アシスタント吉田の琉球なこころ “河本先生と私”

アシスタント吉田の琉球なこころ “河本先生と私”

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

ヒーリングセミナー bulan・batu

ヒーリングセミナー bulan・batu

Free Space

設定されていません。

Comments

しまねこ@ Re:宝石光線遠隔療法 受付開始から1か月(02/09) 初めまして。 色々サイトを見ていて偶然こ…
ねこむすめ@ Re:宝石光線遠隔療法 受付開始から1か月(02/09) はじめまして。酷い憑依、霊障で数年苦し…
ヒーリングセミナー bulan・batu @ Re[1]:京都移転のお知らせ(03/07) アラカキさん >吉田さ~ん、先日はコトダ…
ヒーリングセミナー bulan・batu @ Re[1]:京都移転のお知らせ(03/07) キノコさん >ご無沙汰してます。 >久し…
アラカキ@ Re:京都移転のお知らせ(03/07) 吉田さ~ん、先日はコトダマセッション受…

Calendar

2007.05.17
XML




 わぁぁ~~なんて意味深なんでしょう♪と、ワクワクしている女性陣のお顔が見えそうです(笑)。

 実は今回、本人の承諾を得て書かせていただく彼の過去は、ちょっぴり悲しい物語なんです。
どうか聞いてあげてください。


 初めからずっと・・・今も変わらない 彼の不思議な落ち着き、誠実さ・・・。
でも私もカウンセリングをしている身。出会った時から、そんな彼に ほんの少し ある種の違和感を感じていたんです。

 そう。たった24歳で(当時)こんなに真面目で落ち着きがあるなんて・・・。

 そんな人もまぁいるんじゃないの、なんて周りは考えてたみたいなんですが、私の中にはこの年齢でこの落ち着きはおかしい・・・彼は何かを隠してるんじゃないか、と思ったんですね。

 それでなくても無口な人です。しかもいくら雇い主だからって、運転手の過去や家の事情を根掘り葉掘り聞くなんて出来ない。そんなのルール違反ですよね・・・。



 しかしある時、お祭りでもないのに実家に一日だけ帰りたい、と言ってきた事があったんですね。一応雇う時に 「お祭り、家の人の病気、お葬式以外には休みは要りません。」 という約束をしていた彼が、理由をあまり言いたがらずに帰ろうとしたので、これはご実家のご家族に何かあったのかもと思い、私たちはとても心配しました。

 しかし彼は 「いえ、大丈夫です。父が少し・・・。」

 明らかにウソをついている顔です。
 少し寂しかったけど、何か事情があるのだと、私たちは彼にお休みをあげました。

 彼は静かに頭を下げ、遠いシガラジャの実家に帰り、1日経った次の日 また普通に仕事に復帰したのです。

 その顔は全くいつものエカさんで、相変わらず静かに、そして黙々と仕事をこなしているように見えました。でもふとした瞬間、本当にふとした瞬間ですが、彼の目が遠くを見ているような気がしたのです。

 そして、友人Yのメガネはまた光る・・・ギラリ(笑)。

 「エカさん、アンタ何か隠してるでしょ。」

 プライバシーに首を突っ込む権利はありません。ただ24時間近く一緒に仕事をすることもある大切な運転手は、ご両親からお預かりした大切な息子さんでもあるのです。様子がおかしい時は、冗談のような感じで軽く様子を伺う。これも大切なことのような気がしました。

 エカさんは少し悲しそうに笑いながら、話し始めてくれました。

 その話とは、こうです。


お祭りで知り合った美しい少女に、彼は恋をしました。その少女もエカさんを好きになり、バリのある小さな村で一つのかわいらしい初恋が生まれたんです。

 カップルといってもまだ子供。学校の宿題をお互いの家で教えっこしたり、本の貸し借りをしたり・・・。少年と少女のほほえましい恋は、周りの人たちからも見守られ、いつの日か二人が大人になった時 きっと結ばれるのだ、と誰もが思っていたことでしょう。

 しかし しばらく経ったある日、彼女は倒れて病院に運ばれてしまったんです。

 検査結果は・・・ガンでした。

 入院して日ごと痩せていく少女。

 毎日お寺にも通いました。彼女の命を救ってくれるよう、神様に祈るために・・・。

 しかし彼女の容態は悪くなるばかり。当時のインドネシアには、まだまだガンという病気に太刀打ちできるほど高いレベルの医療設備も技術もありません。

 エカさんは早朝一番に病院に行き、帰ってきて水を浴びてから学校に。そして学校が終わってからまた病院に行く、という毎日を繰り返していたのです。

 が、ある日、その病室で 彼女はエカさんの顔を真っ直ぐ見てこう言いました。

 「エカ、私はあなたをとても愛している。でもごめんね。私はあなたに一生付いていてあげることは出来ない・・・。」

 「何言ってるんだ。」 と泣くのを我慢して病室を出、家に帰ったエカさん。

 そして学校に行くために水を浴びたその時、家の電話が鳴り、彼女が亡くなった事を告げられたのです。


 たった18歳。  たった18歳の若い命の終わりでした。
これから咲くはずだった少女の華やかな人生は、このバリ島の小さな病院で散ってしまったのです。

 エカさんの悲しみは深く、両方の家族が心配するほど彼は毎日泣き暮らしました。

 愛する人を亡くすという悲しみを味わった彼も、その時まだ同じ18歳。たった18歳です。

 少年と少女を襲った悲劇は、少しずつ周りの人の記憶からも消え、エカさんだけが辛い思い出から抜け出せずに3年も立ち直れなかったと言います。

 自暴自棄になり、反抗し、荒れ放題の3年間。

 涙を拭いて、 「これじゃいけない」 と立ち上がった時、彼は少年から大人になったのでしょう。

 その後、彼は新しい恋をし、今スリちゃんとトゥバンで仲良く暮らしています。

 「・・・・・昨日が、その彼女の命日だったんです。」


 私は涙が止まりませんでした。

 『私よりもずっと若いこの青年の不思議な落ち着き、ある種悟ったような静けさをたたえる眼差しは、こんな出来事を乗り越えたからなのね・・・。』

 私の口からなぜか 「ごめんなさい。」 という言葉が出てきました。

 その少女が亡くなった時、まだ私は日本にいて、エカさんとも出会っていなくて、仕事をして、幸せで、きっとその日も笑っていた・・・。遠い日本で。何も・・・何も知らなくて。

 助けてあげることも、慰めてあげることも、一緒に泣いてあげることすらできなかった・・・。

 当たり前のことかもしれませんが、それでも私は、私の知らない時、知らない所で、まだ若かったこの青年がこんなに深い胸の痛みを味わっていたなんて・・・。そう思うと、泣けて泣けて どうしても 「ごめんね。」 という言葉が出てきてしまったのです。


 「今、スリを心から愛しています。でもたった18歳で亡くなったあの子の魂が安らかであるよう、命日にはお墓に花を届けに行くんです。」

 その命日のお墓参りには、スリちゃんも一緒に行くそう。

 毎年彼女のお墓の前でエカさんはどうしても泣いてしまう。でもその時スリちゃんも一緒に泣いてくれるんですって。


 自分がこれから死ぬというのに、残される少年のことを心配し、 「ごめんね。」 と言った18歳の少女。

 愛する人の過去を全て受け入れて、共に泣いてくれるスリ。

 亡くなった少女の命日に、9年間も花を届ける青年。

 そしてこの青年は、今年も、来年も、ずっとずっと少女の命日には花を届けるのでしょう。




 先日エカさんに 「エカさん、死んだ人ってお墓にいると思う?」 と聞いてみました。

 「・・・・・分かりません。でもお墓がなかったら、どこに花を供えていいか分からないので。人は死ぬとどうなるのでしょう、ボス。」

 「分からないけど、私は大好きな歌がある。その歌は、キミの愛した人が今、風になって、光になって、キミに降り注いでいるって歌ってるよ。」

 「・・・・・はい。分かります。」

 少し目を閉じて、頷いたエカさん。


 過去の癒しだ何だと言って、彼が少年時代 自分で乗り越えた傷を、今更 私が癒してあげよう、なんて思いません。


 だから想うだけにします。


 名も知らぬ清らかな少女。

 願わくば、

 どうか千の風になって

 千の風になって

 バリ島の青い空を吹き渡り、

 この青年を見守ってあげていてください。


 千の風になって・・・。


eka3


ボスたちの食事の間 レストランの庭を眺めているエカちゃんを、友人Yが隠し撮り(笑)。
「エカちゃん、あんた色々あったんだね。偉いよ、あんた・・・。」
友人Yのメガネの奥が涙でキラリ・・・。泣きながらシャッターを押す友人Y・・・あんたはエライ・・・!




ではまた明日。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.05.17 23:35:25
コメント(14) | コメントを書く
[バリ(河本先生UP分)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: