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はじめに――このブログの概要
筆者の目的は、プレイしたゲームの個人的感想や、ルールを翻訳したゲームの第一印象などを心のままに書き殴ることです。勝利のためには、異なる感想を持つ閲覧者に気を遣う余裕はないでしょう。しかし安心してください。たとえゲームの感想が否定的であったとしても、それはそのゲームをプレイした閲覧者やその友人、そのゲームのデザイナー、パブリッシャー、販売ショップその他を否定するものではないのです。
閲覧者の目的はさまざまです。閲覧者はアクションポイントを消費したり、ワーカーを置いたりすることなく、自分と同じ感想に同意したり、異なる感想に反感を持ったり、まだ日本で発売されていないゲームの(かたよった)情報を仕入れたりすることができます。勝利条件は2つです――このブログを見て楽しむか、この楽しめないブログを二度と見ないかです。コメント欄を荒らしたり、巨大掲示板で陰口をたたいたりすると、一時的には優位に立つことができますが、最終的には損害を被るでしょう。ワレスゲー以外で借金するようなものです。
それでは筆者の書き込みから始めて、閲覧者は任意の順番で日記を読みましょう。
ボードゲーマー夢の祭典「シュピール」が10月23日(木)~26日(日)にドイツのエッセンで開催される。その前後に発表される注目ゲームのご紹介。この記事を書いている時点でBoard Game Geekの「 シュピールエッセン2025プレビュー
」に登録されてるゲームから気になるものをいくつか選んだ。
出る数多すぎ時間なさ過ぎのため、ほとんど(と言うかまったく)ルール読んでない。選んだ基準は箱絵、テーマ、システム、対象年齢、プレイ時間など。もはや円安がデフォだし、相変わらずメジャーな出版社がつぶれることも多いので、海外から購入するかどうかは自己責任で。
邦題は適当(おおむねカタカナか直訳)。紹介順も適当。敬称略。画像全部BGGか公式サイトからの借り物で、プロトタイプの画像もあるかも。もう発売済みのもあるかも。デモ展示のみのものもあるかも。クラウドファンディングで出資募集してて目新しくも何ともないのもあるかも。日本での流通が発表済みで私が関わっているものは宣伝臭くなるのでできるだけ省いた。タイトルにBGGか公式サイトへのリンクを貼っておく。
● フォーミダブル・ファーム


日本のボードゲーマーはみんな大好き緑のフリーゼの新作。フリーゼのゲームは「 電力会社
」だけやっておけばいいというのは周知の事実だが(要出典)、10年に1回くらい、そんな過激派さえもだましてしまう見た目のゲームが出る(「504」とか)。そのうちの一つがこれ。タイトルは「骨の折れる農場」くらいの意味。
比較的軽めのカードゲームで、カードの上側に示されているものを支払うと下側に示されているものがもらえる……というのを繰り返していくっぽい。たぶん規定の枚数達成したら勝ちだろう。これだけだとあまり見るところはなさそうだが、あのフリーゼがそんなありきたりなものを作るはずはないので、あとひとひねりかふたひねりはあるに違いない。それで面白くなってるかどうかはともかく、どんなひねり具合かを自分の目で確かめてみたい。
● ルーインズ


日本語版も出ていた「 カスタムヒーローズ
」のリメイクなので、厳密には新作ではない。しかし、古代遺跡を発掘して宝物を見つけるというボドゲと親和性の高いテーマになったので、ヒーローというテーマに乗れなかった人にもいいんじゃないかな。デザイナーによる合理化もされたとあるし。
● 主計将校:南部戦線





まあこれはね、十中八九日本語版出るだろうけど、さすがにスルーするわけにはいかないので挙げておく。
前作「 主計将校:東部戦線
」と同じく2人専用。“南部戦線”という用語は二次大戦ではあまり使わないが、他のシリーズと揃えたんだろう。マップを見るに北アフリカ戦線が主で、他に地中海周辺も含まれているようだ。ルールに変更はなさそうで、アメリカは序盤には積極的な参戦をしない感じっぽい。
すでに予定されている次回作「主計将校:西部戦線」と3つ合わせてビッグなゲームができるようになるらしい。そこまで(日本語版が)出るようにみんなで応援しよう。
● ゾンビ・プリンセス



日本語版も出た前作「 レベル・プリンセス
」で厄介な王子たちの求婚を退けたお姫様たち。しかし、奴らはゾンビになって戻ってきた! ……なんでやw
「レベル・プリンセス」はトリテの「ハーツ」を元にしたゲームらしいが、こちらは同じくトリテの「スペード」を元にしたゲームらしい。つまり拡張ではなく別ゲーだ。
前作をプレイしたことはないのだが、評判はよかったようなのでこちらにも期待。でも買うなら(おそらくは)あとで出るであろうデラックス版が欲しいので悩ましいところだ。
● テーバイ


ボード&ダイスの古代文明都市建設ダイス経済神話ゲー。デザイナーはDávid Turczi。ルール読んでないけど約束された当たりゲーでしょw この見た目には期待するしかない。
ボード&ダイスのゲームはどこかから日本語版は出るだろうから(どこが出すかは分からんけど)それを楽しみに待ちたい。
● マップ・マスターズ


みんなが(主に私が)大好きなファンタジーテーマのダンジョンクロウルゲー。対戦モードでも協力モードでも遊べるらしい。まだルール出てないが、ダンジョンカードめくってペンで書きこんで探索していき、めくったお宝カードに到達することを目指すのかな。プレイ時間30-60分だからもう少し凝ったルールがありそうだが。
これは日本語版出なさそうかなー。ルールが出たら優先的に読んで個人輸入するかどうか判断しよう。
● 悪党湾の財宝



「 カム・トゥギャザー
」を作ったVegard Eliassen Stillerud、Eilif Svensson、Åsmund Svenssonの合作。かつて“宇宙・海賊・蟹・中国”と(主に私によって)言われていたように、海賊は日本では人気のないテーマであり(宇宙はずいぶん人気になったが)、実際面白い海賊ゲーというのは「 海賊と商人
」しかないのだが(断言)、これにも“プレイ時間がやや長い”というわずかな欠点があった。本作はその点も解消された、2つ目の面白い海賊ゲーになり得るんじゃないかと注目している。
作者の実績ヨシ! ボードの見た目ヨシ! シルクスクリーンの駒ヨシ! あとはルールだけだ! これもすでに公開されてるから優先して読んでおきたい。
● スカイブリッジ

大御所Michael Rieneckと新人Franz Vohwinkelのペアによる、ファンタジーとSFが融合したような世界を舞台にしたゲーム。もちろん大好物だw
世界はめちゃクソでかい球体の内側にあり、けっこう荒れてるっぽいが、その中心に緑豊かな星が浮いてる。荒れた世界での生存が困難になった各勢力は、ゆるーく協力してこの星に続く橋を架けようとする。しかし最後には自勢力が優勢になるようにしなければならない……という感じらしい。
全員敗北があり得る準協力だった場合は私の好みから大きく外れるが、BGGのメカニズム欄にはそういう記載はないので大丈夫そうだ。Deep Print Gamesなので日本語版出て欲しいがどうかなー。
● コヴェナント


「 美徳
」のデザイナー、Germán P. Millánによる新作だが、KEMUSHIサーガではなく王道のファンタジーテーマっぽい。タイトルは“盟約”とかいった意味。
ドワーフ王の命令により、はるか昔に魔物に奪われた故郷を取り戻すため山に戻る……なんかどっかで聞いたことある設定だなw
マップを探索して敵を倒して故郷を再建する。重ね重ねどこかで聞いたことあるテーマだが、ヘクスマップなのでこちらの方がはるかにいい。このパブリッシャーの長時間ゲーは、最近の私のプレイグループにはちょっと長時間過ぎてゲーム終了にたどり着かないことも多かったが、これは4人で90分というのもちょうどよさそうだ。
● こけし

今年も日本語風タイトル(「 林業
」とか「 内侍
」とか)のゲームがけっこうたくさん出るが、その中でもこれが目を引いた。当然、プレイヤーはこけし職人となって腕を磨くことになる。
5本のトラック上で駒を進めてアクションを実行していくんだと思うが、各トラックでできるアクションを自分たちで作っていく“トラック構築”というシステム(たぶん)が面白そうだ。
侍! 漁師! 相撲取り! あとなんかおばあちゃん! そしてワレス師の「ブラッドストーンズ」でも使われてた1:2の長方形の厚みのあるプラタイル! もうコンポーネントだけで大満足だよw
● ジャンクアート・レヴォリューション


言わずと知れたアクションパーティーゲームの傑作「 ジャンクアート
」のリメイク。拡張ではなくリメイク……あれのどこにリメイクの余地が……?
BGGの解説によるとルールが改訂され、得点システムがアップデートされ、新たな都市が登場するそうだ。いずれにしても、デクスタリティゲームがウケるメンツなら鉄板になることは間違いないだろう。
● ミッション:レッドプラネット第3版


これまた傑作……らしい「ミッション:レッドプラネット」の第3版。実はやったことないんだよなー。
ヴィクトリア朝の世界で火星に送られた自動探査機が超効率のいい燃料と固い鉱石、そして水を発見したので、火星への移住計画がにわかに持ち上がった……というレトロフューチャーなテーマ。こんなん大好きに決まってるわなw
今となっては目新しいところはないのかもしれないが、手堅く面白そうだ。英語版ももう出てるのかな? 日本語版出ないかねー。
● ローズ・オブ・ワールズ


ボドゲデザイナーゴールデンコンビのMichael KieslingとWolfgang Kramerの新作。プレイヤーは神様的な立場になり、地形タイルを購入して自分の惑星に追加してイケてる世界を作ろうとする。
ルール読んでないから分からんけど、画像では手元で作る自分の惑星の他に、中央にもタイルとか置いてるところがあるんだよな。まあこの2人なら大きく外しはしないだろうという安心感から期待。
● シオクラティア


新人のDaniel Marinangeliと、「 ツォルキン
」を始めとするTシリーズで有名なDaniele Tasciniの合作。タイトルは「神権政治」を意味する“theocracy”のもじりかな。Tシリーズの古代文明ゲーでは、プレイヤーはその文明で暮らす人間そのものだったが、今回は数千年にわたって分明に干渉する神様になる。
上の画像は去年のエッセンのもので、この時点でもかなり完成してるように見えるが、そこから1年かけて練ってきたのかと思えば否が応でも期待が増すというものだ。
● オルロイ:プラハの天文時計



チェコのプラハ旧市街の中心にある中世の天文時計。プレイヤーはこれを作る職人となるが、何しろ天文時計(時間以外に、月齢や黄道上の太陽の位置など、星に関する情報を表示する時計)なので、それに関する知識も必要になるからお勉強もしなくちゃならない。職人も大変だなw
テーマもいいが、なんといってもこの見映え! たぶんゲームも面白いとは思うけど、これならもうだまされちゃっても悔いはないよw
● 猫と竜


「 カスカディア
」のRandy Flynnによる新作。出るのは2026年予定なので、今年はデモ展示のみかな。
プレイヤーはネコとなり(+百万点)、攻めてくるドラゴンの大群と戦う。でもネコちゃんは強欲なので、戦いのたびに名誉と戦利品を独り占めしようとするのだ! うん、まあネコちゃんのやることだから許す!
ネコが嫌いなボードゲーマーなんていないし、ドラゴンが嫌いなボードゲーマーもいない。だからこのゲームは約束された神ゲー(証明終了)。ただ、上の画像は去年のエッセンのデモ展示画像なのよね……2年連続デモというのは開発速度としてどうなのかという心配はあるが、まあそれはただの消費者である私が考えても仕方がない。無事発売されることを祈るのみ。
以下は気になる拡張。
キャッスル・コンボ:ダンジョンの中!
ファラウェイ:星空の下
アンダーウォーターシティーズ:データの時代
SETI:宇宙機関
シボリューション:合格通知書
マラカイボの海賊たち:バミューダ・トライアングル
ボドゲを取り巻く環境は世界的に見てもいいとは言えませんが、それでもいいものは日本語版が出るでしょう。そういったものにできるだけたくさん関われますように。