音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2019年08月07日
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不評盤とされるサード作の実態は…


 1968年に デビュー盤 を発表した後、セカンド作と同じく翌69年にもう1枚出されたのが、チキン・シャック(Chicken Shack)の『100トン・チキン(100 Ton Chicken)』というサード・アルバムだった。前2作とは異なり、本盤はUKのアルバム・チャートに顔を出すことはなかった。それどころか、挙句の果てには、表題の“100トンのチキン”をもじって“20トンの腐った卵を産み落とした”などと言われる始末。つまりは、評判のあまりよろしからぬ盤ということになった。

 というわけではあるのだけれど、3作目で見事にコケたということなのだろうか。それとも、もしかして、この“不評盤の真価”というのはあったりするのだろうか。そんなことを考えながら本盤を聴いてみると、実は面白いような気がする。

 まず、特徴としては、バンド・メンバーの変更である。チキン・シャックというのは、スタン・ウェッブ(ギター、ヴォーカル)を中心としたバンドだったわけだけれど、デビューから2作品ではクリスティン・パーフェクト(クリスティン・マクヴィー)の存在感が大きかった。そのクリスティンは前作を最後にバンドを去り、ポール・レイモンド(元はジャズ畑で、後にはサヴォイ・ブラウンやダニー・カーワンとの録音を経験し、やがてUFOに参加したが、2019年4月に心筋梗塞で急死、合掌)が代わりに加入している。その影響と思われるのが、曲のヴァラエティーが増した点と、キーボードが以前より前面に出るようになった点である。

 その一方、バンドとしてはブルースへの執着というのがキーワードになるように思う。曲やサウンドは変化したのに、特にスタン・ウェッブのヴォーカルとギターは、前作・前々作と同じようにブルース的なことをやろうとしている。たぶんここがかみ合っていなくて評価を下げている点だと思われる。でも、よく考えてみると、ブルース・ロックというもの自体、ブルースそのものではないわけで、多様な取り入れ方や解釈が試行錯誤されていた。言い換えると、“これぞブルース・ロック”と言えない。その意味では期待外れの盤であろう。けれども、1960年代末時点の試行錯誤の成果の一つという観点で聴くと、案外面白いのではないかと思ったりもする。


[収録曲]

1. The Road of Love
2. Look Ma, I'm Cryin'

4. Reconsider Baby
5. Weekend Love
6. Midnight Hour
7. Tears in the Wind
8. Horse and Cart
9. The Way It Is
10. Still Worried About My Woman
11. Anji

1969年リリース。




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輸入盤 CHICKEN SHACK / 100 TON CHICKEN [CD]





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Last updated  2019年08月07日 20時08分16秒
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