音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2018年10月24日
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テーマ: 洋楽(3311)
才能いっぱいの滋味に溢れた遺作


 グラム・パーソンズ(Gram Parsons)は、1946年フロリダ生まれのミュージシャンで、ザ・バーズやフライング・ブリトー・ブラザーズなどでの活躍で知られる。インターナショナル・サブマリン・バンドで活動していた彼は、ザ・バーズに加入し、1968年発表のアルバム 『ロデオの恋人』 を制作したものの、このアルバム発売を待たずしてザ・バーズを脱退した。クリス・ヒルマンとともにフライング・ブリトー・ブラザーズを結成し、数年間このバンドで活動する( 参考過去記事 )が、1973年からはソロに転向した。1973年初頭にソロ作を発表し、同年夏にはセカンド作となる本盤を吹き込んだものの、9月に急死してしまう。原因はドラッグの過剰摂取だった。彼の死後、翌1974年になってこのセカンド作『グリーヴァス・エンジェル(Grievous Angel)』がリリースされた。

 結果的に遺作となってしまったとはいえ、ここでキャリアが止まってしまったのが本当にもったいなかったと感じさせる盤である。カントリーとロックの融合というのは、このグラム・パーソンズがずっと追求したテーマだった。本盤の彼の演奏と歌は自信に満ちているように思える。期せずしてこれが遺作となったが、これがこの時点での本人にとっての一つの“完成形”であったのは確かだろう(でも、くどいようだが、その続きを個人的には聴きたかった)。

 本盤の特徴となっているのは、エミルー・ハリスとのハーモニー。パーソンズの1歳年下のハリスは録音当時まだ26歳だったが、2人のヴォーカルは、貫禄とは言わないまでも、落ち着きと自信に満ちている。そして、その自信の背景には、カントリーを志向したロックへの確信があったということなのだろう。その意味では、1.「リターン・オブ・ザ・グリーヴァス・エンジェル」や9.「イン・マイ・アワー・オブ・ダークネス」なんかは聴き逃がせない。それから、個人的に気に入っているのは、4.「ブラス・ボタンズ」や5.「$1000のウェディング」といった、いわゆる美曲系のナンバー。同じく有名バラード曲の7.「ラヴ・ハーツ」も独自色がうまく出ていて面白い。豊かな才能がとっ散らかることなく完成された形で収められた盤、だからこそ味わい深いものに仕上がっているというのが本盤の全体的な印象で、エミルー・ハリスのヴォーカルを含めて実に滋味に溢れたパフォーマンスだと思う。


[収録曲]

1. Return of the Grievous Angel
2. Hearts on Fire

4. Brass Buttons
5. $1000 Wedding
6. Medley Live from Northern Quebec: Cash on the Barrelhead / Hickory Wind
7. Love Hurts
8. Ooh Las Vegas
9. In My Hour of Darkness

1974年リリース。




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グリーヴァス・エンジェル / グラム・パーソンズ





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Last updated  2018年10月24日 21時40分29秒
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