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より良い明日をめざして



 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。(日本国憲法 前文)
2024年06月15日
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テーマ: ニュース
カテゴリ: ニュース
昨日の欄に引用した「入管難民法」の改悪に反対する講演会に、2人目の演者として発言した「ヘイトスピーチを許さない」かわさき市民ネットワークの崔江以子(チェ・カンイジャ)氏の発言要旨を、同じく5月26日の神奈川新聞は、次のように報道している;


 市制100年を迎える川崎市には146の国・地域の外国人市民が暮らしている。多様な人々がいて、多様な文化や料理、音楽があるから多文化共生なのではない。

同市は1972年、国民健康保険を外国人市民に適用したことを皮切りに、市営住宅の入居や児童手当で国に先駆け国籍条項を撤廃してきた。 行政の責任で差別をなくすためにふれあい館を開設し、市職員採用試験で外国籍者に門戸を開いた。「共に生きたい」という市民の声に応答して差別政策を撤廃し、共に生きる施策に転換してきた。それが市の多文化共生の歩みであり、素晴らしさだ。

 市民の取り組みも誇らしい。朝鮮学校が高校無償化の対象から外されると子どもたちの学ぶ権利を守ろう」というメッセージ展が開かれた。差別があれば「おかしい」「やめなよと声を上げ、行動する人だちと共に生きている。これが私たちのまち、桜本だ。

 そこへ襲ってきたのがヘイドデモだった。 「一人残らず出ていくまで真綿で首を絞めてやる」。そう叫ぶデモが立法事実となり、ヘイトスピーチ解消法ができた。 理念法では完全には止められず、ヘイト街宣が続いた。実効性のある策を求め、市を応援する署名活動や学習会を重ねた。市議会の全ての会派と手をつないだ。ヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例が全会一致で可決、成立した。市の強い覚悟が示された市差別のない人権尊重のまちづくり条例は、行政と議会、市民の「オール川崎」で実現した宝物で日本一の条例だ。

 罰則を設けてレイシストを懲らしめたいのではない。望んでいるのは差別のない社会だ。7月で全面施行から4年となるが、罰則の抑止効果で勧告すら出されていない。ヘイトデモでのひどい発言ができなくなったのは、条例が有効に機能しているからだ。

 ただインターネット上のヘイトスピーチは続き、川崎駅前では2ヵ月に1度、条例に抵触しない言い回しやデマで差別を扇動する街宣が続いている。

 皆さんが差別をしないだけでは既にある差別はなくならない。皆さんが生きる社会は、街宣が続く川崎駅前を恐怖で通れないマイノリティーの市民がいる社会だ。ネット上のヘイトスピーチのひどさに絶望する若者がいる社会だ。北朝鮮かミサイルを発射すると朝鮮学校の生徒への暴行が起こる社会だ。皆さんは当事者ではないかもしれないが、皆さんが生きる社会には課題がある。その社会の構成員として何ができるか。そこから考え始めてもらえたらうれしい。


◆解説 入管難民法と技能実習適正化法の改正案

 外国人労働者の確保を目指して技能実習制度に代わる育成就労制度を創設する。これにより永住者の増加が見込まれるとして、納税などの公的義務を故意に怠った場合は永住許可を取り消し、別の在留資格に切り替えられるようにする。法案は21日、自民、公明、日本維新の会など各党の賛成多数で衆院を通過。立志民主党、共産党、れいわ新選組は反対した。 横浜中革街に拠点を置く横浜華僑総会など17団体は「長年日本に居住する往日中国人の生活と権利が著しく侵害される。永住者に対する深刻な差別だ」として見直しを求める声明を発表。日弁連や東京弁護士会など各地の弁駿士団体も反対声明を出している。


2024年5月26日 神奈川新聞朝刊 9ページ 「時代の正体・差別禁止法を求めて-入管法改悪と多文化共生」から後半を引用

 崔江以子氏の講演は、何も知らずにのほほんと暮らしている我々一般市民に、様々な知識を供給してくれる。川崎市が外国籍の市民も国民健康保険に加入できるようにしたのが1972年で、それまでは風邪をひいても医者にかかれば費用は100%支払わされるというひどい状況だった。しかし、それは国の法律も待つまでもなく、自治体の判断で改善することが可能であり、誰もが安心して安全に暮らせる環境を整備する一環として重要な政策であったわけです。そのようにして、罰則付きのヘイトスピーチ禁止条例も制定されて一定の効果を発揮してはいるものの、執拗なヘイトスピーチは後を絶たず続いているのが現状であり、これからも差別撤廃のために何が必要なのか、考えていきたいと思います。





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最終更新日  2024年06月15日 01時00分09秒


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