音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2017年09月16日
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テーマ: 洋楽(3310)
80年代唯一のアル・クーパー盤


 アル・クーパー(Al Kooper)という人は、日本では比較的評価されていると言われるが、それにしても本当に過小評価され過ぎてしまっているアーティストだと思う。その理由は、何と言っても“中途半端にソロ・アーティスト”として認知されてしまっているからではないかと気がする。1980年代で唯一、彼名義でリリースされた本盤『チャンピオンシップ・レスリング(Championship Wrestling)』は、そのことをよく説明してくれる盤でもある。

 1982年に出された本作は8枚目の作品で、前作のリリースからは6年ものブランクがあった。通常、こうしたブランクがあれば“復活盤”とか言われてしまう。けれども、実際に本盤を聴いてみれば、アル・クーパー自身がそれほど前面に出ていない(例えば本人がヴォーカルを担当しているのは、1.と6.の2曲しかない、など)、とがっかりする人もいることだろう。

 そこで、“がっかりな盤”とか“期待外れ”と言ってしまうのではなくて、もう少しアル・クーパーという人を考え直してみたほうがいいのだろう。果たして確固たるアーティスト、アル・クーパーというものがあって、それが何年かぶりに復活という発想がよくなかったのではないかと思って見たりする。スーパー・セッションの企画( 参考過去記事 )しかり、ブラッド・スウェット&ティアーズ( 参考過去記事 )しかり、アル・クーパーという人物は、必ずしも単独アーティストとしての活動に収まらない。良くも悪くも、この人は“マルチさ”を持っていたことがよく理解できるのが本盤だというのが、筆者の印象である。人脈しかり、作風しかり、何だか通常の一人の単独アーティストという発想とは違う感覚でアルバム作りができる人なのだろう。そんなわけで、ふつうの個人作品という感覚よりは、“指揮者”という感覚でもって聴く方がしっくりくるかもしれない。実際、アルバムのジャケにはゲストの名がずらりと並んでいる。

 結局、この後、ソロ名義作はまた10年以上のブランクを作ることになった(90年代に1枚、00年代に2枚を発表することになる)。どうもよくわからないのは、プロレス的なタイトル(自作インスト3.と関係するのだろうけれど)とそれに付随するジャケ写(裏ジャケもプロレス興行のポスター風)、さらにプロデューサーを“レフリー”と表記したりしているこのコンセプト。本人の中でプロレスがブームだったのか…。そういう意味では、“指揮者”ではなく、アル・クーパーは“プロモーター”だったということなのだろうか。


[収録曲]

1. I Wish You Would

3. Wrestle With This
4. Lost Control
5. I’d Rather Be An Old Mans Sweetheart (Than A Young Mans Fool)
6. The Heart Is A Lonely Hunter
7. Bandstand
8. Finders Keepers
9. Snowblind

1982年リリース。




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チャンピオンシップ・レスリング [ アル・クーパー ]




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Last updated  2017年09月16日 22時45分29秒
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