音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2024年02月25日
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テーマ: 洋楽(3388)
自然と体内に入ってくるギルモア・サウンド


 個人的には“腑に落ちる”盤である。もちろん、こういう言い方をしてしまうとツボは人それぞれに違うのだから十人十色ということになってしまうわけだけれど、デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)が作り出す音は、筆者にはすんなりと体の中にしみこんでくるものなのである。

 1978年のセルフタイトルの初ソロ作( 参考過去記事 )に続き、ピンク・フロイドとしての活動が停滞する間、ギルモアは1984年に2枚目となるソロ作『狂気のプロフィール(About Face)』を発表した。第1作目と同様、この2作目も、上記の通り、個人的にはその音が何の違和感もなく自然な感じで体内に入ってくる、そんな盤だったりする。このセカンド盤のチャートアクションは、全英で29位、全米で32位というもので、“失敗”ではないものの、“ヒット”とも言い難いビミョーな成績だった。

 全体としては、前作よりも気負いが少なく、かつ時代を反映してか聴きやすいサウンドに仕上がっているように思う。参加メンバーはなかなか豪華で、TOTOのジェフ・ポーカロ(ドラムス、パーカッション)やスティーヴ・ウィンウッド(ハモンドオルガン、ピアノ)なんかの名が目に留まる。また、曲作りの面では、ザ・フーのピート・タウンゼントが作詞したナンバーがあり、3曲を提供してうち2曲(3.と6.)がアルバムに収められた。

 筆者が特に好みのナンバーを挙げつつ、本アルバムの収録内容を概観してみたい。まずは、冒頭の1.「夢なき夜(アンティル・ウィー・スリープ)」。ピンク・フロイドの楽曲の傾向と比べると、サウンド的には一般向けを意識しているように思うが、個人的にはこの雰囲気がしっくりくる。3.「ラヴ・オン・ジ・エア」は、ギルモアらしさが生かされたスロー・ナンバーで、シングルとしてもリリースされた。この曲が醸し出すギルモアらしさというのは、5.「果てなきブルー(アウト・オブ・ザ・ブルー)」でいっそう発揮されている。

 6.「狂った恋人たち(オール・ラヴァーズ・アー・ディレンジド)」は、一転してハードな曲調で、一つのムードの世界に引き込むというよりは、緩急をつけているのも本盤のいいところだと思う。そんな中、アルバム後半でこのアーティストらしさが発揮されているのは、8.「クルーズ」。さらに、オーケストラルな演奏にギターが映える9.「レッツ・ゲット・メタフィジカル」は要注目のナンバーである。


[収録曲]

1. Until We Sleep

3. Love on the Air
4. Blue Light
5. Out of the Blue
6. All Lovers Are Deranged
7. You Know I'm Right
8. Cruise
9. Let's Get Metaphysical
10. Near the End

1984年リリース。




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Last updated  2024年02月25日 07時55分33秒
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