い収録時間の曲だけれど、本盤を聴く上で絶対に外せない。


[収録曲]


2. Street Walker
3. Let the Night Fall
4. Ain't That a Lot of Love
5. Christmas Must Be Tonight
6. Islands
7. The Saga of Pepote Rouge
8. Georgia on My Mind
9. Knockin' Lost John
10. Livin' in a Dream

1977年リリース。




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アイランド +2 [ ザ・バンド ]




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Last updated  2017年07月22日 12時52分36秒
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