音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2019年06月25日
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テーマ: 洋楽(3405)
賛否両論あれども、結局はサンタナらしい1枚


 サンタナ(Santana)が1978年に発表した第10作となるアルバムが、この『太陽の秘宝(Inner Secrets)』である。ファンや批評家の間ではいろいろと言われる作品で、要は“今までの音楽を捨てて変な方向に行ってしまった”というようなことがよく言われる。

 ジャケット写真は、メンバーがギャラを上げるようカルロス・サンタナに迫っている場面だと言われたりする(ほんまかいな…)。その真偽はともかく、本盤が“売れ筋”を意識したものだったことは確かである。ディスコ風な受け狙いは特に明瞭で、シングルとなった(ただしさしてヒットはしなかった)3.「ワン・チェイン」なんかはその傾向が露骨である。同じくシングル・カットされた4.「ストーミー」は、ジョージ・ベンソンみたいな方向に行きたかったのかと思ってしまう。

 他にアルバム志向のロックの方向を向いていると言われたりもするけれど、少々乱暴にまとめてしまえば、大きくは“サンタナのポップ化”だったんだろうと思う。従来のラテン/フュージョン色が薄れ、通常のロック的演奏や、ディスコ風、ポップ音楽らしさが増している。収録曲のうち5曲(B面も入れると1.と8.以外の全曲)をシングルにしてしまっている辺りは、一般受けを狙った意図みたいなものを感じる(とはいえ、どれも大きなヒットにはならなかったのだけれど)。

 とまあ、印象の良くないことを並べ立ててしまったものの、個人的には、このアルバムは案外気に入っている。確かにサンタナらしさとしてイメージされる個性が前面に出ているとは言い難いのだけれども、聴きやすくとっつきやすいのも事実である。そして何よりも、目先が変わろうが、ポップやディスコを志向しようが、不思議とサンタナらしさは脈々と続いている。筆者的にはそれが妙に安心して聴けると感じる要因であるように思う。とてもサンタナらしい演奏もサンタナであれば、いろいろやってみているサンタナもまた、結局はサンタナなのだと気づかされる。サンタナの作品を初めて1枚聴いてみたいと言われたならば、筆者は本盤を勧めることはない。でも、このバンドの作品をいくつか聴いていく中の1枚という位置づけであるならば、これもサンタナなのだ、という気分でぜひ勧めたくなる1枚だったりする。


[収録曲]

1. Dealer/Spanish Rose
2. Move On
3. One Chain (Don't Make No Prison)

5. Well All Right
6. Open Invitation
7. Life Is a Lady/Holiday
8. The Facts of Love
9. Wham!

1978年リリース。




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Last updated  2019年06月25日 04時49分38秒
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