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ankonano

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2010.01.23
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通勤電車の車内が混みだし、本が読めなくなってキター!

そういう時は音楽

パバロッティ フォーエバー~

「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」(フィギュアスケート・荒川静香さんの金メダル曲)から始まり「リゴレット」「椿姫」など、朝から背筋がしゃんと伸びます~

一日気分が良かった。音楽って気持ちをコントロールできますね。

今週「トゥーランドット」に行きそびれてしまって・・・ 昨年から楽しみにしていたのに。

明日から「ホフマン物語」が始まります。内容も楽しみですし、オランピア役のキムさんが「千秋」みたいな大笑い楽しい衣装にお化粧も見たい!

時間を確保して絶対行きます

星.....話題の新演出《ホフマン物語》のみどころを紹介!(METライブビューイングのお知らせより)

 《ホフマン物語》

 NY上演日:2009年12月19日

 指揮:ジェイムズ・レヴァイン

 演出:バートレット・シャー

 出演:

 ホフマン・・・ジョセフ・カレーハ

 ニクラウス/ミューズ・・・ケイト・リンジー

 4人の悪役・・・アラン・ヘルド

 オランピア・・・キャスリーン・キム 

 ジュリエッタ・・・エカテリーナ・グバノヴァ

 ステラ/アントニア・・・アンナ・ネトレプコ

 「ホフマン物語」の最大の聴きどころは、やはり有名な「ホフマンの舟歌」 のメロディでしょう。ちょっと耳にしただけで、どんな人の心をもとらえずにはおかない、霧の彼方から響いてくるような、あの懐かしく甘い歌...。

文字通り、天下の名旋律です。あの歌にはすべての人を詩人にしてしまうくらいの、不思議な力があると言っても過言ではありません。でも、一体なぜ?

その答えを知るためにはオペラ全幕をご覧いただくのが一番早道ですが、独断ながら私の考えをここで述べさせていただくなら...

この「ホフマンの舟歌」は結局、作曲者オッフェンバックの観客へのダイレクトな「語りかけ」の音楽なのではないかと思うのです。

「ホフマンの舟歌」が流れている間、オペラのストーリーは止まっています。ドラマを形作るものとして「舟歌」があるのではなく、恋の気分を賛美しつつ、何か作曲家の本音のメッセージを直接伝えるために「舟歌」はあるのです。

そういう観客席を直接向いた音楽のあり方は、オペラ的というより、ミュージカル的かもしれません。

あのメロディは、「あなたが本気で恋していたころの、過去の甘い思いを、もう一度胸に蘇らせてみようよ。そのときあなたは詩人の魂を自分の内に再び持つことができるのだから。さあ、恥ずかしがらずに...」と、いざなっているような気がするのです。

このオペラの主人公ホフマンは、ドイツの初期ロマン派の詩人E・T・A・ホフマンのことです。作品中出てくる3つの恋のエピソードは、それぞれホフマ原作の別々の怪奇趣味的な短編小説からとられたもの。「ホフマン物語」は、それらをオムニバス的につなぎ合わせ、プロローグとエピローグをつけたユニークな構成をとっています。

オペラのさまざまなディテールから、文学の香りが色濃く漂ってくるのはそのためです。この香りには奥深い背景があるのです。それも、「ホフマン物語」の大きな魅力です。

そして、「ホフマン物語」には一つの重要な通奏低音が流れています。それはホフマンの生涯のさまざまな局面で登場し、ホフマンをもてあそぶ悪魔の存在です。今回のMETの上演もそうですが、同じ悪魔が姿形を変えながら、別々の人物になりすますといった演出も多く行われています。

その一方で、オペラ全体を通してホフマンの傍らで常に見守り、正しい道へと導こうとする友人ニコラウスの存在があります。演出にもよりますが、ニコラウスは実はミューズの神であるというのがこのオペラのだいたいのオチになっています。

つまり、迷える詩人ホフマンの人生には、彼を陥れる悪魔的存在と、彼を救い出そうとする芸術の神と、両者が綱引き合っているという構造です。その周囲には魅力的な人物像がたくさんいます。そしてみなが、人の心を一気に引きつけてしまいそうな、素敵な歌を次々に歌います、この魅惑の力は、モーツァルトに匹敵するものさえあります。事実オッフェンバックは、「シャンゼリゼのモーツァルト」と呼ばれてさえいました。

もうひとつ忘れてはならないのが、これは芝居小屋のような劇場でオペレッタ作曲家として成功していたオッフェンバックが、生涯の最後にようやく書いたオペラ、しかも未完成作品ということで、さまざまな解釈の余地を残したオペラでもあるということです。だからこそ、古今の名演出家が腕をふるい、そして指揮者たちも自らの音楽観をある程度強く表明してきた。つまり自由度の高い作品なのです。

私は「ホフマン物語」を聴くといつも思うのは、どんな人にも、芸術家の魂はあるのだということ。そして、このオペラは、すべての人が日常生活の中で失い、忘れがちになっているそんな魂に、直接オッフェンバックが呼びかけようとしているオペラなのではないか、ということです。

今回のメトロポリタン・オペラの新演出上演(12月3日初日)は、ニューヨークで観た人からも「大成功」との報せが伝わってきています。とりわけ、芝居畑の世界で実績のあるバートレット・シャーの演出は、カフカとフェリーニの世界観をこのオペラに持ち込み、大きな効果を上げているということです。

また、オッフェンバックのユダヤ人としての孤立感も意識したとのこと。大いに期待できるライブビューイングとなりそうです。 林田直樹(音楽ジャーナリスト)






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Last updated  2010.01.23 08:18:20


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