マムの素 *             青カバ・ウィリアムはかく語る

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2010.07.07
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テーマ: 愛しき人へ(903)





わかっていただけるか・・・。

ずいぶんと考えましたが、うまく言いあらわせません。






6月27日のことです。

なぜ USUIKEISUKE とキーボードに

打ち込んだのか、まったくわかりません。

なにも考えてなかたったのか・・・

思いだせません。



USUIKEISUKE

無意識にうちこみ、あらわれた画面に

唖然としました。





ヤフオク:真筆保証 臼井圭助 スイートピー 油彩 F-3




臼井圭助、先生は私の生涯のなかで大切な恩師です。



私が在籍した中学高校は朝に夕に讃美歌がながれる

キリスト教主義の伝統のある学校でした。

5月になると、生徒の中からメイクィーンを選び

5月の女王の前でメイポールダンスを踊る。

そんな学校でした。


文化あふれる華やか反面、規則がきびしいことでも

有名な学校でした。



臼井圭助先生は美術の先生でした。

洗礼を受け頭ががちがちな先生が殆どの

中で臼井先生は大らかで、ちゃめっけたっぷりで、

生徒は当然ですが、教師間からも信頼される

人でした。



ツイードのジャケットにフラノのズボン。

ダークグリーンのネクタイ。


美術のアトリエに行くと、コーヒーをいれて

くれました。時にはそのコーヒーに

ブランデーをたらしてくれました。


お説教じみた話は一切なし。

いつもクッククと笑いながら平然と下世話な

話をなさったり私のくだらない話にウンウンと

耳をかたむけてくれたりと、アトリエでの時間は

なんだかとても大人っぽくて秘密めいていて

楽しいものでした。


ヒステリックな先生方にうんざりしていた私には

本当に息の抜ける場所でした。


臼井先生に助けられた生徒、恋こがれた生徒が

どれだけいたことでしょう。


臼井先生は生活指導員もされていました。

先生はこの皆が嫌う役目を喜々として引き受けて

おいででした。

おかげででどれだけの生徒が助かったことか。


「美大はあきらめなさい」とおっしゃった先生が

第一志望に通った私の肩に手をおいてゆすりながら

クッククの全身で笑われたことは忘れられません。




卒業して10年も経っていなかったと思います。

先生が亡くなられたことを会報で知りました。



涙がポロポロこぼれおちました。




その臼井圭助先生の絵がヤフーオークションに

出ていたのでした。




k.usui
k.usui



まさしく臼井先生の絵です。

懐かしいサインです。


絵はスイトピーですが、

先生はこよなくバラを愛でられてよく

描いておいででしたが、たしかにスイトピーも

描かれていました。



私たちは、卒業するとき院長先生にひとりひとり

よばれてスイトピーの花を胸にさしてもらいました。



そのスイトピーの絵です。



私はすぐに入札しました。

なんとしても臼井先生には私の元に来ていただかなければ。

そういう思いでした。

毎日毎時間、私は携帯からヤフーにはいり私以外の人が

入札していないことにほっとしました。


10日間、臼井先生のこと、あの学校のことが

思いだされました。


はやく入札期限がくることを祈りながらヤフーにはいり

先生のサイン、確かに先生のサインなのです。

それを何度も何度も確認し今日を迎えたのでした。



お世話になった臼井圭助先生が我家に。

先生、おひさしぶりです。

そう語りかけながら壁に飾りました。




なぜ USUIKEISUKE と打ち込んだのか

まったくわかりません。







2010年07月07日_DSC_0696
2010年07月07日臼井圭助 スイトピー







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Last updated  2010.07.08 22:29:53
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