PR
Calendar
Keyword Search
Comments
ボックスアート
プレイエリア

デザイナーはフランスのFrédéric Guérardで、これがデビュー作。で、これをリリースするためにEuphoria Gamesという会社を作っちゃったという、まあいつもの流れ。さすがに流通が弱いらしく、英語版はIELLOが扱う。
テーマは宇宙戦争だが、互いの領土を奪い合うのではなく、宇宙の辺境で発見された新たなエネルギー源、“チタニウム”を得るために相争う。ここでのチタニウムとは原子番号22のチタンではなく、“なんかすごいエネルギーの新しい形態”らしい。そこはオリジナルの用語を作るべきだったんじゃないかねw で、これが辺境の惑星に手つかずで埋まってるので、戦争して勝った勢力がその惑星を征服する。みんな紳士なので、一度支配者が決まった惑星を再び狙ったりはせず、さっさと次の惑星を襲いにいく。プレイ人数に応じて決まった数のチタニウム堆積地を支配したらそのプレイヤーの勝ち。
ゲームは「調査」「生産」「軍備」「征服」の4フェイズを繰り返して進行する。まずは「調査」。両面仕様になってる惑星/イベントカードを山から1枚引き、惑星面を表向けて置く。これがこのラウンドの「征服」フェイズ中の標的惑星となる。両面仕様なので、山札の一番上にはイベント面が上向いたカードが1枚あることになる。これがそのラウンドに発生するイベントとなり、ラウンド中ずっと効果を発揮する。
カードのイベント面。このカードが出てるラウンド中は反物質が降り注ぎ、宇宙船の改良パーツは効果を発揮しなくなる。下段の数字やアイコンは裏面の惑星のデータを示してる。
こっちが惑星面。この惑星フィーテ(仮称)を征服すると、毎ラウンドの収入が100クレジット増え、建物を2つ建設でき、自軍の艦隊内のユニット上限が1枚増え、勝利条件となるチタニウム堆積地を3つ確保できる。手札上限を増やしたりする惑星もある。
「生産」フェイズでは、ゲーム開始時から持ってる母星と征服した惑星、および建設した「精製所」による収入を得る。“生産”と言っても、このゲームに資源といった概念はなく、お金を得るだけなのでここは簡単。
「軍備」フェイズでは、プレイエリアにずらりと並んでるカード群から必要なカードを購入する。ここの処理がちょっと独特で、なんと全プレイヤー同時処理。欲しいものがかぶって数が足りないときだけ手番順となってるが、だったら最初から手番順でもいいんじゃないかなw 艦隊上限(初期値3枚)を超えるユニットは持てないとか、建物は惑星の建物スロットまでしか建設できないとか、いくつかの制限に従っている限りは好きなものを買えるだけ購入できる。
ユニットカード(左上)、宇宙船カード(左下)、改良カード(右上)、建物カード(右下)。ユニットカードは艦隊内でいろんな役割を果たす。宇宙船カードはユニットカードの一部で、最低1隻は持っていないと、そもそも戦闘や惑星征服をすることができない。改良カードは宇宙船に取り付け、その能力を向上させたり、新たな能力を追加したりする。建物カードは惑星カードにくっつけて置き、いろんな効果をもたらす。

宇宙船カードに改良カードをつけるとこんな感じになる。攻撃力が+1される「レーザーキャノン」と、破壊されたときに攻撃相手の全宇宙船に1ダメージを与える「自爆装置」がついてる。やな宇宙船だなw
全員が買い物を終えたら、いよいよ「征服」フェイズ。「調査」フェイズ中に公開された惑星の占領競争に参加するかどうかを手番順に決め、参加する場合は手札の戦術カード(ゲーム開始時に3枚持ってる)を1枚選んで裏向きで手元に置く。参加しない場合はそのラウンドの「征服」ラウンドから抜ける。毎ラウンド惑星を征服できれば当然勝つだろうけど、もちろんそんなことはできないと思われるので、無理だと思ったらしゃがむのも重要だ。この時点で1人しか戦術カードを出さなかった場合、自動的にそのプレイヤーの勝利。
複数のプレイヤーが征服に参加した場合、互いに殴り合うバトルロイヤルが発生する。その全員が戦術カードを表向けて、カードに示されてる優先順位の順番に処理する。戦術カードには「自分の艦隊内にあるどのユニットを使って攻撃するか」と「他プレイヤーのどの種類のユニットにダメージを与えるか」が示されてるので、それに従ってダメージを与える。ここがこのゲームの一番面白いところだろう。いくら強力なユニットを揃えても、それを運用できる戦術カードがなければ宝の持ち腐れになってしまうのだ。

戦術カードの一例(英語版がなかったのでフランス語版)。「総攻撃」戦術は優先順位が7番で一番遅いので、他プレイヤーに殴られてから反撃する形になる。しかし全3種類の宇宙船(戦闘機部隊、駆逐艦、巡洋艦)だけでなく、「惑星の援護」建物カードまで含めて攻撃に使うことができ、他プレイヤーの宇宙船3種と「修理ドローン」を標的とすることができる。たいていの戦術カードでは一部の船種を使って一部の船種しか攻撃できないので、これはまさに総攻撃だ。
全員の攻撃が終わったところで、艦隊内の全宇宙船を失ったプレイヤーは戦闘から脱落。使った戦術カードは当然捨て札だが、必要なら手札も1枚無料で捨てられるし、追加でお金を払えばもっと捨てることもできる。そのあと手札上限まで補充して次の戦闘ラウンドに。こうして1人だけが残るまで戦闘を続ける。たまに参加者全員が相打ちになることもあるw 勝ち残ったプレイヤーが獲物の惑星をゲット。これを繰り返し、勝利条件分のチタニウム堆積地を集めたプレイヤーの勝ち。
よくまとまったゲームといった印象。殴り合いのゲームだが、戦術カードの綾があるので常に全力を出すのは難しいし、艦隊上限があるため、特定のプレイヤーが突出して強くなり、手がつけられなくなるといったこともなさそうだ。たとえばあるプレイヤーがユニットを1枚も失わず、別のプレイヤーが全滅したとする。他のゲームでは相当不利な状況だが、このゲームではすぐ立て直せる気がする。ユニットを残したプレイヤーが有利なのは間違いないが、艦隊上限があるので戦力を倍々に増やしていくようなことはやりづらいしね。もちろん、改良した宇宙船は強いので残した方が有利なのは確かだが、戦術カードに合わせた艦隊を組めるかどうかの方が重要じゃなかろうか。そもそも、戦闘ラウンドごとに撤退できるので、全滅するまで戦わないだろうしw
背景設定がしっかりしており、各勢力ごとにリーダーがいて、それぞれ特殊能力を持っているのもいい。ルールブック巻末には8勢力のリーダーについて詳しい説明があり、これを読むだけでもワクワクしてくる。
リーダーの1人、ジョン卿。大企業「ゼピュロス」がチタニウムを管理下に置くために派遣した男で、論理と確率を愛するナイスガイ。戦術カードをプレイする前に50クレジットを支払い、山札から1枚引いて取り替えたり捨て札にしたりできる……さらに金がかかるのが難点だがw 能力を生かすには、収入を大きく増やす惑星を重点的に征服する必要があるだろう。
カード枚数は多めだが、同じユニットカードや改良カードが何枚もあるので、言語依存性はそれほど大きくない。SF好きで殴り合い好きなゲーマーならきっと楽しめるだろう。IELLO扱いなので国内流通にも期待したい。
BGGの和訳ルール
【ゲーム紹介】リーフ・プロジェクト(Reef… 2024.06.18
【ゲーム紹介】ウィンドミル・バレー(Wind… 2024.05.17
【ゲーム紹介】裏切り者レガシー(Betrayal… 2021.06.14