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2013.06.13
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テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
20130613

【朝日新聞 天声人語】
~自分から一歩外に出て自分を見る~

現実がよく見えた人だった。なだいなださんは、ネット上の仮想政党「老人党」をつくり、政権交代を目指した。09年、民主党政権ができる直前、日本政治の惨状を肺炎に見立てた。交代が実現しても「患者の熱が一時下がっただけのようなもの」と、本紙に語っている。

政権交代を3回、4回と重ね、治療を続けてやっと肺炎は治っていく。政治が一挙に変わるかのような空気の中、この精神科医が下した診断は透徹していた。多才な文筆家でもあった、なださんが亡くなった。

現実を見すえつつ楽観主義を貫いた。名著『権威と権力』では、〈絶望的な状況でも、希望を失わない人間〉に自身をなぞらえる。そして理想とは〈たどりつけるもの〉ではなく、〈見つめるべきもの〉である。

権威も権力もない社会は来ないとわかった上で、状況への発言を続けた。第1次安倍政権のナショナリズムへの傾斜を「国家中毒」と批判した。いまのアベノミクスも疑い、先月末には〈浮いた気分も、もう終わりでしょう〉と書いた。

大切にした臨床での心得がいい。アルコール依存症は「治す」のではなく、患者と「つき合う」。医師の仕事は「人間というものがよく見えるし、自分自身のいいところ悪いところが鏡のように映る」。

残り少なくなった日々、周りの家族のつらさを深々と気遣っている。ブログに〈結局死んでいくぼくが一番楽なのかもしれない〉と綴(つづ)った。「自分から一歩外に出て自分を見る」流儀を最後まで通して逝った。
(6月11日付)

~~~~~~~~
一昨日、なだいなだ氏が逝去された。
謹んで、心よりご冥福をお祈り申し上げたい。

『自分から一歩外に出て自分を見る』

最後に素晴らしい助言を頂戴した。
我々は、なだ氏のように自己を冷徹なまでに客観的に冷静に見つめ直さなければならない、そう思った。

ところで天声人語。
ツラツラと読むに、なだいなだ氏が何やら社会主義の尖鋭に思えてくるのだが、はたしてそうであろうか。
氏は陸軍幼年学校で終戦をむかえた。そして後にフランスへ留学するのであるが、それは陸軍幼年学校での教育が下地になっていたと推察できはしないだろうか。
私は氏の一言半句は社会批判ではなく、国を憂う想いに他ならないと考えるのだ。


天台大僧正の荒了寛氏はこう説く。
ことに臨んで 『「他人のせい」ではなくすべて「自分のせい」にしてみればいい』 と。
これまさに真理である。
『自分から一歩外に出て自分を見る』 とはそういうことではないであろうか。

死の間際に『結局死んでいくぼくが一番楽なのかもしれない』と達観できる人は、もっと崇高な視点であったと思うのだ。
なだいなだ氏は、真に国家の平和と安全を願っていたと私は信じて疑わない。

なださん。これからは彼岸で我が国の行く末を見守ってください、お願いします。

それからコラム氏には謹んで申し上げたい。
『自分から一歩外に出て自分を見る』
何より大切なのは『自分から』ということです(^^)v
北國新聞の時鐘(抜粋)に以下がありましたのでご参考まで(笑)
~~~~~~~~
好んで山を描き、決まって山の傍らに一片の雲を描いた画家から聞いた話。
あの雲は、画家が亡き妻をしのんで絵筆を走らせたに違いない。高名な美術評論家がそう「解説」したという。
誰よりも画家当人が驚いた。
描きたいから、そうしただけ。
「まったく、評論家の理屈には閉口する」
(6月11日付)
~~~~~~~~
20130124aisatsu





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最終更新日  2013.06.13 06:26:02
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