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前玉のカビと点ゴミをキレイにした「Kyocera 230AF」をぶら下げて皇居前の竹橋「パレスサイドビル」をブラ撮りしてきました。
旧帝国国会図書館や法務省本館、国鉄の煉瓦組高架軌道など明治・大正の逸物を見て歩いていますが、では近代・現代に優れたものはないのかというと、もちろんこれまた全国には山ほどありますね。そんな中から今日は皇居の真ん前・竹橋の「パレスサイドビル」へ行ってみました。
一見すると総ガラス張りでわりと新しい建物に見えちゃうのですが、実はコレ、1966年竣工ですのでもう築後57年も経って居るんです。このビルが建つ前はモダニズム建築の傑作といわれていたアメリカの雑誌「リーダーズダイジェスト」のステキな2階建て社屋が広々としたお庭の中に建っていました。「リーダーズダイジェスト」っていう雑誌を覚えていらっしゃいますか?
このパレスサイドビルは日本初の全面ガラス張り高層建築ということもあるのですが、もう一つ、日本で初めての複合共同建築物でもあったそうで、竣工時は先のリーダーズダイジェスト社・毎日新聞本社それに東洋不動産の3社が共同して使っていたそうです。
建て替えに際して、リーダーズ社は「とにかくユニークなデザインのものを・・・」といい、毎日新聞社は「地下に超大型輪転機が24時間稼働するので頑丈なものを・・・」といい、そして東洋不動産社は「出来るだけコストを落としてくれっ!」って・・・・。
こんな3社がすべて相反する勝手な要求を突きつけられた設計者はどれほど悩んだことだったか。しかし若き有能な設計者は見事にこの相反する難問をやっつけちゃうんですね。
このビルの両側にはこの白い巨大な円筒が2本立っていて、これがパレスサイドビルの印象を強めている一番の要素なんですが、コレじつは巨大なエレベータホールそのものなんです。ふつう、エレベーターって建物の中に設置するんですが、ここでは地下に巨大な印刷工場があるのでエレベーターボックスが入らず、悩んだ末のグッドアイデア、思い切ってエレベータボックス全体をそっくり建物の外に出しちゃった!

この巨大な筒の中に入るとこんな感じ・・・。私の写真では伝わらないのが悔しいのですが、実物はものすごくSFチックで未来的!これが、50年以上昔の意匠とはとても思えないほどの空間なんです。





さて内堀通りに沿って、上に並べた写真を撮りながら正面玄関へとやって来ます。けっこう長いですよこのビルは。角から数えて150m位は優にありますかね。10段ほど階段をトントントンと上がるとオートドアがタイミング良く開いて「よ~こそいらっしゃいませ」と言われているような感じ・・・。現在はバリアフリーが標準化されていて階段でアプローチする建物なんて望むべくもありませんが、建物に入って行く際の緊張を呼び起こす心理的効果はこの10段ほどの階段には確実に潜んでいますよね。
そして、入り口を入るとまず正面にこのブロンズ像が・・・! 昭和14年に世界一周親善飛行に成功した「ニッポン」の記念碑(?)です。この快挙の2年前に朝日新聞社が「神風」という飛行機でヨーロッパまで飛んで、日本中が沸き返ったそうで、それに刺激されたライバルの東京日日新聞(現在の毎日新聞)も、さらにでっかいことやろう燃えたんでしょうね。どこぞの会社みたいに創業者の胸像など置いていないところが、いかにも新聞社らしくて大いに気に入ってハナから好印象!





今回の写真はすべて京セラの一眼「230AF」という写真機に純正の標準ズームレンズで撮ってました。まったく不人気で不憫な写真機ですが、付属で着いているこの標準ズームレンズはヤシカの匂いが濃厚な感じがして、かなりのお気に入りになっています。おでこのフラッシュユニットも取って付けたようでイカしてますでしょ、実際にはこのユニットは簡単に取り外しが可能です。
