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もう何年も前、小西六の”パーレット”から始まったベスト判カメラの始祖達に興味を持ち、その姿から想像が出来ないほどの解像に驚き、元祖ヴェストコダックまで手を染めたのですが、チマタのウワサでは「その手はピコレットが最高よ!」と悪魔の囁き・・・・

上の3枚の試写はとりあえず絵が出るかどうかの試しで、フィルムも間に合わせの135フィルムをカットして入れたもの。
さて、コレには特別な作法でもあるのか、チマタのウワサとはあまりにも違う惨憺たる結果で、これから当分はこのピコちゃん相手にのたうち回ることになりそう・・・・。
フィルムは、135タイプのネガカラーをおよそ70センチほどでカットし、下の写真のように裏紙に巻き付けて使ってみました。

ピンぼけの理由
ピントが合わない原因は何なのか、それを探るのにはまずカメラ本体裏側に付いている丸いプレートを外してフィルム位置に摺りガラスを挟んでフォーカスを調べることが必要なのですが、このカメラはサビ着いている上にまたその上から補修用のエナメルぶっ掛けられたようで、頑として回らない! さて、どうしよう・・・、マイナスドライバーで少しづつコジって隙間つくってからCRCでも染み込ますか!?
でも、ここまで旧い写真機ともなると文化財っぽい感じもしてくるし、傷をつけるのはどうにも忍びないですよね。しかし、このまま手を拱いていてもなんら前進しませんので仕方がない、変形→断裂 → 死亡というリスクを覚悟でチカラ技以外に方法がなく、万力とパイプレンチというおよそ写真機の整備には登場しないであろう道具を持ち出して癒着解消を試みました。

CRCよりも浸透力が強そうな潤滑材の”5-56DX”をスプレーして待つこと1昼夜、ウレタンスポンジで両脇を保護しながら万力でくわえ、パイプレンチでそろりそろりとチカラを加えます。 その結果、まんま潤滑剤が一晩かけて浸透したようで、ゾリゾリといやな音を発しつつも分離に成功。 しかし、ご覧通り円形のプレートはデコボコになってしまいました。(涙)

深手を負ってしまいましたが、こうなればしめたモノ。 早速、摺りガラスならぬ摺りプラ板をフィルム面に挿入してフォーカスを検証します。 なぜ、摺りプラ板かというと、ボディとフレーム枠の隙間はフィルムと裏紙の厚さ分のみしかないために1mm厚のガラス板が入らないためなのです。

この結果、とっても面白いことが分かりました。
普通の蛇腹写真機はカチッと伸ばしたレンズを固定できるポイントがあって、そこでレンズを固定して撮影しますが、この写真機ではそれが2段階になっていて、最初の抵抗が目一杯かかる位置があるのですが、そこで無限遠が出ていたのです。(1の位置)しかし、その抵抗がかかる位置にクリック感などはまったく無く、ただ何となく固くなってその位置で一旦止まるみたいな・・・、この辺りの曖昧さは全然ドイツ製品らしくないいい加減さです。
そして、更に引っぱり伸ばすと、そこでカチッとクリックがあってしっかり止まるのですが(2の位置)、その位置ではなんとマクロ領域(?)まで寄ったところでピントが来るように出来ていました。
つまり最初に試写した絵はまさに最短の「マクロ」のピント位置で無限遠の絵を撮っていたことになるのです。
いやぁ~、こんな大昔の写真機で被写体まで最短20センチまで寄った絵が撮れるなんて、これはもうビックリですよ!

2度目の試写にチャレンジ
またまた最初と同じように135フィルムを巻き付けて、一応この辺が遠景でピントが来そうな所かなと、蛇腹を引っぱり出して撮ってみました。

朝8時頃のどん曇で、輝度が低い上に低感度フィルムを入れちゃったもんですから、絞りは開放まで開いてます。といっても開放でf.11なのですが
大体いいようなので、この感じで使うことにしてみましょう。


↑これが最長に蛇腹を伸ばしたときのマクロな絵です。
この時で自転車のレフレクターからフィルムの位置までは
約20センチほどです。
