晴走雨読

晴走雨読

August 4, 2006
XML
カテゴリ: ’06夏 香川へ




ここ数日、ずっと睡眠不足気味。
すごく眠いのだけれど、いざ寝ようとすると妙に目が冴えてくる。
今日も長い一日になりそうだ。






さて、

自転車が海の藻屑にならずに済んだ後、”ベネッセミュージアム”という美術館に行く。
ここには今回この直島に渡るきっかけになった杉本博司の写真が展示されている。
彼の作品は屋外に10点ほど展示されていた。
作品自体はそれほど大きなものではないけれど、
どれも素晴らしいものだった。



彼は東京の笹塚から富士ロック、富山経由でここに辿りついたと話してくれた。
僕より15才年下の25才。
鼻の頭が少し焼けていたのは直島ではなく富士ロック焼けだったらしい。
荷物の中に一眼レフがあるのが見えた。
今晩も遅くまで寝られそうにないなぁ・・と感じた。


居間に降りるとおかみさんとボランティアの彼女がまったりしていた。
この2人、このまったりが得意技のようだ。
晩御飯は僕と彼だけで港近くの魚料理屋に行くことに決めた。
宿のおかみさんが送り迎えをしてくれることになった。


実は今回、自分で作ったプライベート名刺を持ってきていた。
表にブログのアドレスなどが載っていて、裏にはこれまで撮った写真を刷り込んだもの。

おかみさんに渡した名刺の裏は あの焼きそば の写真だった。

”これ何~。。?”
 ”あ、焼きそばなんです”
”うまそ~やな~。。料理得意なん?”

”そう~なんや~。。え~なぁ。。私料理苦手なんよねぇ~。。焼きそばかぁ~。。うまそうやね~。。”
ボランティアの彼女もその写真を見て同じように反応を始めた。
”焼きそばかぁ~。。え~なぁ~。。焼きそば。。やきそば。。。。”

僕はおかみさんに冗談半分に作りましょうか?と言った。あくまで冗談半分で。
その時まった~りしていた空気が変わった。
”ほんまに~!何が要るん?”
目の奥が光っていた。
僕は材料の説明を早口で言うとちょっと待って今メモするからと言って携帯を取り出した。
おかみさんはふ~ん、へ~とか言いながら携帯に打ち込んでいく。
横でボランティアの彼女が”焼きそば~ええなぁ~。。夜食に焼きそば~。。”と念じている。

”生協が閉まるで、はよ出よ~。。”
僕らを送る帰りしな材料の調達に行くらしい。
僕はまだ半分は冗談やと思っていた。


魚料理「ニューおりんぴあ」。
パチンコ屋みたいな名前の店で相部屋の彼と写真のことから始まって脈絡なく話し続けた。
ビールがギンギン冷え、カンパチの刺身が旨かった。
僕は自分が彼の年齢の時のことを少しだけ思い出していた。


宿に戻ると「地中美術館」のボランティアで来ている子が増えていた。
女の子ばかり全部で5人ほど滞在しているのらしい。
順番にお風呂に入ったり、居間でお菓子をつまんだり思い思いに夜を過ごしていた。
テレビは亀田興毅の試合が始まるところだった。



亀田は勝った。

なぜか勝った。


この晩は結局12時近くまで居間でしゃべっていた。
部屋に戻り彼とお互いのカメラの話しをして
電気を消したのは1時半ぐらいだった。


翌朝、朝食を食べに降りるとおかみさんは何時に帰るん?と聞いてきた。
昼過ぎには出たいと話すと、焼きそば作るから早くても2時過ぎの船やね~。。と言ってきた。
ま、そのぐらいでいいかなぁと胡桃の入ったパンをかじりながら思った。

食事を済ませ「地中美術館」を回り昼過ぎに戻ると
待ちわびた表情でおかみさんとまったりボランティアの彼女が居た。
”材料切っといたで~。。”
あは^^;

焼きそばはすぐ出来た。
即席にしては上出来だったのではないだろうか。
”え~なぁ~。。料理上手で~。。”
もぐもぐしながらおかみさんは美味しそうに食べていた。
まだ見ていないところがあり、2時過ぎのフェリーは既に諦めていた。








okan








後片付けを済ませ、僕は歩いて町中を見て回った。
ここには”家プロジェクト”という作品が点在している。
古い民家を使ったりした作品が4軒。
のんびり見てまわった。
どの施設にも地元のボランティアのおじちゃんやおばちゃんがいて
暑い中にもかかわらず屈託のない笑顔で対応してくれた。


2時間ほど散策し、宿に戻り荷造りをする。
おかみさんのお姉さんも来ていて荷物を降ろしてしばらく話しをする。
”チャーハン作らんの~。。”
とおかみさん。
チャーハンも作れると何かの話しの中で出ていたのだ。
横で例によってボランティアの彼女が”チャーハン~。。チャーハン~。。”と念じている。






僕は時間ぎりぎりに宿をあとにした。
相部屋の彼とは東京で会えるだろう。





ここにチャーハンを作りにくるのはいつになるだろう。






僕は港に向けて自転車を走らせながら
今度来るときに持参する食材を思い浮かべていた。









oji


直島ー高松

走行時間 28分
走行距離 8km

(↑ 家プロジェクトのボランティアのおじちゃん)







NEXT >>










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  August 11, 2006 11:38:16 PM
コメント(21) | コメントを書く
[’06夏 香川へ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: