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2013.06.04
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テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
【佐賀新聞 有明抄】
20130604

~最後の田植え~
おととい、唐津の実家で田植えをした。「今年が最後」と父が言う。両親は60代後半で、田植えや稲刈りは地元の兄2人も手伝いながらやってきた。1反5畝(せ)の田んぼで、家族で食べる分を育ててきた。

父は高齢をやめる理由に挙げるが、稲を育てにくくなったとたびたび聞かされていた。新しい住民が周りに増えた。炎天下の作業を避けるため、朝、草刈りすると機械の音が「うるさい」と苦情を言われたり、蚊が多くて「田んぼから虫を出さないように」と難題を突きつけられたりした。

農薬をまく時には外に広がらないように風が弱い時を見計らうが、断念した日もあったという。隣接するアパートの住民に念のため洗濯物を室内に取り込むようにお願いしても、外国人に父の身ぶり手ぶりが通じなかったからだ。

小中学校の同級生に農家はいなかった。社会科見学で訪ねた先がわが家の田んぼだったこともある。それでも当時は稲作をしている農家が周囲にいて米作りがしやすかった。校区で最後に残ったのがうちの小さな田んぼで、こんな日がいつか来ると覚悟はしていた。

家族そろって「夢しずく」を手作業で植えた。今年は小学5年のおいっ子の同級生87人も一緒だ。作業そっちのけでカエルを追いかける子もいた。おこがましいが、家族の思い出が地域の思い出になればと思う。(勝)


~~~~~~~~
昨日のブログ では早乙女を「過去の風景」と記し、機械で田植えをする農家の写真を掲載した。
タイムリーなことに、佐賀新聞では「最後の田植え」についてコラムに綴り、産経フォトでは観光記念用の早乙女をアップしていた。

それにしても、早乙女が見られなくなったのはしょうがないとして(笑)、コラムを読んで一抹の不安を覚えた。
日本の農業は本当に大丈夫なのだろうか。
政府は農家の所得倍増を唱えており、誠にゴウキな限りだとは思うのだが・・
コラムを読んで、農業の根本的な問題はもっと構造的なものであり、しかも社会の様々な部分が複雑にからんでいる、そう感じた。

たしかに
「家族の思い出が地域の思い出になれば」
それはそれで結構な事ではあるが、その先は?

食むだけの人間に無責任なことは言えないが、だから(食むしか能がない)こそ己の食い分が心配である。
(何だか自分が穀つぶしに思えてきた・汗)


穀つぶし:飯を食う点では一人前だが、ほかに、これといった能力がなく、毎日をむだに過ごしている、しようのない奴。新明解国語辞典
(風景が過去のものになったり、死語が出来たりするのと同じく、古語や死語の復活もあるかもしれない!)

《追記》
コラムの内容から推察してコラム氏は三十代か。
さすがは大隈重信を輩出した国の新聞だと感服した。大新聞は「後生恐るべし」と見るべきだ。


20130124aisatsu





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最終更新日  2013.06.04 06:39:15
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