音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2021年07月04日
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地味ながら聴き逃がせない70年代前半の好盤


 エリック・ジャスティン・カズ(Eric Justin Kaz)は、1946年、ニューヨーク生まれのシンガーソングライターである。1970年代前半に2枚のソロ作(なお、2015年に41年ぶりの新作が出ているが、筆者は未聴)を残し、さしたるセールスも上げることはなかった。それどころか、日本では当時発売すらされなかったという。その2枚のうち、1972年のファースト・ソロ作が本盤『イフ・ユアー・ロンリー(If You're Lonely)』である。

 全曲自作(5.のみ共作)で、鼻にかかった声で淡々と歌う。派手な盛り上がりもなければ、過剰な演出もない。けれども、以下の2つの点で聴き逃がせない好作品に仕上がっているという風に思う。 

 一つめは、楽曲そのもののよさである。孤独や切なさがテーマになっていてそれを淡々と歌い上げるというスタイルが、かえって詞や楽曲のよさを際立たせているように思う。二つめは、そのシンプルな楽曲の演奏スタイルが決して偶然ではなく、おそらくは綿密に作り込まれた結果という点である。実は、本盤のプロデューサーは、かのマイケル・カスクーナで、ジョージ・デュヴィヴィエをはじめジャズ系ミュージシャンが演奏を支えている。他のゲストもなかなか豪華で、曲の提供者としてコンスタントに活動をしていたことによる人脈もうかがえる。ボニー・レイットがスライド・ギターを披露したり、トレイシー・ネルソンがバッキング・コーラスを務めていたりする。

 注目したい曲をいくつかだけ挙げておきたい。表題曲の2.「イフ・ユアー・ロンリー」は、カズのシンガーソングライターとしての本領発揮曲の一つと言えるように思う。他のアーティストとの関わりという意味では、トレイシー・ネルソンで知られる7.「マザー・アース」が代表格なのだろうけれど、後にリンダ・ロンシュタットが取り上げた6.「クライ・ライク・ア・レインストーム」(ロンシュタットは1980年代にこれを表題にしてアルバムを制作している)などといった注目の仕方も面白いかもしれない。


[収録曲]

1. Cruel Wind
2. If You're Lonely
3. Temptation (Took Control of Me and I Fell)

5. Tonight, the Sky's About to Cry
6. Cry Like A Rainstorm
7. Mother Earth (Provides for Me)
8. When I'm Gone
9. Someday, My Love May Grow
10. Christ, It's Mighty Cold Outside

1972年リリース。




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イフ・ユアー・ロンリー [ エリック・ジャスティン・カズ ]

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Last updated  2021年07月04日 08時14分43秒
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