音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2020年07月15日
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テーマ: 洋楽(3310)
ジャズ/フュージョン路線を押し進めた1枚


 1972年の 『キャラヴァンサライ』 でジャズ寄りのアプローチを示したサンタナ(Santana)は、しばしその路線を推し進めていくことになった。この路線変更によってバンドのメンバーの入れ替わりも生じたものの、ジャズ・ロックあるいはフュージョン路線はあらたにサンタナというバンドのイメージを定着させるには十分に特徴的だった。ラテンの熱さは秘めたまま、ロック界というよりはジャズのようにその外側に位置づけられる音楽ジャンルを巻き込んだ音楽界の地殻変動に対応した内容の作品制作をしばし推し進めていったわけである。

 そうした結果、『キャラヴァンサライ』に続く『ウェルカム』(1973年)、『ロータスの伝説』(日本限定ライヴ盤)、そして、今回取り上げる『不死蝶(Borboletta)』(1974年)といったあたりのサンタナ盤(あと同時期のカルロス・サンタナとジョン・マクラフリンの共演盤も)は実に面白いし、何よりもクオリティが高い。この時期の諸作は、その当時だけでなく、現在に至るまで“後聴き”でハマる人を生み出し続けているのではないかという風に思う。

 長短とり混ぜて12曲が収録されているが、過半の7曲がインスト曲である。イントロ的な1.「春の訪れ」に続く2.「花の歌」の幻想的な雰囲気がいい。11.「シナモンの花(フロール・デ・カネーラ)」は精緻な完成度の高さが個人的にお気に入り。

 “歌もの”で注目したいのは、3.「新たなる旅立ち」で、レオン・パティロがヴォーカルをとるナンバー。ラヴ・ソング風なヴォーカル曲として終わるのかと思いきや、終盤にオルガン・ソロで一気に盛り上げてギター・ソロが入ってくる。また、5.「太陽のもとへ」はギターとヴォーカルの両方がメインになったような演奏で、キレがありながら幻想的な雰囲気を残しているところがいい。同じくヴォーカル曲としては、聴き進まないとヴォーカルが出てこない(冒頭だけだとインスト曲かと思ってしまいそう)7.「君の教え」も気に入っている。

 余談ながら、本盤のジャケット(LP発売当時)は、特殊紙(アルグラス)使用の光るジャケットだったとのことだけれど、残念なことに筆者は現物を見ていない(後に紙ジャケでも再現されたそうだが、それも未見)。いつかLPでその姿を見てみたいと思うのだけれど、それだけのために中古LP売り場に入り浸る余裕もなく、実現していない。


[収録曲]

1. Spring Manifestations

3. Life Is Anew
4. Give and Take
5. One with the Sun
6. Aspirations
7. Practice What You Preach
8. Mirage
9. Here and Now
10. Flor de Canela
11. Promise of a Fisherman
12. Borboletta

1974年リリース。





不死蝶 [ サンタナ ]




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Last updated  2020年07月15日 05時32分15秒
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