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Chapter
1- 4
気だるい午後の太陽が差し込む部屋、ヘリコプターの音がビルの頭上をかすめて行く。
朝、帰って来て、そのままベッド代わりのソファーで休んでいた修二は、やや煩わし気に目を開けると、
おもむろに手を伸ばして脇においてあった腕時計をとり、時間を確かめた。
上半身を起こして、煙草を口にすると、一服くゆらせる。
煙草が修二の頭を徐々に覚醒させていく。
「兄貴...、起きてる?」
中を伺うかのように透がやって来た。
「透...、いい頃合に来てくれた。」
「例のもの、ちゃんと仕舞っておいてくれたか?」
「ああ、ちょっとやそっとのことでは見つからないところに。」
「行かなきゃな。」
決心したかのように修二は起き上がると、目覚ましのシャワーの栓をひねった。
身支度を整え、最後に腰のベルトに拳銃を挟みこむ。
「明日の今頃は、遠い南の空の上だ。」
親指でキュッと透の頬に触れると、修二は部屋を後にした。
* * * * * * * * * * * * * *
「ああ、俺だ。
―いや、大丈夫。
やっとみつけた。
もう逃がしはしない―」
携帯を切ると修二は男を追った。
「おまえのおかげで俺は...」
クラッチを踏んでギアを入れ替えると、徐々にアクセルを踏み込んでいった。
ドスン!鈍い音をさせて車が何かにぶつかった。
続く