未熟な作家の気まぐれファンタジー小説blog

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2007.01.10
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カテゴリ: 落雷疾風記
風に頬(ほお)を叩(はた)かれ気がつくと、僕達は倒れていた。そう、無事合流したのだ。天候も回復し、良い事尽くしだ。
しかも嬉しい事はこれだけではなかった。見上げると、高く聳(そび)える山が。
そう、カルメス山に到着していたのだった。僕達は思わず涙が零(こぼ)れそうになった。
しかし、まだ喜ぶにはまだ早かった。喜ぶのは、ミスリルとオリハルコンが見つかってからだ。
とりあえず、ジンに昼食を手渡したが、思ってた通り、こっ酷く怒られた。だけど、喧嘩両成敗。渡すのを忘れた僕も悪かったが、その事に早く気付かなかったジンも悪かった。その事をお互い理解し、僕はさっき残して置いた昼食の残りを、ジンは僕が買っておいた昼食を、それぞれ離れていた時の話を交えながら、美味しく頂いた。

一息入れたところで、早速この山を登ろうと思ったが、もう4時だった。今から登ると、足元も悪いだろうし、暗くなると余計に探し難いし、危険だ。なので、今日残りの時間はここ周辺での食料集めと、就寝場所確保(突然の雨でも大丈夫な所)、火を焚(た)く事、調理、就寝準備等などを行う事に決定した。
最初に一番大切なのは、就寝場所の事。山付近は天候が変わりやすいので、雨が降っても濡(ぬ)れる事が無い、洞窟などの屋根がある場所を探す必要があった。
僕は時計回りに、ジンは半時計回りにカルメス山付近をグルグル回る事にし、洞窟を探した。
しかしヴィルム島一の高い山だけあって、地図を見てみると、半径が約1.2kmもあった。しかしせっかく来たのだから、キャンプに来た様な楽しげな気分で洞窟を探すことに。だが、そんな気持ちを薙(な)ぎ倒す事実が発覚。

ジンが自分の雷霊『バリウス(サピエンス科)』(人間型♂)を召喚し、持ってきた電灯に明かりを灯して周りを見渡すと、凸凹した所も少なく、火を焚くには最適の、溝まであった。まるで、誰かが住んでいた後みたいだった。
とにかくここを今日の拠点にし、荷を下ろした。
次に大切な事、それは食料探し。2人で手分けをし、僕は山菜や果物などの野菜類、ジンは、肉や魚介類等の狩り中心。という風に分かれて、それぞれ収穫が有りそうな場所に散った。
僕は山菜と言ったらやはり林や森。と思ったので、洞窟から30mほど行った所に日が少し隠れる位の林があったので、そこに向かった。
思っていた通り、食べれそうな物がいっぱい生っていた。茸がほとんどだったが、野イチゴもあった。茸は食べられそうな物を、野苺は香りが良い物を採っては戻り、採っては戻り・・・・・・。なにせ、食器を持ってくるのを忘れたからだ。
10往復位しただろうか・・・・・・だいぶ山菜等が集まったので、ジンの帰りを待つことにした。
30分後、ジンは魚20匹、貝類30個を獲って帰ってきた。
「お疲れ、ジン。・・・・・・ずいぶん大漁だねぇ・・・・・・。」
「あぁ、でも肉類は獲れなかった・・・・。」
「そんなのはいいじゃないか。貝も獲れたっていうことは、この辺に海岸があるのかい?」
「あぁ、ここから300m位先の所にな。味付け用に、海水も取ってきた。」

「さすがジン。じゃぁ早速火を焚(た)こう。僕は燃えやすい物を探しに行ってくるから、ジンはゼルガやバリウスと一緒に火種(ひだね)を作っておいてもらえるかい?」
ジンは了解して、周りに有った少しの枯れ枝を掻(か)き集め、左腕にゼルガ、右腕にバリウスを宿し、その枯れ枝の中心に向かって雷撃を集中的に少しずつ放ち、火が点きそうになったら、風を起こして火力を高めるというサイクルを試みた。その姿を見ると、僕も精霊が欲しくなってくるが、僕の特殊能力が自由自在に操る事が出来れば、これ以上に勝るものはないと言う。その事を信じ、枯れ枝を探しに行った。
なかなか地面に枯れ枝は落ちていなかった。なので、腰に着けていたウィークルを鞘から抜き、なるべく大きい樹の枝に向かって、えいやっ、とウィークルを振り下ろした。しかし、切った感触が無かった。だが、切った枝は地面に落ちている。本当にこの樹の枝なのか、切った所同士を合わせると、見事に合わさった。そりゃそうだろ。と突っ込みたくなるが、合わさったままくっついた。
「・・・・・・?!」
思わずビックリしたが、それほどこのウィークルは切れ味が良い事が分かった。

そのまま地面と対面しながら、足を速め、枯れ枝を探した。なにせ空が暗くなってきたからだ。
そして、今晩は過ごせるだろうと思うくらいの枯れ枝が集まり、洞窟に戻った。
「おぉい。遅かったなぁ。」
ジンはほんの少し心配していたようだった。
火種は見事に出来上がっていて、明るい小さな光を灯していた。そこに集めた枯れ枝を組み、火は明るさを増し、やがて炎になった。
そこに、僕が知っている限りの茸と、魚を串刺しにした物を炙(あぶ)った。そしてジンは、鍋の中に入っていた海水に貝を入れ、少し煮た後、貝を他の鍋に移し、海水の水分を蒸発させ、味付け用の塩を作った。
出来上がりを見計らい、茸と魚には塩を付けて、貝は殻を持っていたナイフで割り、中身をとった。
それぞれは、薄い潮の匂いがした。いまにも僕達が海岸沿いにいるような感じになる様な、良い気分になりそうな匂いがした。
そしてゆっくり深呼吸をした後、遠慮無しにそれらを食べた。
ふと思うと、今日これで終わり、我らの集落に帰るわけではない。ここまで来たなら、ミスリルとオリハルコンが存在しない確率など一つも気にせず、必ず見つけ出さなければならない。さらに、1日で山に登り、また降り、もう1日で集落に帰るという、大きな問題もある。まだ出発してから、半分も行ってはいない。行きでも苦労したため、後々はもっと大変だろう。行きはいろいろな人からの助けもあったからこそ辿り着いたものの、もしかしたら帰りは無いかもしれない。その事を思いながら食べると、食物も喉を通らなくなってしまった。
「・・・・・・クローヴィス。明日が一番の山場だ。そのためにも、今のうちに沢山食べておくんだ。じゃないと、悲惨な事になる。明日は朝食に手をつける事が出来ないかもしれないなぁ。」
と、野イチゴを食べながら言った。
僕は途中で食べるのを中断し、持って来た日記の中から、図鑑に挿んであったカードを取り出し、燃えている炎に翳(かざ)した。





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Last updated  2007.05.23 21:39:26
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