音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2024年01月13日
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レスポールを使用した異色作


 テレキャスターの名手として知られるロイ・ブキャナン(Roy Buchanan)が、あろうことかレスポールを演奏してしまったというのが、1978年発表の『レスポールとの遭遇(You’re Not Alone)』というアルバムである。この邦題、もう少し何とかならなかったものだろうかとも思うが、原題は『ユーア・ノット・アローン』である。ロイ・ブキャナンのアルバムの中では、特に評価が低く、商業的にも失敗作だったとされるアルバムである。

 ジャケットは宇宙服の顔(窓にあたる部分)に、地球外惑星の大地に屹立するレスポールが写っているという、なんともビミョーなデザイン。このジャケット・イメージは演奏内容ともリンクしていて、シンセを取り混ぜながらスぺーシーな雰囲気のギター・プレイが披露されている。もちろん、そのギターの音そのものは、いつものテレキャスとは大きく異なる、レスポール特有の太い音である。

 いちばんの聴きどころは、3.「フライ…ナイト・バード」。彼特有の“泣きのギター”の演奏が、レスポール・サウンドで聴けるというもの。他のナンバーとしては、2.「ターン・トゥ・ストーン」がいい。ジョー・ウォルシュのソロ・プロジェクト( 過去記事 )作に収録のナンバーであるが、ロイのファンなら同時にテレキャスでこの演奏を聴きたい、と思うような内容でもある。もう一つ、5.「ダウン・バイ・ザ・リヴァー」も挙げておきたい。ニール・ヤングの曲で、本盤では例外的にヴォーカリスト(ゲイリー・セント・クレア)を入れてのナンバーとなっているが、この曲のロイのギターが個人的にはなかなか気に入っている。

 といったわけで、内容は悪くなく、決して低く評価されるようなものではないと思うのだけれど、トレードマークの愛用の楽器を持ち替えてやる内容だったかというと、やはり疑問符がつく。どうせなら、2枚組にしてテレキャス・ヴァージョンとレスポール・ヴァージョンが収録なんて企画だと楽しめたのかもしれないと思ってみたりするのだけれど。


[収録曲]

1. The Opening...Miles from Earth
2. Turn to Stone

4. 1841 Shuffle
5. Down by the River
6. Supernova
7. You're Not Alone

1978年リリース。




 ​
【輸入盤CD】Roy Buchanan / Loading Zone/You're Not Alone 【K2017/2/24発売】 (ロイ・ブキャナン)




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Last updated  2024年01月13日 05時14分07秒
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