旅職人のくしゃみ

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2006年04月03日
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のほほんとサンタフェで過ごしていたが、ある日事件は起きた。

朝起きてそれぞれが掃除やら朝食やらシャワーやらと朝のお勤めをこなして、ちょっと一息つく頃に、同じ部屋のオーストラリア人の女の子二人組がカメラを盗まれたと言って慌てていた。幸いお金やカードなどは身につけていたので被害には合わなかったらしいが、旅の思い出を記録したフイルムごとカメラを盗まれひどく落ち込んでいた。自分の部屋で被害が出たことにみんなショックで朝から気分が悪かった。

部屋は6人部屋だった。鍵は一人一人が持っていて誰かが中にいるときは鍵を閉めずに外出する。だから部屋に誰もいないときだけ鍵を掛ける感じだった。だからあまりセキュリティーは万全ではない。だれもいない時でもキッチンに行ったりするときは結構どこの部屋もオープンにドアは開けっ放しだったりした。あまりに居心地がいいしすぐみんな顔見知りになるから、油断してしまう。でも私も一応パスポートやお金、航空券などの貴重品は常に持ち歩いていた。これがドミトリーの面倒くさいところだ。

で、そのカメラがなくなった日の午後、私はシャワーを浴びた。部屋にもシャワーはあるが外の共同シャワーの方が広くて使いやすいので空いている時はそっちを使うようにしていた。部屋にはアメリカ人のルームメイトが一人いたので鍵は閉めずに彼女に「シャワー浴びてくる」と言って部屋を出た。

シャワーを浴びて部屋に戻ると鍵がかかっている。あ、誰もいないのかと思って鍵で開けるとさっきまでいたアメリカ人のルームメイトがいる。変だなぁ、鍵開けて行ったはずだけど・・・と思いつつもタオルを干したり、着替えをなおしたりしていた。すると彼女は軽く挨拶して部屋を出て行った。私は自分のベッドの上に異変を感じた。

アメリカのクォーターコイン(25セントコイン)は州によってデザインが違うので私は面白半分コレクションしてジッパーつきの袋に集めていた。そのコインはさすがに風呂場に持っていってはなかった。そしてその袋が開いていてコインがベッドの上に十数枚転がっている。あれ?何か取り出すときにこぼしたのか?と思ったが、一緒においていた別のジッパーの袋にチップやバス代などに使うように集めておいた1ドルや5ドル札合計2,30ドル分がなくなっていて袋だけになっている・・・やられた!私はさ~っと目の前がくらくらしてきた。金額にして3000円ぐらいだからたいした額ではない。でもまさか自分がという悔しさと、かなり犯人が確信的にわかってしまったのでショックだった。さっきまでいた彼女に違いない・・・もしかしたら朝のカメラも・・・と頭の中でいろいろな考えが思いめぐるが体が動かない。私はベッドの上で散らばったコインを拾いながら哀しさで一杯だった。

私が犯人かもしれないとにらんだ彼女は私が来たときからずっといるかなり大柄な女の人で料理人として働いているらしく、両親を事故か何かで亡くして以来仕事を探しながら旅をしていてサンタフェには結構長くいるというよな話を聞いた。なんせ彼女の英語はものすごく早い。私にはほとんどわからなかった。彼女は彼女の話を私に理解して欲しいという気持ちはないらしく、とりあえず話せれば気が済むといったしゃべり方だった。話すだけ話してどっかに行ってしまう。あまり人と一緒にいるのを見ない人だった。でもいつも笑顔で挨拶していたし、ダウンタウンからのバスが同じで一緒にユースに帰ったりした事もあった。モーリーとか言う名前だったっけ・・・

私はとにかく誰かに話さないと、と思い、部屋を出た。するとすれちがいでモーリーは部屋に戻ってきた。私は彼女を見ても何も言えず、不細工な引きつった笑顔で挨拶して急いでオソノさんにお金を取られたと言いに行った。ひとしきり状況を説明して、モーリーが犯人かもしれないとつぶやくと私は疲労感で一杯だった。オソノさんはホステルの人たちに話をするから大丈夫と言ってくれた。そして気がすすまないまま部屋に戻ると誰もいない。ちょっとほっとして自分のベッドに腰かけ、バックパックのポケットが目に入った。嫌な予感がした。そのポケットに入れていた機関車トーマスの小銭入れをふと見てみると。やっぱり・・・空だ。それもほんとに小銭を集めただけのもので金額にして2000円になるかならないかぐらいだけど、置きっ放しにした自分に腹が立ち、またかというショックに半ベソだった。

キッチンにいたオソノさんと日本人旅行者に話を聞いてもらいおろおろしていると、モーリーがキッチンに来た。彼女は私達が中で話しているのに気付くと


オソノさんや他の旅行者が気遣ってくれてイタ飯コックのお兄ちゃんを中心にしてみんなで日本食を作って晩ご飯を食べることにした。私も大分気をとりなをし、いい勉強になったと思っていたが、さぁいただきます!というときにホステルの従業員の人だちが来て取り囲まれ、まるで警察のように盗まれたときの様子やどうしてモーリーが犯人だと思うのかなどを聞きに来た。私はもうあまり話したくなかったけど、彼らとしてもどうにかしようとしてくれているのはわかったので協力した。でもその後、せっかく揚げ出し豆腐をつくってもらったのに箸がすすまなかった。

そして食後ホステルの従業員が来て私の部屋の人たちをみんな別の部屋に移るように提案してきた。モーリーの荷物だけ残して・・・。ものすごく複雑な気持ちで哀しかった。こんなやり方ありかなぁ?とも思った。次の日の朝モーリーは一度ユースに帰ってきた。「おはよう」と挨拶した。そのあと彼女はいなくなった。

それからいろんなとこに旅に出るがそれ以来一度も盗難の被害に合ってはいない。そんなに用心深く注意してはいないが、あのときのような哀しい被害にはもう二度と遭わないという妙な確信がある。私はモーリーに対して怒りを感じたり恨んだりという気持ちはまったくない。ただ彼女のことを思い出すと哀しくなるのだ。いつも一人でいるようで、どこかなにか諦めたような泳いだ目と一方的な口調。元気にしてるといいな、ちょっとはやせたかな・・・

amrica 009.jpg
次は楽しい話を書きますね。
くしゅん!





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最終更新日  2006年04月29日 10時47分02秒
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