音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年01月26日
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テーマ: 洋楽(3310)
ギタリスツ・ギタリストの実質的ファースト作


 フェンダー社製のギター、テレキャスターによるサウンドで聴き手を魅了した演奏者の筆頭と言えば、このロイ・ブキャナン(Roy Buchanan)の名を挙げることができるだろう。アーティストとしては決して名が広く知れ渡っているというわけではないけれども、彼をリスペクトする有名ミュージシャンは多い。彼の影響を受けたギタリストの中には、例えば、ゲリー・ムーア、ジェフ・ベック、デヴィッド・ギルモア、ジェリー・ガルシア、ニルス・ロフグレン、エリック・クラプトンなどがおり、その影響力の大きさがうかがえる。

 そんな彼には、本盤の前に自分でプロデュースしてライヴ会場で販売していた自主製作盤があるものの、きちんとした形で最初に制作されたのは、ポリドールからリリースされた1972年のこのセルフ・タイトル作、『ロイ・ブキャナン(Roy Buchanan)』だった。

 最初の作品ということで、若干のぎこちなさが残っているように感じられるのは事実である。けれども、職人芸のギター演奏は随所に散りばめられており、十分に聴きごたえがある。 『セカンド・アルバム』 『ライヴ・ストック』 、あるいは『メシアが再び』など、一般的に先に手に取りそうな盤が他にあるのは事実だけれど、2枚目や3枚目として、ブキャナンの原点とも言えそうな本盤は、手を出して損はない。

 この盤の全体的な雰囲気は、いくぶん長閑と言ってもいいように思う。例えば、セカンド作の雰囲気と比べると、良くも悪くも“ハードさ”に欠ける。カントリー的なアプローチの曲が多い点は、好みなので何とも言い難いが、ブルース・ロック的なハードコアと、ギター芸術的な長閑さは、初期フリートウッド・マックなんかにも見られるように表裏一体の関係と言えるのかもしれない。そんなことを思わず考えてみたりする。 

 さて、その“長閑さ”という観点で注目したい演奏の筆頭は、1.「スウィート・ドリームス」である。長閑なカントリー調はほかのナンバーでも聴けるのだけれど、このまったり感は、上述のフリートウッド・マックで言えば、 「アルバトロス」 に通ずるものがある。その一方、彼のブルースあるいはブルース・ロック的ギター・プレイという意味で注目したいのは、7.「メシアが再び」。この曲は1976年のアルバム(『ア・ストリート・コールド・ストレート』、日本盤の表題は『メシアが再び』が表題)にも再録されている。あともう1曲、聴き逃せないと思うナンバーを挙げておきたい。6.「ピートズ・ブルー」という曲がそのナンバーなのだけれど、通好みの(というか、通にしか受けなさそうな)このテレキャス・サウンドの演奏…。きっとこういうところが、一般受けではなくミュージシャン受けとなってしまう原因なのだろう。けれども、それがブキャナンの魅力という結論にたどり着くしかない、というのが筆者の見解だったりする。




1. Sweet Dreams
2. I Am a Lonesome Fugitive
3. Cajun
4. John's Blues
5. Haunted House
6. Pete's Blues
7. The Messiah Will Come Again
8. Hey Good Lookin'

1972年リリース。



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ロイ・ブキャナン [ ロイ・ブキャナン ]





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Last updated  2022年01月26日 23時00分10秒
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