アナ・ベレン(Ana Belén)とビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)は長年デュオを組み、時にはそれぞれ別に活動し、時には寄り添って活動してきた。そんな2人の軌跡がぎっしり詰まっていて、なおかつその交友関係と活動の幅を感じさせる名盤がこの『ムチョ・マス・ケ・ドス(Mucho más que dos)』というライヴ・アルバムである。タイトルは、日本語に訳しにくいのだけれど、“2人よりもずっと多い”といった意味合いで、つまりは、2人の存在は前提としながらも、それ以外の多彩なゲストの共演や力添えといったものを表現していると思われる。