書評日記  パペッティア通信

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Oct 26, 2005
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ゆきnaka

● 由貴香織里『妖精標本』花とゆめコミックス


少女漫画ファンの男性は、孤独だ。
そもそも、イケてる女性は、少女漫画を読んでいない。
イケてない勉学系の女性は、そもそも漫画を軽蔑して読んでくれない。

読んでいる女性は、イケてるんだか、イケてないんだか、その辺、曖昧模糊とした人だと推察される。ところが、この世の中、相当多数いるはずなのに、あまりお目にかかったことがない。結局、同性の知人相手に、少女漫画の話をすることになってしまう。

不毛だ。

読んでいる女性に出くわすと、困難はさらに倍加する。
話があわない。

だいたい、読んだ絶対量の問題が横たわるので、こちらの話なんて歯牙にもかけてもらえない。そもそもにすぎない。とても太刀打ちできない。まあ、それですら序の口にすぎない。 本当の恐怖とは、「話があってしまった後」に訪れる

そんな訳だから、男性の少女漫画ファンには、 魂の作家 、琴線に触れるような作品を書いてくれた作家が、必ずといっていいほど存在するでしょう。ファンになるきっかけとなった作家、といえば分りやすいでしょうか。男性の場合、いつのまにか自然と少女漫画に親しみました、などということはまずありえません。女性のファンよりも、男性のファンにとって、より切実に、そんな存在があるはずでしょう。

小生は、そんな作家を聞かれたら、由貴香織里先生とこたえることにしています。左側の絵をごらんください。この人の作品を知る以前にも、『動物のお医者さん』や『星の瞳のシルエット』くらいは読んでいたものの、少女漫画ファンといえるほどではありませんでした。

彼女の代表作は、 <伯爵カインシリーズ> 、  『天使禁猟区』全20巻 。とくに、ゴシック・サスペンスと形容された前者から、後者の前半10巻にかけては、あまりにも濃密なストーリーが展開されていて、一時、泥沼のようにはまってしまいました。


この絵ですよ? 凄くないですか? 最近の漫画家は本当に絵が上手くなってるけど、<伯爵カインシリーズ>開始当初は、本当に衝撃的でしたよ。これで、 ホモだの、近親相姦だの、ドメスティック・バイオレンスだのシリアスなストーリーをやってくれる んです。もう、黙って読むしかないでしょう。もし、興味をもたれた方がいたら、ぜひ読んで欲しい。

今回始まった新シリーズでは、題名通り、「妖精」が出てくるお話です。
他人に自分の身体を奪われてしまい、それを取り返すお話。
この人らしく、話もなかなかキレています。


ところが。
最近、あんまり面白くないのですね。
以前より、つまらなくなった。

『天使禁猟区』後半あたりから、パワー落ちているなあ、と思ってたけど、<伯爵カインシリーズ>連載再開 (『ゴッドチャイルド』編) あたりからは顕著。いったいどうしちゃったのか、と思ってたら、たしか 『夜型愛人専門店』 出産宣言 。えええ?いつ結婚したんですか?一応全部作品もってるのに、結婚したなんて書いてなかったじゃん!!まさか文庫版とかで報告???

ずっと思っていたことがあります。
結婚すると、少女漫画家はおしまいになるのではないのか

まあ、「花の24年組」が、「作風をかえる」ということを実践して以来、結婚後、作風がかわっても誰も怪しまなくなってしまった。年を重ねると、掲載紙がレディース誌にかわる。作風もかえながら、少女漫画家を続けていくことが多い。おおむね「作家の成長」として「肯定的」にとらえられているようです。

でもさあ、レディースは少女漫画じゃないでしょ。
それって、「成長」などの美名を冠していても、
要は、「少女漫画家」としては、おしまいってことでしょ。
もう、少女漫画がかけなくなったってことでしょ。

由貴先生の全盛期は、まぎれもなく、ロシエル様に「僕って綺麗?」と言わせていた時期でしょう。このとき、本当にテンパッていて、読者が心配になるほどでした。 なにせ、編集さんにネームをみせて説明していたとき、感極まって泣き出してしまったりしてる のだ。それ以外にも、締切前で錯乱してるんじゃないか、とおもわせる濃いあとがきがあったりして、ファンやっていて共感できて、とても嬉しかった。

それが最近ない。漫画に切迫感がない。なんか幸せになっていて、満ちたりてしまったんですかね。計算されたストーリーが前面に出てきている感じ。たしかに、そんな計算が押し出された作品も、割合いいものが多い。たとえば、童話読み替え物である、 『ルートヴィッヒ革命』 。でも、これまで大好きだったのが、そうした計算の外にある、なんというか「全人的」としか表現できない、そんな部分にあっただけに、「並の漫画家」になってしまった感じがして、とても残念なんですよね。
あれほどシリアスなのは、かけなくなってしまったのかもしれない。


最後まで「少女漫画」の線で、頑張ってほしいとおもう。
『メロディ』にいくのは、やっぱり彼女にとって堕落だと思うから。

評価 ★★★☆
価格: ¥410 (税込)


● 中条比紗也『シュガープリンセス』花とゆめコミックス

中条先生、そりゃ無理だよ。
フィギュアスケート・男女ペアの漫画を描こうなんて。

先行するフィギュア・スケートを描いた少女漫画をみてくださいよ。

川原泉『銀のロマンティック わはは』
赤石路代『ワン・モア・ジャンプ』

でしょ。

前者は、「川原教授の最高傑作」との呼び声も高い。
後者は、『アルペンローゼ』に匹敵する大傑作フィギュア漫画。
(ただし最終巻はのぞく)

どうやって太刀打ちする気なんですか?。
フィギュアの啓蒙程度なら、川原教授にかないっこないですよ。
しかも悠長に…『ワン・モア・ジャンプ』では、
1巻で死人が出ていたというのに…
(てか、赤石先生は、人を殺しすぎます)

方法論あるの?
まさか、今は女子フィギュア・ブームだから
ってんじゃないでしょうね?

とりあえず、一応、期待して読みますが、
みなさんにはお勧めできません。

評価 ★★☆
価格: ¥410 (税込)

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Last updated  Oct 27, 2005 07:49:02 PM
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